技術分野
本発明は電界発光できる有機化合物を用いた有機発光素子を有する発光装置に関 する。 また、 前記発光装置を部品として搭載した電子機器に関する。 背景技術
近年、 自発光型の素子として、電場を加えることにより発光(電界発光)する物質 (以下「E L材料」 と記す) を用いた発光素子の研究が活発化している。特に、 E L 材料として有機化合物を用いた素子(以下、 「有機発光素子」 と記す)が注目されて いる。また、有機発光素子を用いた様々な発光装置が提案されており、特にディスプ レイへの応用が期待されている。
有機発光素子は、電界発光する有機化合物を含む層(以下、 「有機発光層」 と記す ) を、 陽極と陰極との間に狭持した構造を有するものである。その発光機構は、 電極 間に電圧を印加することにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された 正孔が電界発光層中で再結合して、 励起状態の分子(以下、 「励起分子」 と記す) を 形成し、その励起分子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光する。 このよ うな励起分子からの発光をルミネッセンスという。
なお、有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻 る際の発光(蛍光) と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光) とがあ るが、 本明細書中においては、 どちらの発光を用いた場合も含むものとする。
このような有機発光素子において、有機発光層は通常、積層構造となっている。代
表的には、 「正孔輸送層 発光層 電子輸送層」 という積層構造が挙げられる (非特 許文献 1参照) 。 この構造は非常に発光効率が高く、現在、研究開発が進められてい る有機発光素子は、 殆どこの構造を元に構築されている。 (非特許文献 1 )
C . W. タン等, アプライド フィジックス レタ一ズ, V o l . 5 1, N o . 1 2 , 9 1 3 - 9 1 5 ( 1 9 8 7 ) 他にも、陽極上に正孔注入層 Z正孔輸送層 Z発光層 Z電子輸送層、または正孔注入 層/正孔輸送層 Z発光層 電子輸送層 電子注入層の順に積層する構造なども考え られている。また、発光層に対して蛍光性色素等をドーピングする方法なども提案さ れている。 さらに、 これらの層に用いられる材料としては、低分子系の材料と高分子 系の材料があり、低分子系の材料は主として真空蒸着法で、高分子系の材料は湿式塗 布法で成膜される。
なお、本明細書において、陰極と陽極との間に設けられる全ての層を総称して有機 発光層としているので、 上述した正孔注入層、正孔輸送層、 発光層、電子輸送層及び 電子注入層は、 全て有機発光層に含まれるものとする。
以上で述べたような有機発光素子を発光装置、特にディスプレイのような表示用途 に適用した場合、液晶表示装置と異なり視野角の問題がないという特徴がある。即ち 、屋外に用いられるディスプレイとしては、液晶ディスプレイよりも適しており、様 々な形での使用が提案されている。
ディスプレイの形態としては、セグメント形式の他、互いに直交するように設けら れた 2種類のストライプ状電極の間に有機発光層を形成する方式 (単純マトリクス方
式) 、 又は T F T (薄膜トランジスタ) に接続されマトリクス状に配列された画素電 極と対向電極との間に有機発光層を形成する方式(ァクティブマトリクス方式)など がある。画素密度が増えた場合には、画素(又は 1ドット)毎にスィッチが設けられ ているァクティブマ卜リクス方式の方が、単純マトリクス方式に比べて低電圧駆動で きるので有利であると考えられている。
ところで、上述した有機発光素子において、有機発光層を構成する材料は、酸素も しくは水の存在により容易に酸化もしくは吸湿して劣化するため、それにより有機発 光素子における発光輝度が経時的に低下するという問題がある。
そこで、従来では、有機発光素子の周囲に保護ケ一スを設け、そのケース内に微粉 末固体脱水剤を充填する方法(特許文献 1参照)や、封止缶等で形成された気密性容 器内に有機発光素子を封入し、さらに素子から離して乾燥剤を貼り付ける方法(特許 文献 2参照)などによって、有機発光素子への酸素の到達、 もしくは水分の到達を防 止している。 (特許文献 1 )
特開平 6— 1 7 6 8 6 7号公報
(特許文献 2 )
特開平 9一 1 4 8 0 6 6号公報 発明の開示
(発明が解決しょうとする課題)
従来の有機発光素子を用いた発光装置の構造は、基板上に透明性を有する電極であ る陽極が形成され、陽極上に有機発光層が形成され、有機発光層上に陰極が形成され
た有機発光素子を有し、有機発光層において生じた光を陽極から基板の方へ取り出す (以下、 下面出射構造とよぶ) という構造である。下面出射構造では、 有機発光素子 への酸素、水分等の到達を防止するために、有機発光素子に封止缶を被せることが可 能である。光を遮断する材料で形成された封止缶で有機発光素子を覆っても、有機発 光層において生じた光は、封止缶で覆われていない前記基板側から取り出されるため 、 問題なく表示を行うことができる。
一方、基板上に陽極が形成され、 陽極上に有機発光層が形成され、有機発光層上に 透明電極等、透明性を有する電極である陰極が形成された有機発光素子を有し、有機 発光層において生じた光を陰極から取り出す構造(以下、上面出射構造とよぶ) の発 光装置では、有機発光素子への酸素、水分等の到達を防止するために、光を遮断する 材料で形成された封止缶で有機発光素子を覆う構造を適用することができない。光を 遮断する材料で形成された封止 Ϊ5で有機発光素子を覆うと、有機発光層において生じ た光は、封止缶によって遮られてしまうため、表示を行うことができないためである 。 また、 上面出射構造では、 特許文献 2のように発光部分(以下、 「画素部」 と呼ぶ ) 上に乾燥剤を配置すると、 表示の邪魔になる。
また、上面出射構造において、有機発光素子への酸素、水分等の到達を防止するた めに、有機発光素子が形成された基板に別の基板を貼りあわせ、 これらの 2つの基板 に挟まれた領域に有機発光素子を配置し、有機発光素子への酸素、水分等の到達を防 止する構成では、 2つの基板を貼りあわせるシール剤を紫外線によって硬化させる場 合に、照射された紫外線が有機発光素子にも照射されて有機発光素子を劣化させる問 題がある。
