WO2002091161A1

WO2002091161A1 - Ecran tactile et appareil electronique l'utilisant

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Publication number: WO2002091161A1
Application number: PCT/JP2002/004295
Authority: WO
Inventors: Akira Nakanishi; Tetsuya Tadokoro
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2001-05-07
Filing date: 2002-04-26
Publication date: 2002-11-14
Also published as: US20040017363A1; JP2002328779A; US7161588B2; CN1462384A

Description

明細書夕ツチパネルおよびこれを用いた電子機器技術分野

本発明は、液晶表示装置等の表示面側やその他の個所に装着され、表示内容と対応してペンまたは指による押圧操作で所定信号が入力できるタツチパネルに関するものである。背景技術

近年、携帯機器の普及に伴い、表示内容と対応してペンまたは指による押圧操作で所定信号を入力する夕ツチパネルを使用するものが増えている。特に夕ツチパネルとして、落下時の衝撃に耐える軽量なプラスチック製のものが好まれて使用されるようになっている。

従来のプラスチック製のタツチパネルにつレ ^て、透明タツチパネルを例に、以下に図面を用いて説明する。なお、図面においては構成が理解し易いように厚み方向の寸法を拡大して示している。

図 9は従来の夕ツチパネルの断面図である。図 9において、シート状に加工されたポリカーポネ一ト樹脂やァクリル樹脂製の透明樹脂板 1と二軸延伸ポリェチレンテレフタレ一ト等からなる第一透明フィルム 2とは、第一透明粘着層 3で貼り合わせられている。

第一透明フィルム 2の透明樹脂板 1に貼り合わされた面とは逆の上面には、スパッ夕リング等によって形成された酸化インジウム ·スズ（以下 I T Oという）等からなる第一透明導電膜 4が形成され、第一透明導電膜 4上に絶縁性のェポキシ樹脂等による微小寸法のドットスぺーサ 5が所定ピッチで設けられている。 I T O等からなる第二透明導電膜 8が下面側に形成された第二透明フィルム 7は第二透明導電膜 8が第一透明導電膜 4と所定の間隔を保つようにして対向している。第一および第二透明フィルム 1および 7は、絶縁パターン、電極パ夕ーン、配線パターン、粘着パターン等を含む外周部 6で接着されて対向配置されている。

外周部 6の内側が夕ッチパネルの可視領域 1 1となり、表示装置や使用機器の操作用の表示パターンを視認および操作する領域となる。

第二透明フィルム 7の上面には、キズなどに対する保護のためのハードコ一ト層 9が設けられている。

フレキシブル配線板 1 0は第一および第二透明導電膜 4および 8からの導出信号を外部回路に伝達するために外周部 6に接着固定され、その端部が外部回路 (図示せず）に接続される。

フィルム 2およびフィルム 7としては、ポリエチレンテレフタレート (以下 P E Tと記載）を延伸したフィルムが通常好まれて用いられる。 P E Tは安価な原料であるにもかかわらず、特に二軸で延伸（以下二軸延伸という）することによつて耐熱性の向上が可能で、かつ透明導電膜としても密着性を初めとする諸特性の優れたものが容易に形成できる。

次に、上記のように構成された従来の夕ツチパネルの動作について説明する。まず、フィルム 7上方から指またはペンで所定位置を押圧操作することによつて、フィルム 7はその操作部分を中心として部分的に下方に橈み、当該箇所の透明導電膜⁴と透明導電膜⁸とが接触する。

このとき、上記操作による当該箇所以外は、ドットスぺーサ 5で規制されるため、非接触の状態を維持している。

そして、上記入力操作位置は、透明導電膜 4および透明導電膜 8のそれぞれに印加された所定の電圧に対して、その接触点での電圧比率をフレキシブル配線板 1 0を介して外部回路にて検出するものであった。

しかしながら、上記従来の夕ツチパネルは、透明フィルム 2としては、 I T O 膜の成膜が容易にできる二軸延伸 P E T等の延伸フィルムを用いる一方で、樹脂板 1は押し出し成型やキャスティング成型等で製造され、特別な延伸処理を行わないため、両者の熱膨張係数が大きく異なるものであった。このため、夕ツチパネルの製造時における加熱処理や夕ツチパネル完成後の温湿度変ィ匕によって、透明フィルム 2と透明樹脂板 1との熱膨張に起因する寸法変動差が発生し、夕ツチパネルの反りが発生することがあるという課題があつた。

