WO2007100062A1 - 毛髪保持具 - Google Patents

Description

明 細 書

毛髪保持具

技術分野

[0001] 本発明は、所定量の毛髪を、染毛処理及びパーマ処理等の毛髪処理をすることの できる毛髪保持具に関する。

背景技術

[0002] 従来、所定量の毛髪を、染毛又はパーマ等することのできる筒状体力 構成される 毛髪保持具が知られている。この種の毛髪保持具は、可撓性の筒状体から構成され ており、該筒状体における一方の端部から、毛髪束が該筒状体内へ挿入されるよう になされている。例えば、毛髪束の染毛を行なう際には、筒状体の内部に毛髪処理 剤としての染毛剤を注入し、筒状体の内部で染毛剤が毛髪束に塗布される。

[0003] 筒状体の形成材料として、染毛剤に対して、非透過性の材料を用いることにより、 毛髪保持具に挿入されている毛髪以外の毛髪が染毛されることが防止されるので、 毛髪の部分的な染毛に効果的である。

[0004] また、毛髪束が挿入されて 、る一方の端部とは反対側の他方の端部から、染毛剤 が筒状体の内部に注入される場合がある。この場合の染毛剤は、他方の端部側から 一方の端部へ向力つて筒状体をしごいて、毛髪束に塗り広げられる。

[0005] 前述したような筒状体力 構成される毛髪保持具として、例えば、本出願人は、先 に特許文献 1にお 、て、一端部に毛髪取り込み口を有する細長形状の可撓性材料 からなる扁平形状の筒状体から構成されており、該筒状体に保持された毛髪を所定 の形状に巻き上げ、湾曲又は屈曲させる巻き上げ手段が備えられて 、る毛髪保持具 を提案している。

[0006] また、特許文献 2には、一端の開口部力 他端の開口部に向けて毛髪束を挿入可 能な筒状体から構成されており、該筒状体は柔軟な材料から形成されている毛髪保 持具が開示されている。

[0007] 特許文献 1 :特開 2003— 93133号公報

特許文献 2 :米国特許出願公開第 2004— 216759号明細書 発明の開示

[0008] 特許文献 1記載の毛髪保持具にお!/ヽては、頭髪の一部を筒状体に挿入した状態 で、巻き上げ手段を操作することにより、筒状体とその内部に挿入された毛髪束とが 一体的に変形し、それにより、毛髪保持具が毛髪束に固定される。しかし、筒状体内 部の毛髪束に毛髪保持具を固定するのみでは、毛髪処理の操作中に、筒状体が毛 髪束の当初の固定位置力もずり落ちる場合がある。例えば、巻き上げ手段で毛髪束 を充分に巻き上げな 、状態等にぉ 、ては、ずり落ちが生じやす!/、。

また、一方の端部から筒状体の内部に挿入した毛髪束に、他端の端部から注入し た染毛剤を、筒状体をしごいて塗り拡げるときに、一方の端部力 毛髪処理剤が漏れ 出てしまうおそれがある。

また、毛髪保持具の上力も強力なクリップ等を使用して毛髪を抑え付けることにより 、上記課題を解決することもできるが、毛髪処理剤により膨潤した毛髪にこのような力 をカロえると毛髪にダメージを与える原因となり好ましくない。

[0009] また、特許文献 2に記載の毛髪保持具は、毛髪処理剤を新たに筒状体の内部に供 給する必要はないものの、毛髪処理剤と毛髪束とをなじませるために、筒状体をしご く際に、毛髪処理剤が漏れ出てしまうおそれがある。

[0010] 特許文献 1に記載の毛髪保持具にお 、て、筒状体の一方の端部から毛髪処理剤 が漏れ出てしまうおそれがある一つの理由として、他方の端部側から一方の端部へ 向かって筒状体をしごく範囲が明確でないことがある。この点は、特許文献 2に記載 の毛髪保持具にお 、ても同様である。

[0011] また、従来の毛髪保持具においては、毛髪処理剤を収容した容器から筒状体に毛 髪処理剤を注入して用いるのが一般的である力 筒状体内に注入する毛髪処理剤 の量が少な過ぎて、毛髪束の全体に剤が行き渡らずに染めムラや脱色ムラを生じた り、筒状体内に注入する毛髪処理剤の量が多過ぎて、筒状体の注入側とは反対側 の開口部力も漏れ出したりする場合があった。

また、 1回の毛髪処理に必要な量以上の毛髪処理剤を容器に充填しておき、複数 本の毛髪保持具を用いて毛髪処理を行うことが、毛髪処理の効率等の観点力 好ま しいが、このような場合に、個々の毛髪保持具に必要以上の量の剤を供給した場合 には、毛髪処理剤が不足し、予定された回数の毛髪処理が行えなくなる。他方、個 々の毛髪保持具に適切な量の剤を供給しな力つた場合には、毛髪が所望の色に染 まらな力つたり、色むらが生じる場合がある。また毛髪処理剤が余って不経済であつ た。

[0012] 本発明は、一端の開口部力 他端の開口部に向けて毛髪束を挿入可能なように構 成された筒状体を有し、該筒状体内に毛髪処理剤を注入して、該筒状体の内部で 該毛髪束に対して毛髪処理を施すことができるようになされている毛髪保持具であつ て、前記筒状体の、前記一端の開口部の近傍における内面側に、毛髪束に押し付 けられたときに漏出防止作用を発現する毛髪処理剤漏出防止部材が設けられている 毛髪保持具を提供するものである（以下、第 1発明というときは、この発明をいう)。

[0013] また、本発明は、一端の開口部から他端に向けて毛髪束を挿入可能なようにシート により構成された筒状体からなり、該一端の開口部から該筒状体の内部に挿入され た該毛髪束に、該筒状体に注入された毛髪処理剤を、該筒状体をしごいて塗り広げ ることができるようになされて!、る毛髪保持具であって、前記筒状体から前記毛髪処 理剤が漏れ出すことを防止する為の漏出し防止用目印が設けられている毛髪保持 具を提供するものである（以下、第 2発明というときは、この発明をいう）。

[0014] 前記漏出し防止用目印としては、前記筒状体をしごく範囲の終点を、触覚的又は

Z及び視覚的に分力るように示す部位、及び Z又は、前記筒状体に注入する毛髪 処理剤の量を一定の量に調整可能な目印を設けることが好ましい。 図面の簡単な説明

[0015] [図 1]図 1は、本発明（第 1発明）の一実施形態である毛髪保持具を示す斜視図であ る。

[図 2]図 2 (a)〜(c)は、図 1の毛髪保持具の一端の開口部の近傍を拡大して示す部 分拡大図であり、図 2 (a)は正面図、図 2 (b)は、前記一端の開口部を閉鎖した状態 の図 2 (a)の II II線断面図、図 2 (c)は、前記一端の開口部を開口した状態の図 2 ( a)の II II線断面図である。

[図 3]図 3は、図 1の毛髪保持具を毛髪束に固定した状態を示す斜視図である。

[図 4]図 4は、毛髪処理剤漏出防止部材が、毛髪束 Hの表面の凹凸形状に沿うように 変形した状態の典型を示す模式断面図である。

[図 5]図 5は、本発明で用い得る固定具の好ましい例を示す概略図である。

[図 6]図 6 (a)及び (b)は、本発明（第 1発明）で用い得る固定具の他の好ま 、例を 示す図であり、図 6 (a)は、一対の挟持部間を開いた展開状態、図 6 (b)は、一対の 挟持部間を閉じて嵌合部同士を嵌合させた固定状態を示す図である。

[図 7]図 7 (a)〜(c)は、図 1の毛髪保持具を用いて染色処理を行う様子を模式的に 示す模式図であり、図 7 (a)は、毛髪保持具に染毛剤を注入する様子、図 7 (b)は毛 髪保持具をしごく前の様子、図 7 (c)は、筒状体をしごいて染毛剤を塗り拡げている 様子を示す図である。

[図 8]図 8は、本発明（第 1発明）の他の実施形態の要部を示す模式図〔図 2 (c)対応 図〕である。

[図 9]図 9は、本発明（第 1発明）の更に他の実施形態の要部を示す模式図〔図 2 (c) 対応図〕である。

[図 10]図 10は、第 2発明の毛髪保持具の第 1実施形態を示す斜視図である。

[図 11]図 11は、図 10の ΠΙ— ΠΙ線断面図である。

[図 12]図 12 (a)〜図 12 (c)は、図 10の毛髪保持具をしごいて染毛剤を毛髪束に塗り 広げる様子を示す模式図であり、図 12 (a)は毛髪保持具に染毛剤を注入している様 子であり、図 12 (b)は毛髪保持具をしごく前の状態であり、図 12 (c)は毛髪保持具を しご 、て 、る様子を示して 、る。

[図 13]図 13は、第 2発明の毛髪保持具の第 2実施形態を示す平面図である。

[図 14]図 14は、図 13の IV— IV線断面図である。

[図 15]図 15は、第 2発明の第 2実施形態の変形例を示す平面図である。

[図 16]図 16は、第 2発明の第 2実施形態の他の変形例を示す平面図である。

[図 17]図 17は、第 2発明の毛髪保持具の第 3実施形態を示す平面図である。

[図 18]図 18は、第 2発明の第 3実施形態の変形例を示す平面図である。

[図 19]図 19は、毛髪処理剤を塗り広げる道具を示す斜視図である。

[図 20]図 20は、毛髪処理剤を塗り広げる他の道具を示す斜視図である。

[図 21]図 21は、第 2発明の毛髪保持具の第 4実施形態を示す平面図である。 [図 22]図 22は、第 2発明の毛髪保持具の第 5実施形態を示す平面図である。

[図 23]図 23は、図 12の V— V線断面図である。

[図 24]図 24は、第 2発明の毛髪保持具の更に他の実施形態を示す斜視図である。

[図 25]図 25は、図 24の VI— VI線断面図である。

[図 26]図 26 (a)〜図 26 (d)は、図 24の毛髪保持具を用いて染毛処理を行う様子を 示す模式図であり、図 26 (a)は毛髪保持具に毛髪束を挿入した状態を示し、図 26 ( b)は毛髪保持具に染毛剤を注入する様子を示し、図 26 (c)は毛髪保持具をしごく前 の状態であり、図 26 (d)は毛髪保持具をしごいて染毛剤を塗り拡げている様子を示 している。