しかし上面出射構造は、下面出射構造に比べて光の取り出し効率を向上させ、発光 効率を高める可能性があり、非常に有用な構造である。 また、
型の発光装置に適用する場合には、下面出射構造に比べて、画素に配置された T F T の上に重なる、有機発光素子の一部も表示に寄与させることが可能となるので、開口 率を向上できる利点もある。
そこで本発明では、上面出射構造の有機発光素子を用いた発光装置において、上面 出射構造に適した、有機発光素子への酸素、水分等の到達を防止する構造(封止構造 ) を提供することを課題とする。
(課題を解決するための手段)
本発明者は,上面出射構造の有機発光素子を用いた発光装置において、以下のよう な封止構造を適用することで、 課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明では、第 1基板の絶縁表面に接して設けられた第 1電極と、前記第 1電極に接して設けられなおかつ電界発光する有機化合物を含む有機発光層と、前記 有機発光層に接して設けられた透明性を有する第 2電極とを順次積層してなる有機 発光素子が、前記第 1基板と透明性を有する第 2基板との間に設けられた発光装置に おいて、前記第 2電極と前記第 2基板との間には、紫外線吸収剤を紫外線硬化型樹脂 に分散してなるシール剤が充填されており、かつ、前記シール剤は、前記紫外線硬ィ匕 型樹脂を硬化させるために照射する紫外光の波長に対して吸光度が 1以上であるこ とを特徴とする。
なお、 紫外線吸収剤とは、 前記紫外光の波長領域に吸収を持つ材料のことを指す。 前記紫外線吸収剤が、水分吸着性や酸素吸収性を有するようにすると、有機発光素 子への酸素や水分の到達を防止するために更に好ましい。
さらに、水分吸着性を有する紫外線吸収剤としては、多孔質の物質に、紫外線吸収 性を有する物質を含浸させたものを用いてもよい。この場合、紫外線を吸収すると同
時に、空孔で進入してくる水分を吸着させることができ、有効である。 またこの場合 、 多孔質の物質としてはゼオライトが好ましい。
なお、本発明における発光装置とは、有機発光素子を用いた発光デバイスや画像表 示デバイスを指す。 また、有機発光素子にコネクター、例えば異方導電性フィルム ( AC F: An i s o t r o p i c Conduc t i ve F i lm)もしくは TA B (Ta e Au t oma t e d B o n d i n g)テ一プもしくは T C P (T a p e Ca r r i e r P a c k a g e )が取り付けられたモジュール、 TABテ一 プゃ T C Pの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または有機発光素子に C OG (C i p On G 1 a s s )方式により I C (集積回路)が直接実装された モジュールも全て発光装置に含むものとする。
(発明の効果)
本発明の発光装置では、第 1基板と第 2基板との間に配置された有機発光素子の周 辺は、紫外線硬化型樹脂に紫外線吸収剤を分散してなるシール剤によつて覆われてい る。前記第 1基板と前記第 2基板を貼りあわせる過程(封止過程) で、紫外線硬化型 樹脂を硬化させる際に照射される紫外線は、分散された紫外線吸収剤により、充填さ れたシール剤の層で遮断され、有機発光素子へ紫外線が 達しないため、有機発光素 子の劣化が防止される。こうして、素子特性の安定した有機発光素子を有する発光装 置を提供することができる。
また、紫外線吸収剤を、水分吸着性や酸素吸収性を有するものとすることによって 、 シ一ル剤の水分や酸素の侵入を防止する効果を更に高めることができる。
本発明を実施することで、上面出射構造の有機発光素子を用いた発光装置において 、表示の邪魔をすることなく、有機発光素子への酸素、水分等の到達を防止すること
が可能な発光装置が得られる。 こうして、上面出射構造に適した封止構造の有機発光 素子を用いた発光装置が得られる。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施の形態 3を示した図である。
図 2は、 実施の形態 4を示した図である。
図 3は、 実施の形態 4を示した図である。
図 4は、 実施の形態 5を示した図である。
図 5は、 実施例 2のァクティブマトリクス型発行装置の構造を示した図である。 図 6は、 実施例 4の電子機器の一例を示した図である。
図 7は、 上面出射素子の断面構造を示した図である。 発明を実施するための最良の形態
(実施の形態 1 )
まず、本発明の発光装置の形態を、 図 7を用いて説明する。 図 7では、第 1電極 7 0 1、有機発光層 7 0 2、透明性を有する第 2電極 7 0 3からなる有機発光素子 7 1 2の設けられた基板(第 1基板) 7 1 1と、透明性を有する対向基板(第 2基板) 7 1 3とを貼りあわせる構造とし、 基板 7 1 1と対向基板 7 1 3とを貼りあわせる際、 画素部 7 1 6の領域は透明性を有する第 2のシール剤 7 1 5で全面覆い、基板間隔を 保持するギヤップ材(フイラ一、微粒子など) を含む第 1のシール剤 7 1 4 (第 2の シール剤よりも粘度が高い)でその周囲を囲む形としている。すなわち、第 1のシ一 ル剤 7 1 4と第 2のシール剤 7 1 5とで封止する構造である。また、第 2のシール剤 7 1 5の内容物は、紫外線硬化型樹脂 7 1 5 aに紫外線吸収剤 7 1 5 bを分散させた
ものを用いている。なお、本発明においては、第 1のシール剤 7 1 4はあってもなく ても良いが、均一な封止形状を得るためには、第 1のシール剤 7 1 4を用いた方が好 ましい。
第 2のシール剤 7 1 5が画素上に充填されることで有機発光素子 7 1 2が外気か ら遮断され酸素の到達もしくは水分の到達を、乾燥剤を封入することなく防止できる 。この構造によって透明性を有したままの封止が実現される。さらに第 2のシ一ル剤 7 1 5は紫外線波長に対する吸収度を 1以上になるよう調整されているため、画素上 の第 2のシール剤 7 1 5を硬化させる際に照射する紫外光による画素の有機発光素 子 7 1 2の劣化を防止できる。