反りが発生した夕ツチパネルは、電子機器に実装し難くなる。例えば 4インチ液晶への搭載サイズ（約 9 O mmX 7 O mm) の夕ツチパネルを、 6 0 °C 9 5 % RHの高温高湿環境下 5 0 O h r放置した後に、反りは 0. 5 mm以上となることもある。このため、実装する使用者側で夕ツチパネルを電子機器に強固に装着固定しなければならず、このため装着作業工数の低減等が難しくなる。またタツチパネルの反りは、夕ツチパネルのサイズが大きくなるほど、顕著に表れるため、 6インチを超える液晶表示装置（以下 L C Dと記載）に適用できる高品質のタツチパネルを実現することは難しかった。

本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、温湿度変化によっても反りが生じ難い夕ツチパネルを提供することを目的とするものである。発明の開示

本発明の夕ツチパネルは、樹脂板と、一方の面に第一の導電膜が形成され、他の面が前記樹脂板に接着された第一のフィルムと、前記第一のフィルムの第一の導電膜に対向する面に形成された第二の導電膜を有する第二のフィルムと、前記樹脂板の前記第一のフィルムが接着された面と反対面に接着された第三のフィルムとから構成される。さらに、樹脂板と前記第一のフィルムとの接着および、樹脂板と第三のフィルムとの接着は接着剤または粘着層を介して行われる。図面の簡単な説明

【図 1】

本発明の第 1の実施の形態による夕ツチパネルの断面図

【図 2】

本発明の第 2の実施の形態による夕ツチパネルの断面図

【図 3】

本発明の第 3の実施の形態による夕ツチパネルの断面図

【図 4】

本発明の第 4の実施の形態による夕ツチパネルの断面図

【図 5】

同他の構成とした夕ツチパネルの断面図

【図 6】

本発明の第 5の実施の形態による夕ツチパネルの断面図

【図 7】

同他の構成とした夕ツチパネルの断面図

【図 8】

本発明の第 6の実施の形態による夕ツチパネルの分解斜視図

【図 9】

従来のタツチパネルの断面図発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態について、図 1〜図 8を用いて説明する。なお、各図においては夕ツチパネルの構成が理解し易いように厚み方向の寸法を拡大して示している。

(実施の形態 1 )

図 1は本発明の第 1の実施の形態による夕ツチパネルの断面図である。図 1において、透明樹脂板 2 1は押出し成形により製造された厚さ 1 . 0 mmで熱膨張係数 6 X 1 0— ⁵/ のポリ力一ポネートシートからなる。第一透明フィルム 2 2 は厚さ 7 5 で熱膨張係数 1 . 5 X 1 0 _ ⁵/。Cの二軸延伸 P E Tからなつている。樹脂板 2 1の上面とフィルム 2 2とは、厚さ 2 5 a mのァクリル系粘着剤からなる第一透明粘着層 2 3によって全面で貼り合わせられている。

フィルム 2 2の上面側には、スパッタリングによって I T Oからなる第一透明導電膜 2 4が形成されており、その透明導電膜 2 4上には絶縁性のエポキシ樹脂による微小寸法のドットスぺーサ 2 5が所定ピッチで設けられている。

厚さ 1 7 5 mの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる第二透明フイルム 2 7の下面にはスパッタリングによって形成された I T Oからなる第二透明導電膜 2 8が形成されている。導電膜 2 8は導電膜 2 4と約 1 0 0 mの間隔を維持して絶縁状態で対向している。フィルム 2 7は、外周部分に枠状に配置されている外周部 2 6でフィルム 2 2と接着されている。

外周部 2 6内には、エポキシ樹脂の絶縁パターン、 A g粉とポリエステル樹脂からなる電極パターンや配線パターン、ァクリル系粘着剤の粘着パターン等を含み、その枠の内部部分が夕ツチパネルとしての可視領域 3 1になっている。フィルム 2 7の上面には、ペンまたは指での操作時において発生し易いキズ等から保護するために、ァクリル系樹脂からなる鉛筆硬度 3 Hのハードコート層 2 9が設けられている。