[図 27]図 27は、第 2発明の毛髪保持具の更に他の実施形態の要部を示す平面図で ある。

発明の詳細な説明

[0016] 以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。

本発明（第 1発明）の一実施形態である毛髪保持具 1は、図 1〜図 3に示すように、 一端の開口部 21から他端の開口部 22に向けて毛髪束 Hを挿入可能なようにシート 2 3、 23により構成された筒状体 2を有している。そして、毛髪保持具 1は、筒状体 2内 に毛髪処理剤として染毛剤を注入して、該筒状体 2の内部で、該毛髪束 Hに対して 染毛処理を施すことができるになされている。尚、本発明にいう染毛剤には、染毛剤 の他に、脱色剤も含まれる。

そして、筒状体 2の、前記一端の開口部 21の近傍における内面側に、毛髪束 Hに 押し付けられたときに該毛髪束 Hの表面の凹凸形状に沿うように変形可能な毛髪処 理剤漏出防止部材 4, 4が設けられている。図 4に、毛髪処理剤漏出防止部材 4が、 毛髪束 Hの表面の凹凸形状に沿うように変形した状態の典型を示した。図 4中、 hは 個々の毛髪の断面を示している。

[0017] 毛髪保持具 1について以下に詳述する。

筒状体 2は、図 1に示すように、縦長であり、一端の開口部 21から他端の開口部 22 に向けて毛髪束 Hを挿入可能なように構成されている。また、筒状体 2は、一対の縦 長矩形状のシート 23、 23により構成されている。一対のシート 23、 23は、筒状体 2の 長手方向の側端部 24a, 24bにおいて、それぞれの側端部同士が接合されて扁平 形状の筒状体とされている。一対のシート 23、 23それぞれは、柔軟であり、筒状体 2 は可撓性を有している。

[0018] 筒状体 2の長さは、処理すべき毛髪の長さに応じて適切な長さとされ、好ましくは処 理すべき毛髪の長さよりも長くなつている。また、筒状体 2の開口部 21、 22の形状は 、自然状態において細長い長円形状であり、その大きさは、挿入する毛髪束の量に 応じて適切な大きさとされる。

一般に、筒状体 2の長さは 50〜600mm程度であり、開口部 21, 22の大きさは、筒 状体 2の相対向する一方の面側 Fと他方の面側 Rとを密着状態として測定した、該筒 状体 2の一方の側端部 24aから他方の側端部 24bまでの距離 W〔図 2 (a)参照〕が、 5 〜100mm程度である。前記距離 Wは、開口部 21, 22それぞれの内面側の周長の 1Z2の長さに等しい。

[0019] 一対のシート 23、 23は、染毛剤に対して、非透過性の材料から形成されており、染 毛剤が筒状体 2の側面力 外に漏れ出すことはない。その結果、毛髪保持具 1に挿 入されている毛髪束以外の毛髪が染毛されることが防止される。従って、本実施形態 の毛髪保持具 1を用いた染毛処理は、頭部における毛髪の部分的な染毛に適して いる。

[0020] また、染毛剤は、毛髪保持具 1内に比較的気密状態で存在することになるので、染 毛剤に揮発成分が含まれている場合には、染毛中に該揮発成分が揮発することが 防止され、染毛処理を効率的に行えるという利点もある。

[0021] 前述した一対のシート 23、 23の形成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンと いったポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレートといったポリエステル、ナイロン、ポリ スチレン、塩ィ匕ビュル等の合成樹脂単体で製造されたフィルム、あるいは前記フィル ムを多層にラミネートした合成樹脂フィルム等が好ましく用いられる。

[0022] 本実施形態の毛髪保持具 1における毛髪処理剤漏出防止部材 4は不織布力 なる 本実施形態における筒状体 2においては、図 2 (c)に示すように、一端の開口部 21 の近傍が、相対向する一方の面側 Fと他方の面側 Rの何れにおいても、染毛剤に対 して非透過性であるシート 23と、 2つ折りされて該シート 23の内外両面に積層され、 該シート 23に部分的に接合された矩形状の不織布 41とから構成されて！ヽる。

本実施形態における毛髪処理剤漏出防止部材 4は、この不織布 41における、シー ト 23の内面側 (筒状体内面側）〖こ位置する部分 41a (以下、内面側部分 41aともいう） から構成されている。

[0023] 不織布 41は、シート 23と略同じ幅を有しており、毛髪処理剤漏出防止部材 4を構 成する、不織布 41の内面側部分 41aは、該部分 41aにおける、開口部 21の開口端 側の一端寄りの図 2 (c)中に符号 51で示す部位と、他端寄りの図 2 (c)中に符号 52 で示す部位 52とにおいてシート 23にヒートシールによって接合されている。また、不 織布 41の内面側部分 41aの両側端部は、筒状体 2の両側端部 24a, 24bにおいて、 シート 23、 23同士間にヒートシールによって接合されている。不織布 41における、シ ート 23の外面側に位置する部分 41b (以下、外面側部分 41bともいう）は、上述した 符号 52で示す部位及び筒状体 2の両側端部 24a, 24bにおいて、該シート 23にヒー トシールによって接合されて 、る。

[0024] 本実施形態の毛髪保持具 1は、図 3に示すように、筒状体 2の一端の開口部 21から 毛髪束 Hを挿入し、その状態で、筒状体 2における、毛髪処理剤漏出防止部材 4, 4 が設けられた部分 Pをクリップ型固定具 3等の固定具で挟んで、該毛髪束 Hに固定し て使用される。固定具により固定した際に、毛髪束 Hに、その両側から毛髪処理剤漏 出防止部材 4が押し付けられるが、不織布カゝらなる毛髪処理剤漏出防止部材 4は、 該毛髪束に押し付けられる面の表面が、図 4に示すように、毛髪束の表面の凹凸形 状に沿うように変形する。即ち、毛髪束を構成する個々の毛髪によって該毛髪束の 表面に形成される細かい凹凸の形状に沿うように変形する。

これにより、毛髪処理剤漏出防止部材 4と毛髪束 Hとの間に大きな摩擦抵抗が生じ 、そのため、毛髪束 Hに固定した筒状体 2がずりおちにくぐそのため、筒状体 2が毛 髪束 Hに安定的に固定される。

[0025] また、毛髪保持具 1を毛髪束 Hに固定した状態において、筒状体 2の他端の開口 部 22から染毛剤を注入し、注入した染毛剤を、例えば他端の開口部 22から一端の 開口部 21の方向へと筒状体 2を手の指でしごいて塗り広げたりするときに、毛髪処理 剤漏出防止部材 4が開口部 21の近傍に設けられていることによって、染毛剤が一端 の開口部 21から漏れ出すことが効果的に防止される。

[0026] 毛髪処理剤漏出防止部材 4は、毛髪束 Hと接触する面が、細かい凹凸を有する毛 髪束 Hの表面形状に沿って変形するようにする観点から、荷重 3. 7gZcm²下におけ る厚み T1と、荷重 204g/cm²下における厚み T2との厚み差 (Tl— T2)力 一般的 な毛髪の太さとされる 0. 1mmの半分である 0. 05mm以上であることが好ましぐ 0. 1〜0. 5mmであることがより好ましい。また、同様の観点、及びコストや生産性の観 点から、前記厚み T1は、 0. 3〜2mm、特に 0. 4〜 lmmであることが好ましい。 荷重 3. 7gZcm²という荷重値は、低荷重下での測定条件であり、軟らかい対象物 を安定して厚み測定するために定義した荷重である。

荷重 204gZcm²という荷重値は、高荷重下での測定条件であり、毛髪保持具を毛 髪束にズレ落ちないよう固定する、好ましい固定力を達成するための目安となる荷重 である。

[0027] 厚み差 (Tl -T2)が一般的な毛髪の太さとされる 0. lmmの半分以上であれば、 当該毛髪処理剤漏出防止部材と相対する毛髪処理剤漏出防止部材 (例えば図 2 (c )に示す F側の部材に対する R側の部材のこと）とが毛髪の外周を囲むことができ染 毛剤の漏れを防止することができる。実際には、毛髪束の乱れ等により毛髪の外周を 毛髪処理剤漏出防止部材で完全に囲むことができなくても、染毛剤の粘度と毛髪と 毛髪処理剤漏出防止部材との隙間との関係が、毛髪保持具をしごく時に染毛剤がも れない程度で良い。

[0028] 厚み T1及び厚み T2は、以下のようにして測定する。

即ち、毛髪処理剤漏出防止部材 4から、約 3 X 3cmの試験片を切り出し、先端が平 面のダイヤルゲージを使用して、それぞれ荷重 3.

204gZcm²下で厚み を測定する。

[0029] また、毛髪処理剤漏出防止部材 4は、本実施形態におけるように、毛髪処理剤、特 に染毛剤を含浸保持可能な多孔性材料カゝらなることが好ま Uヽ。毛髪処理剤を含浸 保持可能な多孔性材料を用いると、余分な毛髪処理剤が該多孔性材料に保持され るので、漏出しに《なる効果を得ることができる。 なお、本願でいう多孔性材料とは、毛細管現象を生ずる構造を有する材料のことを 指し、以下に例示する、不織布といった繊維状物の他、スポンジ状物等が該当する。

[0030] 染毛剤 (毛髪処理剤)を含浸保持可能な多孔性材料としては、本実施形態で用い た不織布の他に、ポリビュルアルコール、ポリエチレン、ポリウレタン、合成ゴム系の 材料力 製造されるスポンジ等を用いることができる。これらの中でも好まし 、のは不 織布である。不織布としては、各種製法による不織布を用いることができ、例えばエア スルー不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、メルトブローン不織布、スパ ンボンド不織布などを用いることができる。これらの不織布の中でも、毛髪束 Hの横断 面形状に対する追従変形性の点から、スパンレース、エアスルー、スパンボンド等を 用いることが好ましい。

[0031] 不織布を構成する繊維材料としては、セルロース系繊維、変性セルロース繊維、合 成繊維及びこれらの二種以上の混合物などを用いることができる。セルロース系繊維 としては、例えば木材系パルプや綿、麻等の天然繊維、テンセル、ビスコースレーョ ンゃアセテート等のセルロース系化学繊維が挙げられる。合成繊維としては、例えば 、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維 、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維及びこれらの合成繊維の 少なくとも二種を芯鞘型等に複合ィ匕した繊維、並びにこれらの合成繊維の少なくとも 二種を混合した繊維等が挙げられる。

[0032] また、毛髪処理剤漏出防止部材 4は、厚み方向の加圧圧縮に対して弾性回復性を 有するものが好ましい。

[0033] 本実施形態の毛髪保持具 1は、筒状体 2における、毛髪処理剤漏出防止部材 4, 4 が設けられた部分 Pを挟むことができる固定具と組み合わせて使用することが好まし い。このような固定具としては、クリップ型固定具を用いることが好ましい。