紫外線吸収剤は、紫外光を吸収して分子内で熱エネルギー等に変換する。紫外線吸 収剤は、 分子内水素結合を形成する基本構造を有する物質に代表される。 この場合、 分子内の水酸基の近くに酸素や窒素原子のような非共有電子対を有する原子が存在 し、水酸基と非共有電子対を有する原子との間で水素結合による環形成が起こる。環 形成の際に水酸基から水素が引き抜かれて分子はケト型となり熱放出して安定な構 造になる。
(実施の形態 2 )
本発明の第 2のシール剤 (図 7における 7 1 5 ) について説明する。
第 2のシール剤は照射する紫外線が有機発光素子に到達することを防ぐため、紫外 線硬化型樹脂に紫外線吸収剤を分散させてなるものである。
有機発光素子への紫外線到達を防ぐ方法として、紫外線を遮断する層として有機発 光素子の上に膜を形成させる方法もあるが、 無機物の紫外線吸収能を有する材料 (例 えば酸化亜鉛のような)は抵抗加熱での蒸着は難しく、 高エネルギーを有する電源で
の成膜が必要となる。また蒸着した際、高工ネルギ一をもった粒子が基板に衝突する ので、作製した有機発光素子にダメージを与えることになる。 また、有機物にも紫外 線吸収能を有する材料は存在するが、典型的な紫外線吸収剤で知られるべンゾフエノ ンのニ量化に知られるように、膜状態では紫外線吸収した際の紫外線吸収剤自身の変 質が懸念される。そのため、第 2のシール剤への分散という本発明の形態が有効とな る。
分散させるものは紫外線吸収性を有していれば良く、有機発光素子の特性に悪影響 を与えるといわれる水分もしくは酸素を吸着する特性を併せ持つていると更に好ま しい。 また、 分散させる材料は単独で使用しても、 2種以上を併用してもよい。 第 2のシール剤の紫外線に対する吸収度は 1以上にする。吸光度を 1以上にするた めに、紫外線吸収剤の添加濃度を多くしたり、 またセルギャップの厚みを大きくして 調整する。
紫外線吸収剤には例えばべンゾトリアゾール、ベンゾフエノン、サリシレート系の 化合物が挙げられる。
さらに紫外線硬化型樹脂用の光重合開始剤は紫外吸収剤としても機能するので紫 外線硬化型樹脂は紫外線吸収剤としても機能する。
紫外線吸収剤は分子内に上記のような構造骨格を有していれば置換基が変わって もよく、 また 1種以上の構造骨格を併せ持っても良い。またこれらの紫外線吸収剤は 単独で使用してもよく、 2種以上を併用しても良い。
ベンゾトリアゾ一ル系の紫外線吸収剤には 2—( 5—メチル— 2—ヒドロキシフエ ニル) ベンゾトリアゾ一ル、 2— [ 2—ヒドロキシ一 3, 5—ビス (ひ, ο;—ジメチル ベンジル) フエニル ]一 2 H—べンゾトリァゾ一ル、 2 _ ( 3, 5—ジ— t—ブチル 一 2—ヒドロキシフエニル) ベンゾトリアゾ一ル、 2— (3— t —ブチル _ 5—メチ
ル— 2—ヒドロキシフエニル) — 5—クロ口べンゾトリァゾ一ル、 2— ( 3 , 5—ジ — tーブチルー 2—ヒドロキシフエニル) _ 5—クロ口べンゾトリァゾール、 2— ( 3, 5—ジ _ t—ァシルー 2—ヒドロキシフエニル) ベンゾトリアゾール、 2— ( 2 ' ーヒドロキシ 5 ' — t—才クチルフエニル) ベンゾトリアゾ一ル等が含まれる。 ベンゾフエノン系の紫外線吸収剤には 2, 4—ジヒドトキシベンゾフエノン、 2— ヒドロキシ _ 4ーメ卜キシベンゾフエノン、 2—ヒドロキシ一 4ーメトキシベンゾフ ェノン、 2—ヒドロキシー 4—ォクチルペンゾフエノン、 4—ドデシルォキシー 2— ヒドロキシベンゾフエノン、 4—ベンジルォキシー 2—ヒドロキシベンゾフエノン、 2 , 2 ' , 4, 4, 一テトラヒドロキシベンゾフエノン、 2 , 2, —ジヒドロキシー 4, 4 ' —ジメトキシベンゾフエノン等が含まれる。
ベンゾェ一ト系の紫外線吸収剤には 2, 4ージ— t—プチルフエ二ルー 3, , 5, ージ— tーブチルー 4—ヒドロキシベンゾェ一ト等が含まれる。
サリシレート系の紫外吸収剤にはフエニルサリシレート、 4 _ t 一ブチルフエニル サリシレート等が含まれる。
トリアジン系の紫外線吸収剤には 2— [ 4— [ ( 2—ヒドロキシー 3—ドデシルォキ シプロピル) ォキシ ]— 2—ヒドロキシフエニル]一 4 , 6 _ビス (2 , 4—ジメチル フエニル) 1 , 3, 5—卜リアジン等が含まれる。
一般的な紫外線吸収剤は、 住友化学工業、 共同薬品、 チパ ·スペシャルティ ·ケミ 力ルズ、旭電化工業をはじめ数社から販売されており容易に入手が可能であるがこれ らに限られるものではない。
これらの紫外線吸収剤を、 紫外線硬化型樹脂の分量に対して 0 . 1 ~ 2 0 w t %、 好適には 0 . 5〜 5 w t %添加する。紫外線吸収剤は封止の際の紫外線照射において 紫外線を遮断し、 有機発光素子を保護する。 シール剤には可視光領域(4 0 0〜8 0
0 n m)の光を透過する紫外線硬化型樹脂ならいずれも使用できるが、有機発光素子 の特性が損なわれない温度領域で硬化等の処理が可能な樹脂が望ましい。
紫外線吸収性をもつた物質というのは、ゼォライトといったような多孔質の物質に ベンゾフエノン等の紫外線吸収剤を一部含浸させるとよい。一部、 というのは、ベン ゾフエノンが担持された部分では紫外線を吸収し、残った空孔で進入してくる水分を 吸着させることを目的とする。微粉末を分散させやすくするためにゼォライトに表面 修飾をおこなってもよい。もしくはゼォライ卜に表面修飾する材料に紫外線吸収性を 有する骨格を導入しても良い。
さらに、紫外線吸収剤としては、鉄などの金属微粒子や、改質ニ酸化チタンといつ た脱酸素性を有する材料に、先に述べた紫外線吸収剤を付加するなどの手法で紫外線 吸収性を持たせたものを用いてもよい。 このような物質を用いることにより、紫外線 を吸収すると同時に酸素も吸収することができる。 なお、 金属微粒子を用いるため、 可視光透過性を失わないよう粒径の小さいナノ微粒子等が好ましい。 (実施の形態 3 )
ここでは、 封止の工程について、 図 1を用いて説明する。
まず、不活性気体雰囲気で第 2基板 1 1上にディスペンサー装置で第 1のシール剤 1 2を所定の位置に形成する (図 1 (A) ) 。 半透明な第 1のシール剤 1 2としては フィラー (直径 6 m〜2 4 τη) を含み、且つ、 粘度 3 7 0 P a · sのものを用い る。 また、簡単なシールパターンであるので第 1のシール剤 1 2は、印刷法で形成す ることもできる。
次いで、第 1のシール剤 1 2に囲まれた領域(ただし、 四隅が開口している) に透 明な第 2のシール剤 1 3を滴下する (図 1 ( B ) ) 。