また、フレキシブル配線板 3 0は、導電膜 2 4および 2 8からの導出信号を外部回路に伝達するために外周部^{2 6}に接着固定され、その他端部が外部回路（図示せず）に接続される。樹脂板 2 1の下面には、厚さ 2 5 fi mのァクリル系粘着剤からなる第二透明粘着層 3 3によって、厚さ 7 5 mの二軸延伸 P E Tからなる反り防止用の第三透明フィルム 3 2が全面で貼り合わせられている。フィルム 3 2は、フィルム 2 2 と同材質のもので、熱膨張係数は 1 . 5 X l (r⁵/°Cである。

本実施の形態による透明タイプの夕ツチパネルは以上のように構成されるものであり、その動作は、従来の技術の項で説明したものと同様である。すなわち、フィルム 2 7の上方から指またはペンで所定位置を押圧操作することによって、フィルム 2 7はその操作部分を中心として部分的に下方に撓み、当該箇所の導電膜 2 4と導電膜 2 8とが接触する。接触点での電圧比率をフレキシブル配線板 3 0を介して導出し、それを外部回路にて検出するものである。

このとき、上記操作による当該箇所以外は、ドットスぺーサ 2 5で規制され、非接触の状態を維持していることも従来の技術の場合と同じである。

次に、本実施の形態による夕ツチパネルの製造方法について説明する。

まず、フィルム 2 2の表面に、透明導電膜 2 4をスパッタリングにより形成する。一方、フィルム 2 7の片面にはロールコ一夕によりハードコート層 2 9を、他の面にはスパッタリングにより透明導電膜 2 8を形成する。

その後、ドットスぺ一サ 2 5、および外周部 2 6となる絶縁パターン、電極パターン、配線パ夕一ン、粘着パターン等を、スクリーン印刷等でフィルム 2 2および 2 7のいずれか一方または両方に形成する。

そして、上記工程後のフィルム 2 2を、樹脂板 2 1上に塗工またはテープ状で貼り合わされて構成された第一透明粘着層 2 3に、導電膜 2 4側を上側に向けて貼り合わせる。

続いて、導電膜 2 8が導電膜 2 4と対向し、かつ両者間が所定間隔を維持するようにして、フィルム 2 7とフィルム 2 2とを外周部 2 6によって貼り合わせる。続いて、反り防止用の第三透明フィルム 3 2に塗工またはテープを貼り合わせて第二透明粘着層 33を形成した後、粘着層 33により第三透明フィルム 32を樹脂板 21の下面に貼り合わせる。

さらに、上記状態としたものを、 50〜 80°C程度の温度槽に入れて外周部 2 6を少し軟化させることにより、外周部 26のみで貼り合わされているフィルム 27の歪を取ってフィルム 27の表面平滑性を確保する。

最後に、フレキシカレ配線板 30を所定箇所に熱圧着によって接続して夕ツチパネルとして完成させるものである。

このように構成された夕ツチパネルは、 4インチ LCDへの搭載サイズ（約 9 OmmX 7 Omm) の大きさのもので、反りが 0. 1mm以下にできるものであつた。

また、本実施の形態の夕ツチパネルは、 60 95 %RHの高温高湿環境下で 500時間放置後においても、反りは 0. 1mm以下でほとんど変ィ匕しないものであり、その全光線透過率は 80%のものであった。

樹脂板 21とフィルム 22との間、および樹脂板 21とフィルム 32との間が、粘着層 23および粘着層 33により全面で粘着され、それらの間に空気層が介在しないため、界面による光線の反射が減少し、結果として全光線透過率が高くなるものである。

なお、全面で粘着する部分を、夕ツチパネルの可視領域 31部分のみとしても、上記全光線透過率を有する夕ツチパネルが得られる。

さらに、本実施の形態の構成で上記よりも大きい夕ツチパネル、例えば 6インチ LCDへの搭載サイズ（約 11 OmmX 9 Omm)、 10. 4インチ LCDへの搭載サイズ（約 22 OmmX 18 Omm) を製造したが、夕ツチパネルの反りは 0. 1mm以下であった。また、 60°C95%RHの高温高湿環境下 50 Oh r放置後においても、反りは 0. 1mm以下でほとんど変ィ匕しないものであった。これは、樹脂板 21であるポリ力一ポネートシートの上面にフィルム 22が粘着固定され、また、樹脂板 2 1下面にフィルム 2 2と材質、熱膨張係数が同じであるフィルム 3 2を粘着固定して両者で透明樹脂板 2 1を挾みこむようにしたためである。本発明の構成によれば、夕ツチパネルの製造工程や完成後の温度、湿度が変ィ匕しても樹脂板 2 1の上下面に加わる力がほぼ等しくなる。つまり、フイルム 3 2によって反り防止作用が樹脂板 2 1に加わるようにできるため、タツチパネルの反りを低減させることができるものである。