[0034] クリップ型固定具 3は、例えば図 5に示すクリップ型固定具 3のように、一対の挟持 部 31, 32がそれぞれの一端部において結合されており、一対の挟持部 31, 32間に 毛髪束を挟んで、該毛髪束に固定することができるものである。

図 5に示すクリップ型固定具 3は、一対の挟持部 31, 32が支軸 33で回動可能に結 合されており、且つ支軸 33に設けられたパネ（図示せず）により一対の挟持部 31, 3 2間が閉じる方向に付勢されているものである。このようなクリップ型固定具 3は、一対 の挟持部 31, 32それぞれの一端部に連続して形成された摘み部 34, 35を手で摘 んだり手を離したりするという簡単な操作により一対の挟持部 31, 32間を開閉できる クリップ型固定具としては、摘み部 34, 35を有しないものを用いることもできる。例え ば、パネ弾性を有する金属力もなる一対の挟持部 31, 32がそれぞれの一端部にお いて積層されて結合されており、一対の挟持部 31, 32を一体的に反らせることにより 、両者間が開き、反対側に反らせることにより、両者間を閉鎖できるもの等を用いるこ とがでさる。

[0035] クリップ型固定具としては、図 6 (a)及び図 6 (b)に示すようなクリップ型固定具 3 'を 用いることもできる。クリップ型固定具 3 'は、合成樹脂から形成されており、一対の挟 持部 31 , 32がヒンジ部分 36を介して互いに連結された構造を有している。クリップ型 固定具 3 'は、一方の挟持部 32に開口部 32a又は凹部を有し、他方の挟持部 31に、 両挟持部 31 , 32間に挟んだものを前記開口部 32a又は前記凹部に押し込むための 凸部 31aを有している。図 6 (a)及び図 6 (b)にに示すクリップ型固定具 3 'における開 口部 32a又は凹部は、挟持部 32の長手方向に長い長方形状を有しており、前記凸 部 31aは、該開口部 32a又は凹部の寸法よりやや小さい寸法を有している。

クリップ型固定具 3 'は、一対の挟持部 31, 32間に、毛髪保持具 1の染毛剤漏出防 止部材 4, 4が設けられた部分 Pを挟み、その状態を、ヒンジ部分 36とは反対側に設 けられたロック機構 31b、 32bにより維持して使用することができる。

[0036] クリップ型固定具 3等の固定具の形成材料としては、従来公知の各種ヘアクリップと 同様の材料を用いることができるが、特に染毛剤による腐食、変色等の化学反応を 起さないものが好ましい。この種の材料としては、例えばポリプロピレン、ポリアセター ル、ポリエチレン等の合成樹脂材料等が好ましい。また、染毛剤による腐食、変色等 の化学反応を有する材料であっても、その表面に該染毛剤に対して化学的に不活 性な榭脂又は金属等を被覆してあるものも好ましく用いることができる。

[0037] 本発明で用いる固定具は、筒状体 2を挟んで、該筒状体 2に設けられた毛髪処理 剤漏出防止部材 4を充分に毛髪束 Hに押し付けられるものであることが、毛髪保持具 の固定及び染毛剤の漏れ出し防止の点で好ましい。このような観点から、固定具は、

0. 4N以上の固定力、特に 0. 5〜3. ONの固定力を付与可能であるものが好ましい ここでいう固定力は、以下のようにして測定される。

固定具で 30mm X 200mm角、厚み 80 μ mの LDPE (低密度ポリエチレン）フィル ムを挟み込み、その状態でフィルムを長手方向に引き抜くときの最大荷重を固定力と した。また、測定はプッシュプルゲージ (株式会社 イマダ製)を使用した。

[0038] 筒状体 2と併用されるクリップ型固定具 3は、筒状体の毛髪束への確実な固定や、 染毛剤等の開口部 21からの漏れ出し防止の観点から、一対の挟持部 31, 32それぞ れの長さ力 筒状体 2の両側縁端 24a, 24b間の前記距離 Wの 100%以上の長さで あることが好ましぐ前記距離 Wの 100〜 150%の長さであることがより好ましい また、筒状体 2の長手方向において、毛髪処理剤漏出防止部材 4を設ける部位は、 前記一端の開口部の近傍における内面側であり、前記一端の開口部 21の開口端か ら毛髪処理剤漏出防止部材 4までの距離力^〜 50mmであることが好ましぐより好ま しくは 0〜30mm、更に好ましくは 0〜： LOmmであり、該開口端から毛髪処理剤漏出 防止部材 4の最も遠い部分までの距離が 5〜： L 10mmであることが好ましぐより好ま しくは 20〜60mmである。

また、毛髪処理剤漏出防止部材 4は、長手方向の長さが 5〜60mmであることが好 ましぐより好ましくは 20〜40mm程度である。

[0039] 本実施形態の毛髪保持具 1について、更に説明すると、筒状体 2の他端の開口部 2 2の近傍には、筒状体 2の内部に注入された染毛剤力 他端の開口部 22から流れ出 ることを防止するために、開閉自在の封止手段 26が設けられている。

本実施形態における封止手段 26は、筒状体 2の一方の面側 Fのシート 23の外面 に接合された、塑性変形し且つその変形形態を維持可能なシート状の部材である。 シート状の部材としては、アルミ箔のような金属製シート等が好ましく用いられる。筒 状体 2における、該シート状の部材 26が接合された部分を上方に向けて一回又は複 数回折り畳むことにより、筒状体 2の開口部 22を開閉自在に封鎖することができる。 開口部 22を開閉自在に封止可能な他の封止手段としては、チャック等を用いること ができる。チャックが設けられることにより、他端の開口部 22の開閉が行なえる。また 、封止手段としては、機械的面ファスナー、粘着テープ、自己接着性テープ〔例えば 仁礼工業製のふしぎテープ (商品名）〕などを用いることもできる。

[0040] 本実施形態の毛髪保持具 1は、染毛処理をする際に、毛髪束 Hを一端の開口部 2 1から筒状体 2の内部へ挿入するために、毛髪挿入具を用いることも好ましい。毛髪 挿入具は、長手方向の一端部に毛髪束 Hを係止するための係止部を有し、他端部 に把持部を有しており、予め又は使用に際して、筒状体に挿入され、且つ該筒状体 の一端の開口部から前記係止部が延出し、筒状体の他端の開口部から前記把持部 が延出した状態とされて用いられるものが好ましい。このような毛髪挿入具としては、 例えば、前述した特開平 2003— 93133号公報又は米国特許出願公開第 2004— 2 16759号の明細書等に記載のものが挙げられる。

[0041] 次に、前述した毛髪保持具 1と上記の好ましい毛髪挿入具とを用いた染毛処理の 一例について説明する。染毛する際に用いる毛髪保持具 1における筒状体 2の長さ は、毛髪束 Hの長さよりも長いものを用いることが、毛髪束 H全体を染毛する上で好 ましい。

[0042] 毛髪挿入具の係止部が一端の開口部 21から延出し、把持部が他端の開口部 22 力 延出した状態の毛髪保持具 1を用意する。

[0043] そして、毛髪挿入具の係止部に毛髪束 Hを係止する。この際、毛髪束 Hの頭皮に 近い部分を係止部に係止することが好ましい。次に、係止部に毛髪束 Hを係止した 状態で、把持部を引っ張り、毛髪束 Hを筒状体 2の内部に挿入する。毛髪束 Hは、筒 状体 2の内部で、図 3に示すように、概ね直線状に伸ばされた状態となる。

そして、筒状体 2の開口部 21が毛髪束 Hの適切な位置にあることを確認したのち、 クリップ型固定具 3を用いて、筒状体 2の毛髪処理剤漏出防止部材 4が設けられた部 分を挟むことによって、該筒状体 2を毛髪束 Hに固定する。

[0044] そして、毛髪保持具 1を毛髪束 Hに固定した状態において、図 7 (a)に示すように、 内部に染毛剤が納められた染毛剤容器 Q等を用いて、筒状体 2の他端の開口部 22 から、所定量の液状の染毛剤を筒状体 2の内部に注入する。次に、図 7 (b)に示すよ うに、毛髪保持具 1の他端の開口部 22の近傍を両手で摘み、一方の手はそのまま摘 んだ状態で、図 7 (c)に示すように、他端の開口部 22から一端の開口部 21へ向けて 、筒状体 2の両面を他方の手の指でしごき、染毛剤を毛髪束 Hに塗り広げる。必要に 応じて、他端の開口部 22を、封止手段 26を用いて封止する。

[0045] 所望により複数の毛髪保持具を用いて同様の操作を繰り返し、所定時間放置する 放置後、筒状体 2からクリップ型固定具 3を取り外し、毛髪束 Hを毛髪保持具 1から 取り出す。そして、すすぎ洗いをし、更に所望によりシャンプー及びブローを行う。

[0046] 図 8は、第 1発明の毛髪保持具の他の実施形態を示す図である。図 8に示す毛髪 保持具においては、筒状体 2の一端の開口部 21近傍における筒状体 2の内面側の みに、毛髪処理剤漏出防止部材 4が設けられている。図 8に示す毛髪保持具によつ ても、上述した毛髪保持具 1と同様の効果が奏される。図 8に示す毛髪保持具につい て特に説明しない点は、上述した毛髪保持具 1と同様である。

[0047] 第 1発明の毛髪保持具は、前述した実施形態に制限されることなぐ第 1発明の趣 旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。

例えば、筒状体 2の相対向する一方の面側 Fと他方の面側 Rとに毛髪処理剤漏出 防止部材 4を設けるのに代えて、一方の側にのみ毛髪処理剤漏出防止部材 4を設け ることもできる。また、相対向する一方の面側 Fと他方の面側 Rとのそれぞれに、図 9 に示すように、毛髪処理剤漏出防止部材 4、 4を、筒状体 2の長手方向に相互に離間 させて複数設けることもできる。また、毛髪処理剤漏出防止部材は、天然ゴム、合成 ゴム等の弾性材料からなるものであっても良 ヽ。毛髪処理剤漏出防止部材 4をシート 23に固定する方法は、ヒートシールに代えて、超音波シール、インパルスシール、接 着剤、両面テープ等を用いても良い。

[0048] また、第 1発明の毛髪保持具を用いて、ストレートパーマネント処理を行うことも好ま しい。例えば、ストレートパーマネント処理を行う場合には、毛髪処理剤としてのパー マネント処理液を毛髪に塗布する必要がある。この場合には、筒状体 2を形成する一 対のシート 23, 23の内の一方又は双方として、パーマネント処理液が透過する材料 を用いることが好ましい。パーマネント処理を施す部位の毛髪束 Hを、毛髪保持具 1 内に保持した後に、毛髪保持具 1の外側から、パーマネント処理液を供給し、該パー マネント処理液が前記シートを透過して、毛髪束に塗布されるため、パーマネント処 理を効率的に行なうことが可能となる。