次いで、画素部 1 4が設けられた第 1基板 1 5と、 シール剤 (第 1のシール剤 1 2 及び第 2のシール剤 1 3 ) が設けられた第 2基板 1 1とを貼りあわせる (図 1 (C) )。 なお、 シール剤によって一対の基板を貼りつける直前には真空でァニ一ルを行つ て脱気を行うことが好ましい。第 2のシ一ル剤 1 3を広げて第 1のシール剤 1 2の間 を充填させる。第 1のシール剤 1 2の形状および配置により気泡が入ることなく第 2 のシール剤 1 3を充填することができる。次いで、紫外線照射を行って、第 1のシ一 ル剤 1 2および第 2のシール剤 1 3を硬ィヒさせる。 なお、 紫外線照射に加えて、熱処 理を行ってもよい。
本実施の形態は、実施の形態 2で示した第 2のシール剤と自由に組み合わせするこ とができる。
(実施の形態 4 )
図 2 (A) は、 本発明を実施したアクティブマトリクス型の発光装置の上面図であ る。 なお、 本発明は、 アクティブマトリクス型の発光装置に限定されることはなく、 単純マトリクス型やセグメント型の発光装置、あるいは照明灯の発光デバイスにも適 用可能である。
図 2 (A) において、 2 1は第1基板、 2 2は第 2基板、 2 3は画素部、 2 4は駆 動回路部、 2 5は端子部、 2 6は第 1のシール剤、 2 7 aは第 2のシール剤である。 第 1基板 2 1の材料としては、特に限定されないが、第 2基板 2 2と貼りあわせる ため、第 1基板 2 1と第 2基板 2 2とは熱膨張係数が同一のものとすることが好まし い。上面出射構造とする場合には、第 1基板 2 1の材料として半導体基板や金属基板 をも用いることができる。第 1基板 2 1には、有機発光素子を複数有する画素部 2 3 、 駆動回路部 2 4、 端子部 2 5が設けられている。
ここでは、画素部 2 3と駆動回路部 2 4とを囲んで第 1のシ一ル剤 2 6が配置され る例を示している。 また、第 1のシール剤 2 6の一つは、端子部 2 5 (または端子電 極から延びた配線) と一部重なっている。 なお、第 1のシール剤 2 6は、一対の基板 間隔を維持するためのギヤップ材が含まれている。 ギヤップ材が含まれているため、 なんらかの荷重が加えられた場合にショートなどが生じないよう第 1のシール剤 2 6と素子(T F Tなど) とが重ならないようにすることが好ましい。 また、 第 1のシ —ル剤 2 6の上面形状は線形であり、 四隅に開口を有している。言い換えると、 方 向に 2本の第 1のシール剤 2 6が画素部 2 3を挟んで平行に配置された 1組と、 Y方 向に 2本の第 1のシール剤 2 6が画素部 2 3を挟んで平行に配置された 1組とで合 計 4本配置されている。
また、一対の第 1のシール剤 2 6の間には、少なくとも第 2のシール剤 2 7 aが充 填されている。一対の基板は、画素部 2 3を囲んで配置される第 1のシール剤 2 6と 、該第 1のシ一ル剤に接し、且つ、前記画素部を覆う第 2のシール剤 2 7 aとで固定 されている。
また,第 2のシール剤 2 7 aは, 無色透明の材料とし, ギャップ材も含んでいない ため, 第 1のシール剤 2 6よりも透明性が高い。 この第 2のシール剤 2 7 aは、それ ぞれの第 1のシール剤 2 6の隙間、即ち開口で露出しており、露出している前記第 2 のシール剤 2 7 aの周縁は湾曲している上面形状となる。
第 2のシール剤 2 7 aが図 2 (A)に示す形状となるしくみを図 3を用いて以下に 説明する。 図 3 (A) には、 貼りあわせる前の封止基板(第 2基板 3 2 ) の上面図の 一例を示している。図 3 (A)では一枚の基板から 1つの画素部を有する発光装置を 形成する例を示している。
まず、第 2基板 3 2上にディスペンサーを用いて 4本の第 1のシール剤 3 6を形成
した後、 第 1のシール剤 3 6よりも粘度の低い第 2のシール剤 3 7 aを滴下する。 な お、 滴下した状態での上面図が図 3 (A) に相当する。
次いで、有機発光素子が画素部 3 3、 または駆動回路部 3 4、端子部 3 5が設けら れた第 1基板と貼りあわせる。一対の基板を貼り合せた直後の上面図を図 3 (B ) に 示す。 第 1のシール剤の粘度は高いため、 貼り合せた際にはほとんど広がらないが、 第 2のシール剤の粘度は低いため、 貼り合せた際、 図 3 (B) に示すように、 第 2の シール剤は平面的に広がることとなる。第 2のシール剤 3 7 aが、第 1のシール剤 3 6の間、即ち開口部に向かって図 3 (B ) 中の矢印の方向に押し出されることによつ て、第 1のシール剤 3 6の間に充填される領域に気泡が存在しないようにすることが できる。第 1のシ一ル剤 3 6は広がった第 2のシール剤 3 7 bと接しても混ざること はなく、第 1のシール剤 3 6は第 2のシール剤 3 7 bによって形成位置は変化しない 粘度を有している。
図 3 (B) では、 第 2のシール剤 3 7 bは前記開口で露出しており、 露出している 前記第 2のシール剤 3 7 bの周縁は前記開口から突出している。開口から突出させる ことによって外気と画素部との距離を大きくすることができ、さらに酸素や水分のブ ロッキングが実現できる。 また、 トータルの接着面積も増大するため、 貼りあわせ強 度も増加する。 また、 開口において第 2のシール剤 3 7 bの周縁は湾曲している。 なお、ここでは第 2基板 3 2に第 1のシール剤または第 2のシール剤を形成した後 、 第 1基板を貼りあわせる例を示したが、特に限定されず、有機発光素子が形成され ている第 1基板に第 1のシール剤 3 6または第 2のシール剤 3 7 bを形成してもよ い。
次いで、熱処理または紫外線照射を行って第 1のシール剤 3 6、及び第 2のシール 剤 3 7 bを硬化させる。
以上に示した手順に従えば、 図 2 (A) に示す第 2のシール剤 2 7 aの形状を得る ことができる。
また、 図 2 (A)では第 2のシール剤 2 7 aが開口から突出している例を示したが 、第 2のシール剤の粘度や量や材料を適宜変更することによって、様々な形状とする ことができる。
