オードリー・ヘップバーンの装い｜憧れのクラシックアイコン

映画評論家のモリー・ハスケルに、「過去のどんな女優よりも着こなしがうまく、それが彼女の重要な個性の一部だ」と言わせたオードリー・ヘプバーン。装いの秘訣は気品と愛らしさが同居する絶妙なバランスでしょう。

〈写真右〉オードリーを象徴するスタイルとなった、『麗しのサブリナ』でのパンツルック。〈左〉コンパクトな白シャツと、首元へタイトに結ばれたスカーフがレディライクな印象。『ローマの休日』で披露された装いです。

特に、映画『麗しのサブリナ』でのサブリナパンツスタイルはいまなお新鮮。シンプルシックなモノトーンの装いに小物で少しの甘さを加え、どこかマスキュリンな空気を含むアンドロジナスな美しさを印象づけました。

次からはオードリーをお手本に、この秋取り入れたい最新アイテムをご紹介します。

凜とした気品が漂うボーイッシュなモノトーン

シルエットの美しい黒いウールパンツと、シワ加工やパフスリーブにモダンなニュアンスが漂う白いシャツは、まさに永遠の組み合わせ。シャツをインしてウエストをベルトでマークする着こなしが、品格とクラシカルなムードを高めます。

シャツ／320,000円　パンツ／181,500円［参考価格］　スカーフ／60,000円　ベルト／93,000円（すべてディオール／クリスチャン ディオール tel.0120-02-1947）

ディオール公式サイト

ジュエリーはさりげなく。華やかでいて上品な印象を生む計算

気品のなかにこなれた雰囲気が漂うバロックパール。適度なボリューム感があり、顔立ちが明るく引き立ちます。

ピアス／99,000円［予定価格］（セリーヌ バイ エディ・スリマン／セリーヌ ジャパン tel.03-5414-1401）

装いの決め手となる足元は可憐なバレエシューズ

ミラノの老舗靴ブランド「スペルタ」のバレエシューズは履き心地のよさにも定評が。パンツスタイルがフェミニンに仕上がります。

靴／36,300円（スペルタフォー ドゥロワー／ドゥロワー青山店 tel.03-5464-0226）

大人のカジュアルに合う軽快な“品格バッグ”

オードリーが愛用したバッグがベースとなった“スピーディ・バンドリエール 25”。コンパクトなサイズは快活なレディスタイルに最適。

バッグ［H19×W25×D15㎝］257,400円［予定価格］（ルイ・ヴィトン tel.0120-00-1854）

パンツスタイルに清楚な甘さを添える黒いリボン

1920年代に着想を得たデザイン。ウール混シルクの上質なシュシュで髪を結べば、ドレッシーなヘアスタイルが完成。

シュシュ／69,300円（アレクサンドル ドゥ パリ／アレクサンドル ドゥ パリ GINZA SIX店 tel.03-6264-5442）

ウェリントン形サングラスで装いを知的に引き締めて

クラシカルな形を現代的にアレンジ。上下の太さに強弱をつけたキャッツアイ風のフロントフレームが、しゃれた雰囲気を演出します。

サングラス／55,000円（アルフ／ブリンク外苑前 tel.03-5775-7525）

写真＝Getty Images　撮影＝桂太（FLAME）　スタイリング＝小倉真希　文＝近藤善美（y-qua）
編集・文＝富澤幸子　大槻奈津子　井田青夏（婦人画報編集部）

『婦人画報』2023年9月号より

■憧れのクラシックアイコン4

1. オードリー・ヘップバーンの装い（この記事）
2. ジャクリーン・ケネディ・オナシスの装い
3. カトリーヌ・ドヌーヴの装い
4. キャサリン・ヘプバーンの装い