[0049] 次に、第 2発明の第 1実施形態としての毛髪保持具 101について、図面を参照しな 力 説明する。毛髪保持具 101には、筒状体 102から毛髪処理剤が漏れ出すことを 防止する為の漏出し防止用目印として、該筒状体 102をしごく範囲の終点を、触覚 的又は Z及び視覚的に分力るように示す部位が設けられている。

[0050] 第 2発明の第 1実施形態である毛髪保持具 101は、図 10〜図 12に示すように、一 端の開口部 121から他端の開口部 122に向けて毛髪束 Hを挿入可能なように一対 のシート 123、 123により構成された筒状体 102からなり、一端の開口部 121から筒 状体 102の内部に挿入された毛髪束 Hに、筒状体 102に注入された毛髪処理剤とし ての染毛剤を、他端の開口部 122側から一端の開口部 121へ向かって筒状体 102 をしご 、て塗り広げることができるようになされており、毛髪束 Hを染毛するために用 いられる。

また、本実施形態の毛髪保持具 101は、一端の開口部 121から染毛剤が漏れ出な いように、筒状体 102をしごく範囲の終点 127が、触覚的及び視覚的に分かるように なされている。

[0051] 本実施形態の毛髪保持具 101について以下に詳述する。

筒状体 102は、図 10に示すように、縦長であり、一端の開口部 121から他端の開 口部 122に向けて毛髪束 Hを挿入可能に構成されている。また、筒状体 102は、一 対の縦長矩形状のシート 123、 123それぞれを、その長手方向の側端部 124、 124 同士を接合して形成されたのものである。一対のシート 123、 123は、柔軟であり、筒 状体 102は可撓性を有して 、る。

[0052] 筒状体 102の長さは、処理すべき毛髪の長さに応じて適切な長さとされ、好ましくは 処理すべき毛髪の長さよりも長くなつている。また、筒状体 102の開口部 121、 122は 長円形状又は円形状であり、その大きさは、挿入する毛髪束の量に応じて適切な大 きさとされる。

一般に、筒状体 102の長さは 50〜600mm、開口部 121, 122の大きさは、長径 5 〜100mm、短径 2〜40mm程度の範囲である。長径と短径が等しい場合には筒状 体 102の開口部 121、 122は円形状となる。

[0053] 毛髪保持具 101は、図 12 (a)〜図 12 (c)に示すように、一端の開口部 121から筒 状体 102の内部に挿入された毛髪束 Hに、筒状体 102に注入された染毛剤を、他端 の開口部 122側から一端の開口部 121へ向力つて筒状体 102をしごいて塗り広げて 、毛髪束 Hを筒状体 102の内部で染毛処理するために用いられることが好ましい。染 毛処理の際には、筒状体 102の長手方向において、一端の開口部 121を有する上 端部 125側を上方にし、他端の開口部 122を有する下端部 126側を下方に位置さ せることが好ましい。

[0054] 一対のシート 123、 123は、染毛剤に対して、非透過性の材料から形成されており 、染毛剤が筒状体 102の側面力も外に漏れ出すことはない。その結果、毛髪保持具 101に挿入されている毛髪束以外の毛髪が染毛されることが防止される。従って、本 実施形態の毛髪保持具 101を用いた染毛処理は、頭部における毛髪の部分的な染 毛に特に効果的である。

[0055] また、染毛剤は、毛髪保持具 101内に比較的気密状態で存在することになるので、 染毛剤に揮発成分が含まれている場合には、染毛中に該揮発成分が揮発すること が防止され、染毛処理を効率的に行えるという利点もある。

[0056] 前述した一対のシート 123、 123の形成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン といったポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレートといったポリエステル、ナイロン、ポ リスチレン、塩ィ匕ビニル等の合成樹脂単体で製造されたフィルム、前記合成樹脂をブ レンドして製造されたフィルムあるいは前記フィルムを多層にラミネートした合成樹脂 フィルム等が好ましく用いられる。

[0057] 本実施形態の毛髪保持具 101において、筒状体 102に終点 127を示す段差部が 設けられている。ここで、本明細書中でいう近傍とは、毛髪束 Hの所望長さを染毛で き且つ筒状体 102から染毛剤が漏れ出ない程度に近いという意味であり、毛髪に対 する染毛する長さ及び筒状体 102に注入された染毛剤の量で適宜決めることができ る。段差部は、図 11に示すように、筒状体 102の厚み方向に段差を有している。筒 状体 102における終点 127を示す部位としての段差部は、図 11及び図 12に示すよ うに、一端の開口部 121の近傍に設けられており、他の部位よりも厚みが大きく形成 されている。

筒状体 102を、他端の開口部 122側から一端の開口部 121へ向力つて指でしごい ていくと、指が段差部である終点 127を示す部位に当接することで、筒状体 102をそ れ以上しごくことが防止される。また、段差部である終点 127を示す部位は、視覚的 にも分かる。

[0058] 詳述すると、筒状体 102における一端の開口部 121の近傍は、矩形形状の一対の シート片 103, 103それぞれ力 筒状体 102の上端部 125におけるシート 123の外 面に接合されて、その厚みが筒状体 102の他の部位よりも大きく形成されている。段 差部は、シート片 103の下端部 126側の端縁の部分に形成されている。

更に詳述すると、終点 127を示す部位には、段差部に加えて、シート片 103の面の 部分も含まれる。シート片 103が接合されている部分は、筒状体 102における他の部 位よりも厚みが大きいため、シート片 103の面の部分も触覚的及び視覚的に終点 12 7を示す部位として認知される。

[0059] シート片 103は、矩形形状であり、その厚みは、 0. l〜5mm、特に 0. 5〜2mmで あることが、筒状体 102をしごく範囲の終点 127を示す部位が触覚的に明確に分か る上で好ましい。

[0060] シート片 103の幅は、筒状体 102の幅と略同じである。シート片 103における筒状 体 102の長手方向における長さは、 5~ 100mm,特に 10〜40mmであること力 一 端の開口部 121から染毛剤が漏れ出ることを防止する上で好ましい。シート片 103は 、その一辺が、筒状体 102の上端部 125側の端縁と揃えられて配置されている。

[0061] また、本実施形態の毛髪保持具 101において、終点 127を示す部位を形成するシ ート片 103は、筒状体 102における他の部位とは異なる色に着色されていても良い。 このように、筒状体 102における終点 127を示す部位力 他の部位とは異なる色に着 色されていることにより、筒状体 102をしごく範囲の終点 127を示す部位が視覚的に も更に分力り易くなる。

本実施形態の毛髪保持具 101における筒状体 102は、無色透明な一対のシート 1 23、 123から形成されている。シート片 103は、有色透明に着色されていても良いが 、不透明又は半透明に着色されていることが、終点 127を示す部位が視覚的に一層 分かりやすくなる上で好まし ヽ。

[0062] 更に、本実施形態の毛髪保持具 101において、一対のシート 123, 123それぞれ にシート片 103が接合されている部位は、その可撓性が低下し、シート 123の他の部 位よりも高剛性を有する高剛性部 P1となされている。

従って、本実施形態の毛髪保持具 101は、筒状体 102をしごく範囲の終点 127を 示す部位が、更に触覚的に分力り易くなされている。

[0063] 高剛性部 P1のテーバーこわさは、 0. 5〜10mN'm、特に l〜5mN'mであること

1S 終点 127を示す部位としての高剛性を確保しつつ、毛髪保持具 101の可撓性を 維持する上で好ましい。

[0064] 高剛性部 P 1のテーバーこわさは、 JIS— P8125に示される方法で測定される。

[0065] シート片 103の形成材料としては、前述したシート 123, 123と同じ材料を用いても 良いが、高剛性部 P1として前述した剛性の範囲を得る観点から、特にポリスチレン、 ポリエチレンテレフタレート等が好ましく用いられる。

[0066] 本実施形態の毛髪保持具 101について、更に説明すると、筒状体 102の下端部 1 26には、筒状体 102の内部に注入された染毛剤力 他端の開口部 122から流れ出 ることを防止するために、開閉自在の封止手段が設けられていることが好ましい。 前記封止手段としては、例えば、チャックが挙げられる。下端部 126にチャックが設 けられることにより、他端の開口部 122の開閉が行なえる。封止手段としては、チヤッ クの他に、面ファスナ、粘着テープ、自己接着性テープ〔例えば仁礼工業製のふしぎ テープ (商品名）〕などを用いることもできる。

[0067] また、前記封止手段としては、アルミ箔のように可塑性を有し、折り畳んだ状態が維 持される部材を下端部 126に接合して、封止手段とすることも好ましい。例えば、筒 状体 102と同じ幅の縦長矩形のアルミ箔を、下端部 126側の端縁とアルミ箔の端縁と を揃えて接合する。アルミ箔が接合された下端部 126の部分を、上端部 125側に向 けて一回又は複数回の折り畳むことにより、筒状体 102の下端部が封止される。

[0068] 本実施形態の毛髪保持具 101は、染毛処理をする際に、毛髪束 Hを一端の開口 部 121から筒状体 102の内部へ挿入するために、毛髪挿入具を用いることも好まし い。毛髪挿入具は、毛髪保持具 101内に挿入された状態で使用され、一方の端部に は毛髪束 Hを係止するための係止部を有し、該係止部は一端の開口部 121から延 出しており、他方の端部には、他端の開口部 122から延出する把持部を有しているこ とが好ましい。このような毛髪挿入具としては、例えば、前述した特開平 2003— 931 33号公報又は米国特許出願公開第 2004— 216759号の明細書等に記載のものが 挙げられる。

[0069] 次に、前述した毛髪保持具 101と毛髪挿入具とを用いた染毛処理の一使用態様に ついて、以下に説明する。染毛する際に用いる毛髪保持具 101における筒状体 102 の長さは、毛髪束 Hの長さよりも長いものを用いることが、毛髪束 H全体を染毛する上 で好ましい。

[0070] 先ず、毛髪挿入具の係止部が一端の開口部 121から延出し、把持部が他端の開 口部 122から延出しており、毛髪挿入具が筒状体 102内に挿入された状態の毛髪保 持具 101を用意する。

[0071] 次に、毛髪挿入具の係止部に毛髪束 Hを係止する。この際、毛髪束 Hの頭皮に近 い部分を係止部に係止することが好ましい。次に、係止部に毛髪束 Hを係止した状 態で、把持部を引っ張り、毛髪束 Hを筒状体 102の内部に挿入する。毛髪束 Hは、 筒状体 102の内部で、図 12 (a)に示すように、概ね直線状に伸ばされた状態となる。