例えば、 図 2 (B) に示すように、 第 2のシール剤 2 7 bを、 前記開口で露出させ 、 露出している前記第 2のシール剤 2 7 bの周縁を湾曲させてもよい。 図 2 (B) に おいて第 2のシール剤 2 7 bは開口から突出しておらず、ちょうど第 2のシール剤 2 7 bの周縁が、弧を描いて第 1のシール剤 2 6の隙間を埋めている形状となっている また、 図 2 (C) に示すように、 第 2のシール剤 2 7 cを前記開口で露出させ、 露 出している前記第 2のシール剤 2 7 cの周縁が前記開口部から凹んで湾曲している 形状としてもよい。
また、 第 1のシール剤 2 6は線形に限定されず、 左右対称であり、 且つ、 画素部 2 3を挟んでそれぞれ対称に配置されていればよく、貼りあわせる際、粘度の低い第 2 のシール剤 2 7 bが広がりやすいように第 1のシール剤 2 6の形状を若干湾曲させ てもよい。
また、本実施の形態は実施の形態 2、実施の形態 3と自由に組み合わせることがで きる。
(実施の形態 5 )
本発明の画素部における断面構造の一部を図 4に示す。
図 4 (A) において、 4 0 0は第 1基板、 4 0 1 a、 4 0 1 bは絶縁層、 4 0 2は
TFT, 408が第 1電極、 409は絶縁物、 410は有機発光層、 411は第 2電 極、 412は透明保護層、 413は第 2のシール剤、 414は第 2基板である。 第 1基板 400上に設けられた TFT402 (pチャネル型 T FT)は、発光する 有機発光層 410に流れる電流を制御する素子であり、 404はドレイン領域(また はソース領域)である。 また、 406は第 1電極 408とドレイン領域(またはソ一 ス領域) 404とを接続するドレイン電極 (またはソース電極) である。 また、 ドレ ィン電極 406と同じ工程で電源供給線やソース配線などの配線 407も同時に形 成される。ここでは第 1電極 408とドレイン電極 406とを別々に形成する例を示 したが、 同一としてもよい。第 1基板 400上には下地絶縁膜(ここでは、下層を窒 化絶縁膜、上層を酸化絶縁膜) となる絶縁層 401 aが形成されており、ゲート電極 405と活性層との間には、ゲート絶縁膜が設けられている。 また、 401 bは有機 材料または無機材料からなる層間絶縁膜である。 また、 ここでは図示しないが、一つ の画素には、他にも T FT (nチャネル型 TFTまたは pチャネル型 TFT) を一つ 、 または複数設けている。 また、 ここでは、 一つのチャネル形成領域 403を有する TFTを示したが、 特に限定されず、 複数のチャネルを有する TFTとしてもよい。 また、 408は、 第 1電極、 即ち、 有機発光素子の陽極 (或いは陰極) である。 第 1電極 408の材料としては、 T i、 T i N、 T i S i XNY、 N i、 W、 WS i x、 WNX、 WS i XNY、 NbN、 Mo、 C r、 P t、 あるいは Z n、 S n、 I n、 Mo から選ばれる元素を用いればよい。また陽極の膜厚は、それらを主成分とする合金材 料もしくは化合物材料を主成 とする膜またはそれらの積層膜を総膜厚 100 nm 〜800 nmの範囲で用いればよい。 ここでは、第 1電極 408として窒化チタン膜 を用いる。窒化チタン膜を第 1電極 408として用いる場合、表面に紫外線照射や塩 素ガスを用いたブラズマ処理を行つて仕事関数を増大させることが好ましい。
また、 第 1電極 4 0 8の端部 (および配線 4 0 7 ) を覆う絶縁物 4 0 9 (パンク、 隔壁、 障壁、 土手などと呼ばれる) を有している。 絶縁物 4 0 9としては、 無機材料 (酸化シリコン、 窒化シリコン、 酸化窒化シリコンなど) 、 感光性または非感光性の 有機材料 (ポリイミド、 アクリル、 ポリアミド、 ポリイミドアミド、 レジストまたは ベンゾシクロブテン) 、 またはこれらの積層などを用いることができるが、 ここでは 窒化シリコン膜で覆われた感光性の有機樹脂を用いる。例えば、有機樹脂の材料とし てポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物の上端部のみに曲率半径を有する曲 面を持たせることが好ましい。 また、絶縁物として、感光性の光によってエッチヤン トに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエツチャントに溶解性となるポジ型の いずれも使用することができる。
また、 有機発光層 4 1 0は、 蒸着法または塗布法を用いて形成する。 なお、 信頼性 を向上させるため、有機発光層 4 1 0の形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが 好ましい。 例えば、 蒸着法を用いる場合、 真空度が 5 X 1 0— 3 T o r r ( 0 . 6 6 5 P a ) 以下、 好ましくは 1 0— 4〜1 0 _6 P aまで真空排気された成膜室で蒸着を 行う。 蒸着の際、 予め、 抵抗加熱により有機化合物は気化されており、 蒸着時にシャ ッ夕一が開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛 散し、 メタルマスクに設けられた開口部を通って基板に蒸着される。
また、スピンコートを用いた塗布法により有機発光層 4 1 0を形成する場合、塗布 した後、真空加熱で焼成することが好ましい。例えば、 正孔注入層として作用するポ リ (エチレンジォキシチォフェン) /ポリ (スチレンスルホン酸) 水溶液 (P E D O T/ P S S ) を全面に塗布、 焼成し、 その後、 発光層として作用する発光中心色素 ( 1, 1, 4 , 4ーテトラフエニル一 1, 3—ブタジエン (T P B) 、 4ージシァノメ チレン一 2—メチルー 6— (p—ジメチルアミノースチリル) 一 4 H—ピラン (D C
Ml) 、 ナイルレッド、 クマリン 6など) ドープしたポリビニルカルバゾ一ル (PV K)溶液を全面に塗布、焼成すればよい。なお、 PEDOTZPS Sは溶媒に水を用 いており、 有機溶剤には溶けない。 従って、 PVKをその上から塗布する場合にも、 再溶解する心配はない。 また、 PEDOTZPSSと PVKは溶媒が異なるため、成 膜室は同一のものを使用しないことが好ましい。また、有機発光層 410を単層とす ることもでき、ホール輸送性のポリビニルカルバゾ一ル(PVK) に電子輸送性の 1 , 3, 4一ォキサジァゾ一ル誘導体 (PBD) を分散させてもよい。 また、 30wt %の PBDを電子輸送剤として分散し、 4種類の色素(TPB、 クマリン 6、 DCM 1、 ナイルレッド) を適当量分散することで白色発光が得られる。
