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Linuxには多くのフリーソフトがある。無料であっても、Windows向け有料ソフトに劣らない機能を持つものもある。厳選したLinuxフリーソフトを100本紹介する。

1
GIMP

商用レベルの多機能な画像編集ソフト

 画像の作成や編集、フォトレタッチなどに役立つ、多彩な機能を持つ画像編集アプリです(図1)。レイヤー機能やブラシエディタ、ヒストグラム、ベジェ曲線を使った描画ができるパスツール、さまざまな加工ができるフィルター群など、商用ソフトレベルの充実した機能を持つのが特徴です。

図1 写真を編集中の画面
図1 写真を編集中の画面
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 Schemeで記述したスクリプト(Script-Fu)やPythonで記述したスクリプト(Python-Fu)によって機能を追加したり、処理を自動化したりする仕組みも備えています。標準で利用できる機能にも、Script-Fuで提供されるものがあります。

2
Inkscape

ベクター形式の画像編集ソフト

 サイズを変更しても劣化しない「ベクター画像」と呼ばれるタイプの画像を作成できるベクターグラフィックスエディタ(ドローツール)です(図1)。イラストやロゴの作成などに用いられます。

図1 イラストを編集中の画面
図1 イラストを編集中の画面
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 線や図形を描画する多彩なツール群に加え、エフェクトや変形などの処理ができるフィルターやエクステンションを多数備えています。

 さまざまなベクター画像フォーマットに対応しているのも特徴です。よく使われるSVG(Scalable Vector Graphics)のほか、PDFやEPS、PSなどのフォーマットでも画像を出力できます。

3
Pixelorama

ドット絵を描くためのエディタ

 画像の構成単位(ドット)が大きく、各構成単位を肉眼で識別できるような、いわゆる「ドット絵」を作成するためのドット絵エディタです(図1)。

図1 ドット絵を編集中の画面
図1 ドット絵を編集中の画面
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 複数の画像をタイル状に配置した「スプライトシート」を作成する機能や、パターンを作成するための「タイルモード」など、ドット絵の作成に役立つ機能を多数備えています。レイヤー機能や無制限のアンドゥ、リドゥ機能も利用できます。

 アニメーション作成にも対応しています。作成したアニメーションは、APNG(Animated Portable Network Graphics)形式やアニメGIF形式で出力できます。

4
ImageMagick

画像の編集や変換などのツール群

 200以上の画像フォーマットに対応した、多機能な画像処理ツール群(コマンド群)です。各コマンドを利用することで、画像の生成やリサイズ、回転、トリミング、色調整、エフェクトの適用、文字の追加といったさまざまな操作が可能です。例えば、画像のリサイズやフォーマットの変更には「convert」、画像ファイルの情報を表示するには「identify」というImageMagickのコマンドが使われます。

 コマンドなので、シェルスクリプトのループ処理と組み合わせて、大量の画像ファイルのフォーマットや解像度などをまとめて変換するといった使い方も可能です。Webアプリに組み込んで、自動で画像を生成したり、文字入れなどの処理をしたりする用途にも使われます。柔軟な利用が可能なため、開発者やシステム管理者などに重宝されています。