[0072] 次に、図 12 (a)に示すように、内部に染毛剤が納められた染毛剤容器 Qを用いて、 筒状体 102の他端の開口部 122から、所定量の液状の染毛剤を筒状体 102の内部 に注入する。次に、図 12 (b)に示すように、毛髪保持具 101の下端部 126を両手で 摘み、一方の手で下端部 126を摘んだ状態で、図 12 (c)に示すように、下端部 126 側から上端部 125へ向けて、筒状体 102の両面を他方の手の指でしごき、染毛剤を 毛髪束 Hに塗り広げる。

[0073] 他方の指は、毛髪保持具 101の終点 127を示す部位において、該終点 127を示 す部位に当接することで、筒状体 102をそれ以上しごくことが防止される。本実施形 態の毛髪保持具 101において、終点 127を示す部位は、触覚的及び視覚的に認知 され得る。

[0074] また、筒状体 102がしごかれることにより、筒状体 102の内部の染毛剤は、下端部 1 26側力も上端部 125へ向けて、毛髪を浸しながら移動し、終点 127を示す部位まで しごかれて移動した染毛剤の残りの部分により、終点 127を示す部位よりも一端の開 口部 121側の毛髪束 Hの部分が染毛される。

[0075] このように、筒状体 102の他端の開口部 122から注入される染毛剤は、筒状体 102 の内部に挿入された毛髪束 H全体に塗布できる量であることが好ましぐ且つ、終点

127を示す部位までしごかれて移動した染毛剤の残りの部分の量は、一端の開口部

121から漏れ出る量ではないことが好ましい。

[0076] 更に、前記封止手段が筒状体 102に設けられている場合には、下端部 126を封止 することが好ましい。

[0077] 所望により、複数の毛髪保持具 101を用いて同様の操作を繰り返し、所定時間放 置する。その後、毛髪束 Hを、毛髪保持具 101から取り出し、すすぎ洗いをし、更に シャンプー及びブローをすることが好まし！/、。

[0078] 前述した本実施形態の毛髪保持具 101によれば、筒状体 102をしごく範囲の終点 127を示す部位力 触覚的に分力るようになされているので、例えば、一人で自分の 毛髪の染毛処理を行う際にも、染毛剤が筒状体 102から漏れ出ることがない。

[0079] 次に第 2発明の第 2〜第 5実施形態である毛髪保持具 101A〜101Dを、図 113〜 図 23を参照しながら説明する。第 2〜第 5実施形態について、特に説明しない点に ついては、第 2発明の第 1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、 図 113〜図 23において、図 10〜図 12と同じ部材に同じ符号を付してある。

[0080] 第 2発明の好ましい第 2実施形態の毛髪保持具 101Aにおいて、シート片 103は、 図 13及び図 14に示すように、横長矩形である。シート片 103の横方向は、筒状体 10 2の幅方向と一致している。シート片 103は、その縦方向の長さが、前述した第 1実施 形態の毛髪保持具 101におけるシート片よりも短くなつている。

[0081] シート片 103は、その縦方向の長さが第 1実施形態におけるシート片よりも短いこと から、その厚みは、第 1実施形態におけるシート片と同等か又はそれ以上大きいこと 1S 筒状体 102をしごく範囲の終点 127を示す部位が触覚的、視覚的に明確に分か る上で好ましい。シート片 103の厚みは、具体的には、 0. 5〜5mmの範囲であること が好ましい。

[0082] シート片 103における横方向の長さは、筒状体 102の幅と略同じである。シート片 1 03における縦方向の長さは、 l〜10mmの範囲であることが好ましい

[0083] シート片 103がシート 123に接合されている位置は、一端の開口部 121側の端縁 力も下端部 126側へ向かって、 5〜： L00mm、特に 10〜40mm離間した位置である ことが、一端の開口部 121から染毛剤が漏れ出ることを防止する上で好ましい。

[0084] また、本実施形態の毛髪保持具 101Aにお ヽて、終点 127を示す部位を形成する シート片 103は、筒状体 102における他の部位とは異なる色に着色されており、筒状 体 102をしごく範囲の終点 127を示す部位が視覚的にも分力るようになされている。 更に、毛髪保持具 101における一対のシート片 103, 103が接合されている部位そ れぞれは、シート 123にシート片 103が接合されており、その可撓性が低下していて 、他の部位よりも高剛性である高剛性部 P1となされている。

[0085] また、図 15に示すように、シート片 103の横幅をシート 123の幅より短くしても良ぐ 図 16の様に点付けであっても良い。図 15、図 16の場合には、終点 127を示す部位 は、シート片 103の代わりにホットメルトなどの接着材ゃ榭脂をシート 123に塗布して 形成しても良い。

[0086] 第 2発明の好ましい第 3実施形態の毛髪保持具 101Bにおいて、筒状体 102にお ける終点 127を示す部位は、他の部位よりも幅が広く形成されていて、幅広部 Q1と なっている。本実施形態において、終点 127を示す段差部は、図 17に示すように、 筒状体 102の幅方向にも段差を有して 、る。

毛髪保持具 loiBにおいて、幅広部 Qiを除いた部分を、以下幅狭部 ςΓともいう。 幅狭部 <3Ίま、毛髪保持具 101Bにおいて、幅広部 Q1よりも下端部 126側の部分で ある。

[0087] 幅広部 Q1は横長矩形であり、その横方向は、筒状体 102の幅方向と一致している 。幅広部 Q1は、幅狭部 Q'の幅方向両端縁から幅方向外方に向力つて、左右に略 同じ長さだけ延出している。

[0088] シート 123の外形は、毛髪保持具 101Bの外形と同形である。幅広部 Q1は、横長 矩形の一対のシート片 103, 103それぞれが、シート 123の外面に接合されて形成さ れている。一対のシート片 103, 103それぞれは、その接合されているシート 123の 部分と同形状を有している。即ち、シート片 103は、幅広部 Q1と同形であり、幅広部 Qlは高剛性部 PIでもある。

幅広部 Q1と幅狭部 ςΓとの境界には、終点 127を示す段差部が形成されている。ま た、終点 127を示す部位には、幅広部 Q1の面の部分も含まれる。

[0089] 幅広部 Q1の全幅 W1 (図 17参照）は、毛髪保持具 101の他の部位 (幅狭部 Q')よ りも 0. 5〜： LOmm、特に l〜5mm幅が広いこと力 筒状体 102をしごく範囲の終点 1 27を示す部位が触覚的に明確に分かり、シートに使用する材料が無駄にならない点 で好ましい。

[0090] 幅広部 Q1の長さ L1 (図 17参照）は、 5〜： LOOmm、特に 10〜40mmであることが、 一端の開口部 121から染毛剤が漏れ出ることを防止する上で好ま 、。

[0091] また、幅広部 Q1は、図 18に示す様に台形形状であっても良い。その全幅 W2 (図 1

8参照）は、段差部においては幅狭部 ςΓと同じであり、上端部 125では幅狭部 ςΓよ りも 0. 5〜： LOmm、特に l〜5mm幅が広いこと力 筒状体 102をしごく範囲の終点 1 27を示す部位が触覚的に明確に分かり、シートに使用する材料が無駄にならない点 で好ましい。幅広部 Q1の長さ L2 (図 18参照）は、 5〜： LOOmm、特に 10〜40mmで あることが、一端の開口部 121から染毛剤が漏れ出ることを防止する上で好ましい。 幅広部 Qを以上の仕様にすることにより、終点 127を示す部位は、触覚的及び視覚 的に認知され得る。

[0092] 前述した第 1〜第 3実施形態の毛髪保持具 101, 101A, 110Bは、筒状体 102を 挟んでスライドさせる道具 104を用いて、該筒状体 102をしごいて毛髪処理剤が塗り 広げられる際に、道具 104が終点 127を示す段差部に当たって止まるようになされて いる。

[0093] 道具 104は筒状体 102を挟むことができ、筒状体 102に注入された毛髪処理剤を 、他端の開口部 122側から一端の開口部 121へ向力つて、しごいて塗り広げることが できる形状であれば適宜採用することができる。例えば図 19,図 20に示す様に、タリ ップタイプの道具力 構造が簡便である点で好ま U、。

[0094] 筒状体 10に注入された毛髪処理剤を、他端の開口部 122側から一端の開口部 12 1へ向かって、筒状体 102を、道具 104を用いることによってしごいて塗り広げ、終点 127を示す部位で上記の好ましい第 1〜第 3の実施形態の各形状に道具 104が当 接したことで接触的に認知することができる。また、機構的にも上記シート片 103、幅 広部 Q1によって道具 104が終点 127を示す部位よりも先にしごくことを防止すること ができる。

[0095] 更に説明すると、終点 127を示す段差部は、筒状体 102の厚み方向において外方 に向力つて突出しているため、筒状体 102を道具 104で挟んで、筒状体 102の下端 部 126側力も上端部 125へ向かって道具 104をスライドさせると、道具 104は段差部 に当たって止まる。

[0096] このように、道具 104を用いて筒状体 102をしごくことにより、該筒状体 102内の毛 髪束全体に、毛髪処理剤をむらなく塗り広げることが容易にできる。

[0097] 本発明の好ましい第 4実施形態の毛髪保持具 101Cにおいて、筒状体 102におけ る終点 127を示す部位は、他の部位とは表面粗さが異なっている。具体的には、終 点 127を示す部位は、図 21に示す様に、他の部位よりも表面粗さが大きく形成され ている。

筒状体 102における一端の開口部 121の近傍は、矩形形状の一対のシート片 103 , 103力 S筒状体 102の上端咅 125における一対のシート 123, 123それぞれの外面 に接合されて、その厚みが筒状体 102の他の部位よりも大きく形成されて 、る。

[0098] 一対のシート片 103, 103それぞれの外面は、筒状体 102におけるシート片 103が 接合されていないシート 123の部分よりも表面粗さが大きく形成されており、毛髪保 持具 101Cにおける一端の開口部 121の近傍には、図 21に示す様に、表面粗さの 大きい部分 Rが形成されている。シート片 103がシート 123に接合されて形成される 段差部も、シート片 103が接合されていないシート 123の部分よりもその表面粗さが 大きい。本実施形態において、部分 Rは、高剛性部 P1でもある。

終点 127は、段差部及びシート片 103の面の部分力もなる。

[0099] 部分 Rの表面粗さと、シート片 103が接合されていないシート 123の部分の表面粗 さ Rz (十点平均粗さ）との間に、 10 m以上の差があれば、終点 127を示す部位は、 触覚的及び視覚的に認知され得る。