また、 411は、 導電膜からなる第 2電極、 即ち、 有機発光素子の陰極 (或いは陽 極) である。 第 2電極 411の材料としては、 MgAg、 Mg l n、 A l L i、 C a F2、 C a Nなどの合金、 または周期表の 1族もしくは 2族に属する元素とアルミ二 ゥムとを共蒸着法により膜厚を薄く成膜することにより得られた透明性を有する膜 を用いればよい。 ここでは、第 2電極 411を通過させて光を取り出す上面出射構造 であるので、 1 nm〜l 0 nmのアルミニウム膜、 もしくは L iを微量に含むアルミ 二ゥム膜を用いる。第 2電極 411として A 1膜を用いる構成とすると、有機発光層 410と接する材料を酸化物以外の材料で形成することが可能となり、発光装置の信 頼性を向上させることができる。また、 1 nm〜l 0 nmのアルミニウム膜を形成す る前に陰極バッファ層として C a F2、 MgF2、 または B a F2からなる透明性を有 する層 (膜厚 l nm〜5 nm) を形成してもよい。
また、陰極の低抵抗化を図るため、発光領域とならない領域の第 2電極 411上に 補助電極を設けてもよい。 また、陰極形成の際には蒸着による抵抗加熱法を用い、蒸 着マスクを用いて選択的に形成すればよい。
また、 412は蒸着法により形成する透明保護層であり、金属薄膜からなる第 2電 極 411を保護する。さらに透明保護層 412を第 2のシール剤 413で覆う。第 2 電極 411は極薄い金属膜であるため、酸素に触れれば容易に酸化などが発生しやす く、 シール剤に含まれる溶剤などと反応して変質する恐れがある。 このような金属薄 膜からなる第 2電極 411を透明保護層 412、 例えば CaF2、 MgF2、 または B a F2で覆うことによって、 第 2電極 411と第 2のシール剤 413に含まれる溶 剤などの成分とが反応することを防ぐとともに、乾燥剤を使うことなく、酸素や水分 を効果的にブロックする。 また、 CaF2、 MgF2、 BaF2は、 蒸着法で形成する ことが可能であり、連続的に第 2電極 411と透明保護層 412とを蒸着法で形成す ることによって、 不純物の混入や電極表面が大気に触れることを防ぐことができる。 加えて、蒸着法を用いれば、有機発光層 410へダメージをほとんど与えない条件で 透明保護層 412を形成することができる。 また、 第 2電極 411の上下に CaF2 、 MgF2、 または B a F2からなる透明性を有する層を設けて挟むことによって、 さらに第 2電極 411を保護してもよい。
また、第 1電極 408として材料自身に酸素原子のない金属(仕事関数の大きい材 料) 、例えば窒化チタン膜を用い、第 2電極 411として材料自身に酸素原子のない 金属 (仕事関数の小さい材料) 、 例えばアルミニウム薄膜を用い、 さらに CaF2、 MgF2、 B aF2で覆うことによって、 第 1電極 408と第 2電極 411との間の 領域を限りなくゼロに近い無酸素状態を,維持できる。
また、第 2のシール剤 413は実施の形態 1に示した方法で第 2基板 414と第 1 基板 400とを貼り合せている。第 2のシール剤 413としては実地の形態 2に示さ れた材料をもちいる。
また、 図 4 (B) には、 図 4 (A) での発光領域における積層構造を簡略ィ匕したも
のを示す。 なお、 絶縁層 401 aと 401 bをあわせて 401と表記した。 図 4 (B ) に示す矢印の方向に光が放出される。
また、 金属層からなる第 1電極 408に代えて、 図 4 (C) に示すように透明導電 膜からなる第 1電極 418を用いた場合、上面と下面の両方に発光を放出することが できる。 透明導電膜としては、 I TO (酸化インジウム酸化スズ合金) 、 酸化インジ ゥム酸化亜鉛合金 U n2O3— ΖηΟ) 、 酸化亜鉛 (ΖηΟ) 等を用いればよい。 また、本実施の形態は実施の形態 2、実施の形態 3、 実施の形態 4と自由に組み合 わせることができる。 (実施例)
[実施例 1 ]
本実施例では、紫外線吸収剤を紫外線硬化型樹脂に分散させた第 2のシール剤の作 製手順について説明する。図 4における第 2のシール剤 413は、実施の形態に示し た方法で第 2基板 414と第 1基板 400とを貼り合せている。
第 2のシール剤 413に用いる紫外線硬化型樹脂としては、透明性を有している材 料であれば特に限定されず、代表的には紫外線硬化または紫外線及び熱硬化のェポキ シ樹脂を用いればよい。 ここでは屈折率 1. 50、 粘度 500 c p s、 ショァ D硬度 90、 テンシル強度 3000 p s i、 T g点 150 °C、 体積抵抗 1 X 1015 Ω · c m、耐電圧 450 V/m i 1である高耐熱の紫外線硬化型エポキシ樹脂(エレクト口 ライト社製: 2500C l e a r) を用いる。
このような紫外線硬化型樹脂に、紫外線吸収剤である 2— (2' —ヒドロキシ— 5 ' 一 t一才クチルフエニル)ベンゾトリアゾ一ル [商品名 TINUB IN329 (チ バ 'スペシャルティ ·ケミカルズ製) ]を 3wt%添加し、 自転公転方式ミキサー [
商品名 ミキサー 'あわとり練太郎 (AR-250) ( (株) シンキ一製) ]で、 攪拌モ —ド 5分、 脱泡モード 3分で分散させた。
[実施例 2]
本実施例では、本発明の発光装置について図 5を用いて説明する。 なお、 図 5 (A ) は、 発光装置を示す上面図、 図 5 (B) は図 5 (A) を A— A' で切断した断面図 である。点線で示された 501は駆動回路部(ソース側駆動回路) 、 502は画素部 、 503は駆動回路部 (ゲート側駆動回路) である。 また、 504は封止基板、 50 5は第 1のシール剤であり、第 1のシール剤 505で囲まれた内側は、第 2のシール 剤 507で充填されている。
なお、 508はソース側駆動回路 501及びゲート側駆動回路 503に入力される 信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となる F P C (フレキシブルプリン トサーキット) 509からビデオ信号、 クロック信号、 スタート信号、 リセット信号 等を受け取る。なお、 ここでは F PCしか図示されていないが、 この FPCにはプリ ント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置に は、発光装置本体だけでなく、それに FPCもしくは PWBが取り付けられた状態を も含むものとする。
次に、 断面構造について図 5 (B) を用いて説明する。 素子基板 (第 1基板) 51 0上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、 ここでは、駆動回路部であるソ ース側駆動回路 501と、 画素部 502が示されている。
なお、ソース側駆動回路 501は nチャネル型 T FT 523と!)チャネル型 TFT 524とを組み合わせた CMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成する TF Tは、 公知の CMOS回路、 PMOS回路もしくは NMOS回路で形成しても良い。
また、 本実施の形態では、 基板上に駆動回路を形成したドライバ一一体型を示すが、 必ずしもその必要はなく、 基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部 5 0 2はスイッチング用 T F T 5 1 1と、電流制御用 T F T 5 1 2と そのドレインに電気的に接続された第 1電極 5 1 3とを含む複数の画素により形成 される。なお、第 1電極 5 1 3の端部を覆って絶縁物 5 1 4が形成されている。 ここ では、絶縁物 5 1 4としてポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成す る。
また、絶縁物 5 1 4の上に形成される膜のカバレッジを良好なものとするため、絶 縁物 5 1 4の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例え ば、絶縁物 5 1 4の材料としてポジ型の感光性ァクリルを用いた場合、絶縁物 5 1 4 の上端部のみに曲率半径(0 . 2 m〜3 m) を有する曲面を持たせることが好ま しい。 また、絶縁物 5 1 4として、感光性の光によってエツチャントに不溶解性とな るネガ型、或いは光によってエツチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用する ことができる。
第 1電極 5 1 3上には、有機発光層 5 1 5、および第 2電極 5 1 6がそれぞれ形成 されている。 ここで、 陽極として機能する第 1電極 5 1 3に用いる材料としては、仕 事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、 I T O (インジウムスズ酸化 物) 膜、 インジウム亜鉛酸化物 (I Z〇) 膜、 窒化チタン膜、 クロム膜、 タンダステ ン膜、 Z n膜、 P t膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする 膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との 3層 構造等を用いることができる。 なお、 積層構造とすると、 配線としての抵抗も低く、 良好なォ一ミックコンタク卜がとれ、 さらに陽極として機能させることができる。 また、有機発光層 5 1 5は、蒸着マスクを用いた蒸着法、 またはインクジェット法
によって形成される。有機発光層 515には、燐光性化合物をその一部に用いること とし、その他、組み合わせて用いることのできる材料としては、低分子系材料であつ ても高分子系材料であっても良い。 また、 有機発光層に用いる材料としては、 通常、 有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本発明においては、有機化合 物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。
さらに、有機発光層 515上に形成される第 2電極(陰極) 516に用いる材料と しては、 仕事関数の小さい材料 (A l、 Ag、 L i、 Ca、 またはこれらの合金 Mg Ag、 Mg l n、 A l L i、 CaF2、 または CaN) を用いればよい。 なお、 有機 発光層 515で生じた光が第 2電極 516を透過するようにする場合には、第 2電極 (陰極) 516として、 膜厚を薄くした金属薄膜と、 透明導電膜 ( I T〇 (酸化ィン ジゥム酸化スズ合金) 、 酸化インジウム酸化亜鉛合金 (Ι η2〇3—Ζη〇) 、 酸化 亜鉛 (Ζη〇) 等) との積層を用いるのが良い。
さらに第 1のシール剤 505で封止基板(第 2基板) 504を素子基板 510と貼 り合わせることにより、 素子基板 510、 封止基板 504、 および第 1のシール剤 5 05で囲まれた空間に有機発光素子 518が備えられた構造になっている。素子基板 510、封止基板 504、および第 1のシール剤 505で囲まれた空間には実施の形 態 1で示したように調整した第 2のシール剤 507を用いる。
第 2電極 516は極薄い金属膜であるため、酸素に触れれば容易に酸化などが発生 しゃすく、 シール剤に含まれる溶剤などと反応して変質する恐れがある。 このような 金属薄膜からなる第 2電極 516を透明保護層 517、 例えば C a F ¾、 M g F 2、 または B a F2で覆うことによって、 第 2電極 516と第 2のシール剤 507に含ま れる溶剤などの成分とが反応することを防ぐ。
なお、 第 1のシール剤 505にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。 また、 こ
れらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。 また、 封止基板 504に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、 FRP (F i b e r g l a s s -Re i n f o r c e d P l a s t i c s) 、 P VF (ポリビニルフ口 ライド) 、 マイラ一、 ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用 いることができる。