[0100] 部分 Rの表面粗さを大きくするには、シート片 103として、シート 123よりも表面粗さ の大きい材質、例えば不織布を用いれば良い。 [0101] また、終点 127を示す部位は、他の部位よりも表面粗さが小さく形成されていても良 く、同様の効果が奏される。部分 Rの表面粗さを小さくするには、例えばシート 123に 不織布を使用し、シート片 103としてシート 123よりも表面粗さの小さい材質、例えば ポリエチレンを用いれば良 、。

[0102] 前述した毛髪保持具 101A〜： L01Cによれば、前述した第 1実施形態の毛髪保持 具 101と同様の効果が奏される。

[0103] 本発明の好ましい第 5実施形態の毛髪保持具 101Dは、筒状体における終点 127 を示す部位力 他の部位とは剛性が異なっている。一対のシート 123, 123それぞれ において、一端の開口部 121側の端縁から所定の長さ部分は、図 22及び図 23に示 すように、他の部位よりも剛性が高 、高剛性部 P1となって 、る。

[0104] 高剛性部 P1は、矩形形状のシートであって、その幅は、シート 123の他の部位と同 じであり、その長さは、 0. 5〜20mm、特に l〜5mmであること力 筒状体 102をしご く範囲の終点 127を示す部位が触覚的に明確に分力る上で好ましい。

[0105] 一対のシート 123, 123それぞれにおいて、高剛性部 P1とシート 123の他の部位と は、図 23に示すように、厚み差が容易に判別できない形態で接合されている。具体 的には高剛性部 P1とシート 123の他の部位とを僅かに重ね合わせて接合されており 、製造の容易さと接合強度を確保している。接合形態は、上記の形態に限定されず 突き合わせて接合しても、完全に重ね合わせて接合しても良い。

[0106] 本実施形態の毛髪保持具 101Dにおける終点 127を示す部位は、高剛性部 P1及 び該高剛性部 P1とシート 123の他の部位との境界部である。筒状体 102を、下端部 126側力も上端部 125へ向力つて指でしごいていくと、境界部を境に、筒状体 102の 剛性の変化が、触覚的に明確に分力るので、筒状体 102をしごく範囲の終点が容易 に認知される。

[0107] 詳述すると、筒状体 102を指でしごいて、触覚的に終点 127を示す部位として認知 される高剛性部 P1の部分には、指先が所定の面積を有する体の部位であることから 、高剛性部 P1の面状の部分も含まれる。

[0108] シート 103のテーバーこわさは、 0. 5〜10mN'mの範囲であることが、筒状体 102 の可撓性を確保する上で好ましい。高剛性部 P1のテーバーこわさは、シート 3よりも 高ぐその好ましい範囲は、前述した実施形態と同様である。

また、高剛性部 P1は、筒状体 102における他の部位とは異なる色に着色されてい て、筒状体 102をしごく範囲の終点 127を示す部位が視覚的にも分力るようになされ て 、ることも好まし 、。

[0109] 前述した本実施形態の毛髪保持具 101Dによれば、前述した第 1実施形態の毛髪 保持具 101と同様の効果が奏される。

[0110] 第 2発明の毛髪保持具も、前述した実施形態に制限されることなぐ第 2発明の趣 旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。

例えば、第 2発明の第 1〜第 3実施形態の毛髪保持具 101, 101A, 101Bにおい ては、シート片 103は一対のシート 123, 123それぞれとは別な部材であった力 本 発明におけるシート片 103は、一対のシート 123, 123それぞれと一体的に形成され ていても良い。また、第 1〜第 3実施形態の毛髪保持具 101, 101A, 101Bにおいて 、シート片 103は平らな板状であつたが、本発明におけるシート片 103は、凹凸を有 していても良い。また、第 3実施形態の毛髪保持具 101Bにおいて、シート 123にお ける高剛性部 P1の部分は、シート 123の他の部位とは異なる色に着色されていて、 シート 123の他の部位と同じ剛性を有していても良い。

[0111] また、第 1〜第 3実施形態の毛髪保持具 101, 101A, 101Bにおいて、終点 127を 示す部位は、筒状体 102の厚み方向に段差を有していたが、段差の代わりに、なだ らかな傾斜を有していても良い。この場合にも、一端の開口部 121の近傍は、他の部 位よりも厚みが大きいため、終点として機能する。また、第 1〜第 3実施形態の毛髪保 持具 101, 101A, 101Bにおいて、終点 127を示す部位は、他の部位よりも厚みが 大きく形成されていたが、終点 127を示す部位は、他の部位よりも厚みが小さく形成 されていても良い。また、第 5実施形態の毛髪保持具 101Dにおいて、終点 127を示 す部位は、他の部位よりも剛性が高く形成されていたが、終点 127を示す部位は、他 の部位よりも剛性が低く形成されて 、ても良 、。

[0112] また、毛髪処理剤としての染毛剤を一端の開口部 121から筒状体 102に注入し、 他方の開口部 122へ向力つて筒状体 102をしごいて塗り広げることもできる。この場 合には筒状体 102の下端部 126には、筒状体 102の内部に注入された染毛剤が、 他端の開口部 122から流れ出ることを防止するために、前述封止手段が設けられて いるか、ヒートシール等の接合手段が施されていることが好ましい。この場合には、筒 状体 102における終点 127を示す部位力 他端の近傍に設けられていることが好ま しい。

更に、本発明の毛髪保持具を用いて、ストレートパーマネント処理を行うことも好ま しい。

[0113] また道具 104は、終点 127が段差部でなくても、他の部位よりも表面粗さが大きく形 成されていたり、剛性が異なっていたり、異なる色に着色されていても、触覚的、視覚 的に終点を示す部位であると分力るので、このような場合にも使用することができる。

[0114] 次に、第 2発明の更に他の実施形態である毛髪保持具 201について、図面を参照 しながら説明する。毛髪保持具 201には、筒状体 201から毛髪処理剤が漏れ出すこ とを防止する為の漏出し防止用目印として、筒状体 201に注入する毛髪処理剤の量 を一定の量に調整可能な目印 225, 226が設けられている。

[0115] 毛髪保持具 201は、図 24〜図 26に示すように、一端の開口部 221から他端の開 口部 222に向けて毛髪束 Hを挿入可能なように一対のシート 223、 223により構成さ れた筒状体 202からなり、一端の開口部 221から筒状体 202の内部に挿入された毛 髪束 Hに、筒状体 202に注入された毛髪処理剤としての染毛剤を、他端の開口部 2 22側力も一端の開口部 221へ向力つて筒状体 202をしごいて塗り広げることができ るようになされており、毛髪束 Hを染毛するために用いられる。

また、本実施形態の毛髪保持具 201は、筒状体 202における前記他端の開口部 2 22の近傍に、筒状体 202に注入する染毛剤（毛髪処理剤）の量を一定の量に調整 可能な目印 225 (第 1の目印）， 226 (第 2の目印）が設けられて 、る。第 2の目印 226 は、他端の開口部 222寄りに設けられており、第 1の目印 225は、第 2の目印から間 隔を置 、て一端の開口部 221寄りに設けられて 、る。

[0116] 本実施形態の毛髪保持具 201について以下に詳述する。

筒状体 202は、図 24に示すように、縦長であり、一端の開口部 221から他端の開 口部 222に向けて毛髪束 Hを挿入可能に構成されている。また、筒状体 202は、一 対の縦長矩形状のシート 223、 223を、それぞれの長手方向の側縁部 224、 224同 士を接合して形成されたものである。一対のシート 223、 223は、柔軟であり、筒状体 202は可撓性を有している。

[0117] 筒状体 202の長さは、処理すべき毛髪の長さに応じて適切な長さとされ、好ましくは 処理すべき毛髪の長さよりも長くなつている。また、筒状体 202の開口部 221、 222は 長円形状又は円形状であり、その大きさは、挿入する毛髪束の量に応じて適切な大 きさとされる。

一般に、筒状体 202の長さは 50〜600mm、開口部 221, 222の大きさは、長径 5 〜100mm、短径 2〜40mm程度の範囲である。長径と短径が等しい場合には筒状 体 202の開口部 221、 222は円形状となる。

[0118] 毛髪保持具 201は、図 26 (a)〜図 26 (d)に示すように、一端の開口部 221から筒 状体 202の内部に挿入された毛髪束 Hに、筒状体 202に注入された染毛剤を、他端 の開口部 222側から一端の開口部 221へ向力つて筒状体 202をしごいて塗り広げて 、毛髪束 Hを筒状体 202の内部で染毛処理するために用いられることが好ましい。染 毛処理の際には、筒状体 2の長手方向において、一端の開口部 221側を上方にし、 他端の開口部 222側を下方に位置させることが好ま 、。

[0119] 一対のシート 223、 223は、染毛剤に対して、非透過性の材料から形成されており 、染毛剤が筒状体 202の側面力も外に漏れ出すことはない。その結果、毛髪保持具 201に挿入されている毛髪束以外の毛髪が染毛されることが防止される。従って、本 実施形態の毛髪保持具 201を用いた染毛処理は、頭部における毛髪の部分的な染 毛に特に効果的である。

[0120] また、染毛剤は、毛髪保持具 201内に比較的気密状態で存在することになるので、 染毛剤に揮発成分が含まれている場合には、染毛中に該揮発成分が揮発すること が防止され、染毛処理を効率的に行えるという利点もある。

[0121] 前述した一対のシート 223、 223の形成材料としては、上述した毛髪保持具 101に おけるシート 123, 123と同様のものが好ましく用いられる。

[0122] 本実施形態の毛髪保持具 201は、筒状体 202における他端の開口部 222の近傍 に、筒状体 202に注入する毛髪処理剤の量を一定の量に調整可能な目印として、前 記の 2本の目印 225, 226が凸条部状に設けられている。本実施形態における 2本 の目印 225, 226は、何れも、筒状体 202を、その全長を 4等分するように 4つの部分 に区分したときの最も開口部 222側の部分に位置しており、また、筒状体 202を、そ の全長を 3等分するように 3つの部分に区分したときにおいても同様に最も開口部 22 2側の部分に位置している。

[0123] 2本の目 226ίま、図 25【こ示すよう【こ、一対のシート 223, 223それぞれ【こ 形成されており、それぞれ、筒状体 202の長手方向に直交する方向（シート 223の幅 方向）に延びるように形成されている。 2本の目印 225, 226は、例えば、エチレン酢 酸ビュル共重合榭脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系榭脂等の熱 可塑性榭脂を溶融状態としてシート 223の片面に線状に塗工した後、該榭脂を硬化 させて得られる。

視認性を高める観点から、目印 225, 226は着色されていることが好ましい。

2本の目印 225, 226は、その位置が視覚的に認識できるものであれば充分である 力 それぞれ、シート 223の幅方向と同方向の長さが、該シート 223の幅 W3〔図 26 ( a)参照〕に対して 30〜100%が好ましぐより好ましくは 70〜100%である。

[0124] 2本の目 口 225, 226ίま、図 26 (b)に示すように、ボ卜ノレ等の容器 204力ら毛髮処 理剤 241を注入する際に、毛髪処理剤 241を、第 1の目印 225と第 2の目印 226との 間に広がるまで注入することにより、筒状体 202に注入する毛髪処理剤の量を一定 の量に調整可能である。

この一定の量は、筒状体 202内に挿入した毛髪束 Hに対してムラのない毛髪処理 を行うことができ、且つ必要以上の毛髪処理剤をできるだけ注入することにならな ヽ 量であり、予め設定しておく。この量は、筒状体に挿入される毛髪束の量や、筒状体 の長さや幅、毛髪処理剤の粘性等に応じて、決定することが好ましい。

[0125] 筒状体 202の長手方向における 2本の目印 225, 226間の間隔 L3〔図 26 (a)参照 〕は、筒状体 2の内部の最大幅 W〔シート 223, 223の接合された側縁部 224, 224 同士間の幅に同じ，図 26 (a)参照〕との関係もあるが、ムラのない毛髪処理及び毛髪 処理剤の過剰使用による漏れ出しを防止する観点から、例えば、前記幅 Wが 20〜3 Ommの場合、目印 225, 226間の間隔 L3は、 20〜60mm力 子ましく、 20〜40mm 力 り好ましい。また、 2本の目印 225, 226間の間隔 L3は、両者間におけるシート 2 23, 223間に注入可能な毛髪処理剤の量が 3〜20mL、特に 5〜： LOmLとなるような 距離に設定することが好まし 、。

[0126] 本実施形態における一対のシート 223、 223は無色透明である。筒状体 202を構 成する一方又は両方のシート 223, 223は、少なくとも 2本の目印 225, 226間に位 置する部分が透明であることが好ましぐ他端の開口部 222から第 1の目印 225まで の範囲が透明であることがより好ましぐこれらの部分を含めて筒状体 202の長手方 向の全域な!/、し略全域が透明であることが更に好ま 、。透明には有色透明も含ま れる。

[0127] 本実施形態の毛髪保持具 201においては、 2本の目印 225, 226のうちの、他端の 開口部 222寄りの第 2の目印 226は、図 26 (b)に示すように、ボトル (容器） 204に充 填した毛髪処理剤 241を筒状体 202に注入する場合における該ボトル 204の適切な 挿入深さを示す目印として機能する。

即ち、図 26 (a)及び図 26 (b)に示すボトル 204は、毛髪処理剤 241を収容する収 容部 242と、該収容部 242から突出し、その先端に注入孔を有する先細り形状の注 入部 243とを備えたものである力 このボトル 204の注入部 243を、筒状体 202に揷 入する際に、図 26 (b)に示すように、注入部 243の先端が第 2の目印 226の位置に 達するまで挿入し、その状態で毛髪処理剤 241を注入する。これにより、筒状体 202 の他端の開口部 222から毛髪処理剤 241が漏れ出すことを防止することができる。こ のような効果が確実に奏されるようにする観点から、第 2の目印 226は、筒状体 202 の長手方向における、前記他端の開口部 222からの距離 L4〔図 26 (a)参照〕が 20 〜80mmの範囲内、特に 20〜40mmの範囲内に設けられて!/、ることが好まし!/、。

[0128] 本実施形態の毛髪保持具 201について、更に説明すると、前記の第 1及び第 2の 目印のみでも一端の開口部 221から染毛剤が漏れ出ないようにすることができるが、 漏れ出しを確実にし、使用者の安心感を得る為に毛髪保持具 201には、筒状体 202 をしごく範囲の終点が、触覚的及び視覚的に分力るようになされている。

具体的には、一端の開口部 221の近傍に、図 25に示すように、筒状体 202の厚み 方向に段差が形成された段差部 227が形成されており、該段差部 227が、筒状体 2 02をしごく範囲の終点となっている。即ち、筒状体 202を、他端の開口部 222側から 一端の開口部 221へ向力つて指でしごいていくと、指が段差部 227に当接することで 、筒状体 202をそれ以上しごくことが防止される。また、段差部 227は、視覚的にも分 かる。

[0129] 本実施形態における段差部 227は、図 25に示すように、矩形状のシート片 203が シート 223の外面に接合されて形成されている。シート片 203の厚みは 0. l〜5mm 、特に 0. 5〜2mmであることが好ましい。

[0130] 本実施形態の毛髪保持具 201を用いて染毛処理をする際には、毛髪挿入具 (図示 せず)を用いて、毛髪束 Hを一端の開口部 221から筒状体 202の内部へ挿入するこ とが好ましい。毛髪挿入具は、一方の端部に毛髪束 Hを係止するための係止部を有 し、他方の端部に把持部を有しており、毛髪保持具 201内に、筒状体 202の一端の 開口部 221から前記係止部が突出し、他端の開口部 222から前記把持部が突出し た状態とされて使用することが好ましい。このような毛髪挿入具としては、例えば、前 述した特開平 2003— 93133号公報、あるいは米国特許出願公開第 2004— 2167 59号の明細書等に記載のものが挙げられる。

[0131] 次に、前述した毛髪保持具 201と毛髪挿入具とを用いた染毛処理の一実施態様に ついて、以下に説明する。染毛する際に用いる毛髪保持具 201における筒状体 202 の長さは、毛髪束 Hの長さよりも長いものを用いることが、毛髪束 H全体を染毛する上 で好ましい。

[0132] 先ず、毛髪挿入具の係止部が一端の開口部 221から延出し、把持部が他端の開 口部 222から延出しており、毛髪挿入具が筒状体 202内に挿入された状態の毛髪保 持具 201を用意する。

[0133] 次に、毛髪挿入具の係止部に毛髪束 Hを係止し、その状態で、把持部を引っ張り、 毛髪束 Hを筒状体 202の内部に挿入する。毛髪束 Hは、筒状体 202の内部で、図 2

6 (a)に示すように、概ね直線状に伸ばされた状態となる。

[0134] 次に、図 26 (b)に示すように、内部に染毛剤が納められたボトル 204を用いて、筒 状体 202の他端の開口部 222から液状の染毛剤を筒状体 202の内部に注入する。 この注入の際には、ボトル 204の注入部 243を、その先端が第 2の目印 226の位置 に達するまで挿入し、その状態で染毛剤 241を注入する。染毛剤 241の注入は、染 毛剤 241の端力 図 26 (b)に示すように第 1の目印 225に達するまで行い、第 1の目 印 225に達した時点で注入を停止する。

[0135] そして、ボトル 204を筒状体 202から引き抜いた後、図 26 (c)に示すように、毛髪保 持具 201の他端の開口部 222と第 2の目印 226との間を両手で摘み、一方の手はそ の部分を摘んだまま、図 26 (d)に示すように、他端の開口部 222側力も一端の開口 部 221側へ向けて、筒状体 202の両面を他方の手の指でしごき、染毛剤 241を毛髪 束 Hに塗り広げる。

[0136] 他方の指は、毛髪保持具 201のしごく範囲の終点を示す段差部 227に当接するこ とで、それ以上しごくことが防止される。

筒状体 202がしごかれることにより、筒状体 202の内部の染毛剤は、他端の開口部 222側力も一端の開口部 221側へ向けて、毛髪を浸しながら移動し、段差部 227を 示す部位までしごかれて移動した染毛剤の残りの部分により、段差部 227よりも開口 部 221側の毛髪束 Hの部分が染毛される。

[0137] 本実施形態の毛髪保持具 201によれば、染毛剤 241を、第 2の目印 226から第 1の 目印 225に達するまで注入するという簡単な操作により、予め設定された一定の量の 染毛剤 241を筒状体 202に注入することができる。従って、その注入量を、筒状体 2 02内に挿入した毛髪束 Hに対してムラのない毛髪処理を行うことができ、且つ必要 以上の毛髪処理剤をできるだけ注入することにならない量に設定しておくことで、毛 髪処理剤の漏れや不足を生じることなぐ効率的に毛髪処理を行うことができる。 尚、本実施形態の毛髪保持具 201のようにしごく範囲の終点を示す段差部 227等 を設ける場合、該段差部 227等より開口部 221側にも染毛剤が移動するが、該開口 部 221からは漏れ出さない注入量となるように、第 2の目印 226と第 1の目印 225の 位置を決定することが好まし 、。

[0138] 所望により、複数の毛髪保持具 201を用いて同様の操作を繰り返し、所定時間放 置する。その後、毛髪束 Hを、毛髪保持具 201から取り出し、すすぎ洗いをし、更に シャンプー及びブローをすることが好まし！/、。

[0139] 漏出し防止用目印として、筒状体に注入する毛髪処理剤の量を一定の量に調整可 能な目印を設ける態様は、上述した態様に制限されることなぐその趣旨を逸脱しな い限り適宜変更が可能である。

例えば、筒状体 202に注入する毛髪処理剤の量を一定の量に調整可能な目印とし て、図 27 (a)【こ示すよう【こ、筒状体 202を構成するシート 223【こ 2本の線 225，， 226 ，を印刷等により表示しても良い。この場合、 2本の線 225 ' , 226 'は、視認し得る限り 、筒状体 202の外面側に印刷しても内面側に印刷しても良ぐまた、シート 223の表 面力も突出していても突出していなくても良い。また、シート 223の幅方向に連続する 凸条部状の目印 225、 226や線状の目印 225 '、 226 'に代えて、シート 223の幅方 向に不連続の凸部ゃドット等を列状に設け、それらを本発明における目印として用い ても良い。また、目印として凸条部を形成する場合の凸条部の形成方法も、各種材 料のシート 223に対する接着や、凸条部とシート 223との一体成形等、任意の方法を 採用し得る。

[0140] また、図 27 (b)に示すように、筒状体 202を構成するシート 223に、他の部分 223a とは色の異なる 2つの領域 223b、 223cを設け、隣接する領域間に生じる境界線 22 5", 226"を、筒状体 202に注入する毛髪処理剤の量を一定の量に調整可能な目印 としても良い。更に、筒状体 202における他の部分 223aとは色の異なる 2つの領域 2 23b、 223cを設けるのに代えて、他の部分 223aとは色の異なる 1つの領域 223cの みを設け、該領域 223cと該領域 223cを挟む両側部分の間に生じる境界線を、筒状 体 202に注入する毛髪処理剤の量を一定の量に調整可能な目印としても良い。 2つ の領域 223b、 223cは、例えば、有色透明のシートからなる領域とすることができる。 このように、 2本の線 225，， 226，や 2本の境界線 225", 226"等を目印として設け る場合においても、 2本の線ないし境界線それぞれの位置や 2本の間隔は、上述した 実施形態における凸条部状の目印 225, 226と同様とすることができる。