以上のようにして、 本発明の発光装置を得ることができる。
[実施例 3]
本実施例では、 本発明の発光装置の作製例およびその封止工程について示す。 パターニングされた第 1電極の付いた基板を抵抗加熱蒸着機装置内に入れ正孔注 入層, 正孔輸送層, 発光層の各有機層と第 2電極である陰極 (透明) を真空蒸着法に より順次成膜した。 成膜に際して、 真空蒸着機内圧は 1. 0 X 1 0— 4Pa以上の真 空度であった。正孔注入層は銅フタロシアニン(C uP c)を 10 nmの厚さに成膜し た。 正孔輸送層はビス (N—ナフチル) —N—フエニルベンジジン (ひ—NPD) を 20 nmの厚さに成膜した。 発光層として 8—アルミキノリノール(A 1 q3)を 50 nmの厚さに成膜した。陰極としてマグネシウムと銀の合金(Mg:Ag)を用いた。 Mg: A gは蒸着レー卜を制御し、 Mgと Agの混合比が 10: 1となるようにして 10nm成膜した。 真空蒸着法により成膜するにあたって、 有機材料はそれぞれ 0. 2 g程度蒸着用ポートに充填し、 Mgは 0. l g程度、 Agは 0. 4g程度を同様に 蒸着用ポートに充填し、 真空蒸着機内の電極に取り付けた。 そして 1. 0 X 1 0一4 P 以上の真空度で順次蒸着用ポ一卜に電圧を印加して蒸着をおこなつた。
得られた有機発光素子基板をグローブボックス内の露点一 80°C以下の状態の乾 燥窒素雰囲気下で、実施の形態 3のとおりにシール剤を配置した第 2基板と張り合わ
せた。その後、 第 2基板側から紫外線(S O O OmJZS S S nm) を照射してシ一 ル剤を硬化させた。
[実施例 4]
本実施例では、本発明の有機発光素子を有する発光装置を用いて完成させた様々な 電子機器について説明する。
本発明の有機発光素子を有する発光装置を用いて作製された電子機器として、ビデ ォカメラ、 デジタルカメラ、 ゴーグル型ディスプレイ (ヘッドマウントディスプレイ ) 、 ナビゲ一シヨンシステム、 音響再生装置 (力一オーディオ、 オーディオコンポ等 ) 、 ノート型パーソナルコンピュータ、 ゲーム機器、 携帯情報端末 (モパイルコンピ ュ一夕、 携帯電話、 携帯型ゲーム機または電子書籍等) 、 記録媒体を備えた画像再生 装置 (具体的には Digital VersatileDisc (DVD) 等の記録媒体を再生し、 その画 像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。 これらの電子機器の具体 例を図 6に示す。
図 6 (A) は表示装置であり、 筐体 2001、 支持台 2002、 表示部 2003、 スピーカ一部 2004、 ビデオ入力端子 2005等を含む。本発明の有機発光素子を 有する発光装置をその表示部 2003に用いることにより作製される。なお、表示装 置は、パソコン用、 TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含ま れる。
図 6 (B) はノ一ト型パーソナルコンピュータであり、 本体 2201、 筐体 220 2、 表示部 2203、 キーボード 2204、 外部接続ポート 2205、 ポインティン グマウス 2206等を含む。本発明の有機発光素子を有する発光装置をその表示部 2 203に用いることにより作製される。
図 6 (C) はモパイルコンピュータであり、 本体 2 3 0 1、 表示部 2 3 0 2、 スィ ツチ 2 3 0 3、操作キ一 2 3 0 4、赤外線ポート 2 3 0 5等を含む。本発明の有機発 光素子を有する発光装置をその表示部 2 3 0 2に用いることにより作製される。 図 6 (D) は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的には D VD再生装置 ) であり、 本体 2 4 0 1、 筐体 2 4 0 2、 表示部 A 2 4 0 3、 表示部 B 2 4 0 4、 記 録媒体 (D VD等) 読み込み部 2 4 0 5、 操作キー 2 4 0 6、 スピーカ一部 2 4 0 7 等を含む。表示部 A 2 4 0 3は主として画像情報を表示し、表示部 B 2 4 0 4は主と して文字情報を表示するが、本発明の有機発光素子を有する発光装置をこれら表示部 A 2 4 0 3、表示部 B 2 4 0 4に用いることにより作製される。なお、 記録媒体を備 えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
図 6 (E) はゴーグル型ディスプレイ (ヘッドマウントディスプレイ) であり、 本 体 2 5 0 1、表示部 2 5 0 2、 アーム部 2 5 0 3を含む。本発明の有機発光素子を有 する発光装置をその表示部 2 5 0 2に用いることにより作製される。
図 6 ( F) はビデオ力メラであり、 本体 2 6 0 1、 表示部 2 6 0 2、 筐体 2 6 0 3 、 外部接続ポート 2 6 0 4、 リモコン受信部 2 6 0 5、 受像部 2 6 0 6、 バッテリ一 2 6 0 7、 音声入力部 2 6 0 8、 操作キ一 2 6 0 9、 接眼部 2 6 1 0等を含む。本発 明の有機発光素子を有する発光装置をその表示部 2 6 0 2に用いることにより作製 される。
図 6 (G) は携帯電話であり、 本体 2 7 0 1、 筐体 2 7 0 2、 表示部 2 7 0 3、 音 声入力部 2 7 0 4、音声出力部 2 7 0 5、操作キー 2 7 0 6、 外部接続ポー卜 2 7 0 7、アンテナ 2 7 0 8等を含む。本発明の有機発光素子を有する発光装置をその表示 部 2 7 0 3に用いることにより作製される。なお、表示部 2 7 0 3は黒色の背景に白 色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
以上の様に、本発明の有機発光素子を有する発光装置の適用範囲は極めて広く、 こ の発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。 産業上の利用可能性
本発明により、上面出射構造に適した、有機発光素子への酸素、水分等の到達を防 止する構造(封止構造) を提供でき、信頼性の高い発光装置を実現することができる