[0141] また、筒状体 202に、 3本以上の凸条部や線、境界線等を設け、使用する毛髪処 理剤の種類に応じて、 2本の凸条部等を選択して目印として用いることもできる。

[0142] 前述した本発明の一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが 有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形 態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。

[0143] 以下、本発明（第 1発明）を実施例によりさらに具体的に説明する。なお本発明は、 本実施例により何ら制限されない。

[0144] 〔実施例 1〕

下記材質の毛髪処理剤漏出防止部材を用いて、図 1〜図 3に示す形態の毛髪保 持具を作成した。筒状体の長さは 400mmとし、筒状体の一方の側端部から他方の 側端部までの距離 Wは 30mmとした。また、一対のシート 23, 23の材質は低密度ポ リエチレンとした。

〔毛髪処理剤漏出防止部材の材質〕

芯鞘構造の繊維を使用した 2成分のスパンボンド不織布

芯部：ポリエステル、鞘部：ポリエチレン、坪量: 40gZm²、花王株式会社製 荷重 3. 7gZcm²下における厚み T1 : 0. 56mm

荷重 204gZcm²下における厚み T2 : 0. 27mm

T1と T2との厚み差： 0. 29mm

[0145] 作成した毛髪保持具につ!/ヽて、下記の試験手順に従って評価試験を行 ヽ、毛髪保 持具の一端の開口部からの染毛剤の漏れ出しの有無及び毛髪保持具のズレの有無 を下記のように評価した。その結果を表 1に示す。

[0146] 〔試験手順〕

(1)長さ約 250mmの毛髪束 (約 1000本)を、筒状体 2の一端の開口部 21から他端 の開口部 22に向けて挿入する。

(2)図 3に示す様に、毛髪処理剤漏出防止部材が設けられている部分 Pを図 5に示 すクリップ型固定具で挟んで、毛髪保持具を毛髪束に固定する（固定力： 1N)。

(3)毛髪保持具の他端の開口部力 染毛剤を 5g注入する。

(4)注入した染毛剤を他端の開口部力 一端の開口部の方向へ毛髪保持具を手の 指でしごいて塗り広げる。

[0147] 〔染毛剤の漏れ出し有無の評価〕

染毛剤を塗り広げた後に、毛髪保持具の一端の開口部力 染毛剤が漏れ出し状 態を目視で確認する。漏れ出しの有無は目視で確認できる程度の漏れ出し量 (数 m g前後以上)で判断する。

[0148] 〔毛髪保持具のズレ有無の評価〕 上記の実験中に毛髪保持具のズレが発生するかを目視で確認する。ズレ発生の有 無は目視で確認できる程度のズレ量（1mm前後以上)で判断する。

[0149] 〔実施例 2〕

毛髪処理剤漏出防止部材の材質を以下の通りに変更しその他は実施例 1と同様に して各評価を行った。その結果を表 1に示した。

〔毛髪処理剤漏出防止部材の材質〕

無架橋高発泡ポリエチレンシート

酒井化学工業株式会社製、商品名：ミナフォーム

荷重 3. 7gZcm²下における厚み T1 : 0. 52mm

荷重 204gZcm²下における厚み T2 : 0. 4mm

T1と T2との厚み差： 0. 12mm

[0150] 〔比較例 1〕

毛髪処理剤漏出防止部材の材質を以下の通りに変更しその他は実施例 1と同様に して各評価を行った。その結果を表 1に示した。

〔毛髪処理剤漏出防止部材の材質〕

低密度ポリエチレンフィルム (公称厚み： 40 m)

荷重 3. 7gZcm²下における厚み T1 : 0. 04mm

荷重 204gZcm²下における厚み T2 : 0. 036mm

T1と T2との厚み差： 0. 004mm

[0151] 〔比較例 2〕

毛髪処理剤漏出防止部材の材質を以下の通りに変更しその他は実施例 1と同様に して各評価を行った。その結果を表 1に示した。

〔毛髪処理剤漏出防止部材の材質〕

ポリエステル繊維を使用したスパンボンド不織布

坪量： 250g/m²、旭化成株式会社製、商品名：エルタススマッシュ

荷重 3. 7gZcm²下における厚み T1 : 0. 57mm

荷重 204gZcm²下における厚み T2 : 0. 54mm

T1と T2との厚み差： 0. 03mm [0152] [表 1]

[0153] 表 1に示すように、実施例 1及び 2については、染毛剤の漏れ出し及び毛髪保持具 のズレともに目視では確認できず良好な結果が得られた。

これに対して、比較例 1及び 2については、染毛剤の漏れ出し及び毛髪保持具のズ レともに目視で確認でき、良好な結果を得ることができな力つた。

産業上の利用可能性

[0154] 第 1発明の毛髪保持具は、筒状体を安定的に毛髪束に固定可能であり、また、筒 状体に注入した毛髪処理剤を毛髪束に塗り拡げる際に、毛髪処理剤が筒状体から 漏れ出しにくい。更に本発明によれば、毛髪処理剤漏出防止部材によって、毛髪保 持具を毛髪束に固定する際の毛髪束に力かる負担を少なくすることができ、結果的 に毛髪に与えるダメージも少なくすることができる。

[0155] 第 2発明の毛髪保持具によれば、筒状体をしご 、て、筒状体内の毛髪束に毛髪処 理剤を塗り広げる際、該毛髪処理剤が筒状体から漏れ出ない。

[0156] 漏出し防止用目印として、前記筒状体に注入する毛髪処理剤の量を一定の量に調 整可能な目印を設けた毛髪保持具によれば、毛髪処理剤の注入量を簡便に調整で き、毛髪処理剤の漏れや不足を生じることなぐ効率的に毛髪処理を行うことができる

Claims

請求の範囲

[1] 一端の開口部力 他端の開口部に向けて毛髪束を挿入可能なように構成された筒 状体を有し、該筒状体内に毛髪処理剤を注入して、該筒状体の内部で該毛髪束に 対して毛髪処理を施すことができるようになされて 、る毛髪保持具であって、 前記筒状体の、前記一端の開口部の近傍における内面側に、毛髪束に押し付けら れたときに漏出防止作用を発現する毛髪処理剤漏出防止部材が設けられている毛 髪保持具。

[2] 前記毛髪処理剤漏出防止部材が前記毛髪束に押し付けられたときに該毛髪束の 表面の凹凸形状に沿うように変形可能である請求の範囲第 1項に記載の毛髪保持具

[3] 前記毛髪処理剤漏出防止部材は、前記毛髪処理剤を含浸保持可能な多孔性材 料力 なる請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の毛髪保持具。

[4] 前記多孔性材料が不織布である請求の範囲第 3項に記載の毛髪保持具。

[5] 前記筒状体における、前記毛髪処理剤漏出防止部材が設けられた部分を挟むこと ができる固定具と併用される請求の範囲第 1〜4項の何れかに記載の毛髪保持具

[6] 前記固定具は 0. 4N以上の固定力が付与可能である請求の範囲第 5項に記載の 毛髪保持具。

[7] 前記筒状体の前記他端の開口部近傍に、該開口部を開閉自在な封止手段が設け られている請求の範囲第 1〜6項の何れかに記載の毛髪保持具。

[8] 一端の開口部力 他端に向けて毛髪束を挿入可能なようにシートにより構成された 筒状体からなり、該一端の開口部から該筒状体の内部に挿入された該毛髪束に、該 筒状体に注入された毛髪処理剤を、該筒状体をしごいて塗り広げることができるよう になされて!ヽる毛髪保持具であって、

前記筒状体力 前記毛髪処理剤が漏れ出すことを防止する為の漏出し防止用目 印が設けられている毛髪保持具。

[9] 前記漏出し防止用目印として、前記筒状体をしごく範囲の終点を、触覚的又は Z 及び視覚的に分力るように示す部位が設けられて 、る請求項 8に記載の毛髪保持具

[10] 前記筒状体における前記終点を示す部位が、前記一端の開口部の近傍に設けら れて 、る請求の範囲第 9項に記載の毛髪保持具。

[11] 前記筒状体における前記終点を示す部位が、前記他端の近傍に設けられている 請求の範囲第 9項に記載の毛髪保持具。

[12] 前記終点を示す部位として、前記筒状体に前記終点を示す段差部が設けられて!/、 る請求の範囲第 9項〜第 11項の何れかに記載の毛髪保持具。

[13] 前記段差部は、前記筒状体の厚み方向に段差を有している請求の範囲第 12項記 載の毛髪保持具。

[14] 前記段差部は、前記筒状体の幅方向に段差を有している請求の範囲第 12項記載 の毛髪保持具。

[15] 前記筒状体における前記終点を示す部位は、他の部位よりも幅が広く形成されて いる請求の範囲第 9項〜第 14項の何れかに記載の毛髪保持具。

[16] 前記筒状体における前記終点を示す部位は、他の部位とは表面粗さが異なってい る請求の範囲第 9項〜第 15項の何れかに記載の毛髪保持具。

[17] 前記筒状体における前記終点を示す部位は、他の部位とは剛性が異なっている請 求の範囲第 9項〜第 16項の何れかに記載の毛髪保持具。

[18] 前記筒状体における前記終点を示す部位は、他の部位とは異なる色に着色されて いる請求の範囲第 9項〜第 17項の何れかに記載の毛髪保持具。

[19] 前記筒状体を挟んでスライドさせる道具を用いて、該筒状体をしご!、て前記毛髪処 理剤が塗り広げられる請求の範囲第 9項〜第 18項の何れかに記載の毛髪保持具。

[20] 前記漏出し防止用目印は、前記筒状体に注入する毛髪処理剤の量を一定の量に 調整可能な目印であり、該目印は、該筒状体における前記他端の開口部の近傍に 設けられている請求項 8に記載の毛髪保持具。

[21] 容器に充填した毛髪処理剤を前記筒状体に注入する場合における該容器の適切 な挿入深さを示す目印が、前記他端の開口部の近傍に設けられている請求の範囲 第 20項記載の毛髪保持具。

[22] 前記適切な挿入深さを示す目印は、前記筒状体の長手方向における、前記他端 の開口部からの距離が 20〜80mmの範囲内に設けられている請求の範囲第 21項 記載の毛髪保持具。