このように、本実施の構成の夕ツチパネルによれば、外形が大きなものにおいても同じく反りの少ない夕ツチパネルを容易に得ることができる。

なお、樹脂板 2 1としては、上記に例として説明したポリ力一ポネート樹脂製のもの以外に、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリオレフイン系樹脂、ポリシクロへキサジェン系樹脂、ノルポルネン樹脂等の一般的な押し出し成型、キャスティング成型、あるいは射出成型によって形成された樹脂シートを用いてもよい。また、例えばその厚さは 0. 2〜1 0 mm、好ましくは 0. 3〜3 mmのものが実用的である。

また、フィルム 2 2および 3 2としては、二軸延伸 P E Tの他、二軸延伸ポリエチレンナフタレ一トゃー軸延伸 P E T等の延伸フィルムを用いることができる。フィルム 2 2および 3 2の厚さは、 0. 0 1〜0. 4mm、好ましくは 0. 0 2 5〜0 . 2 mmのものが実用的である。

これらの樹脂板 2 1やフィルム 2 2および 3 2としては、いずれも比較的安価に入手できる材料で構成しているため、たとえフィルム 3 2を追加してもタツチパネルのコストが大幅に上昇することもない。

フィルム 3 2としては、基本的にフィルム 2 2と熱膨張係数が等しい同材質のフィルムを用いることが望ましいが、フィルム 3 2とフィルム 2 2との熱膨張係数の差が 1 X 1 0 ⁵Z°C以下であれば、 6 0 °C 9 5 % RHの高温高湿環境下 5 0 0 h r放置後においても、夕ツチパネルの反りは 0. 1 mm程度以下に抑えることができる。

さらに、粘着層 2 3および粘着層 3 3としては、アクリル系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤や両面粘着テープを用いることができる。その厚さは、 0 . 0 1〜0 . 5 mm、好ましくは、 0. 0 2〜0 . 2 mmのものが実用的である。特に粘着層 2 3と粘着層 3 3とを同じ材質で同じ厚さにすると、温度、湿度の変化が生じた際に発生する各粘着層 2 3、 3 3の透明樹脂板 2 1に対する力がほぼ等しくでき、夕ツチパネルの反りを低減させることが、できる。

なお、これら粘着層 2 3および 3 3は、樹脂板 2 1、もしくはフィルム 2 2、フィルム 3 2に対して、口一ルコ一夕等で塗工して形成しても良い。

また、別の構成として、粘着層 2 3および粘着層 3 3として両面粘着テープを用いても良い。両面粘着テープとしては、芯材となる基材の無いものを用いても良いし、芯材の有るものを用いても良い。特に基材の有るものについては、温度、湿度の変化時に樹脂板 2 1の上下面に加わる力を均一化するために、その基材を含めて粘着層 2 3および 3 3は同じ材質、同じ厚さのものにて構成することが好ましい。

また、フィルム 2 7としては、二軸延伸 P E Tの他、二軸延伸ポリエチレンナフタレートや一軸延伸ポリエチレンテレフ夕レート等の延伸フィルムの他、ポリカーポネ一トフイルム、ポリエーテルサルフオンフィルム、ポリアリレ一トフィルム、ポリオレフインフィルム等を用いることができる。フィルム 2 7の厚さは 0 . 0 5〜0. 4mm、好ましくは 0. 1〜0. 2 nunのものが実用的である。フィルム 2 7は、夕ツチパネルの反りには直接的に大きな影響を与えることはない。しかし、フィルム 2 7に熱膨張係数がフィルム 2 2の熱膨張係数と大きく異なるものを使用すると、フィルム 2 7にうねりが生じ、タツチパネルの視認性が悪くなる可能性がある。これは、周囲の温度、湿度の変化の際に、剛性のある樹脂板 2 1に貼り合わされたフィルム 2 2に対し、外周部 2 6のみで固定されているフィルム 2 7に歪が発生するためである。このため、フィルム 2 7も、フィルム 2 2およびフィルム 3 2と同材質にすることが好ましい。

歪が発生を防止するためには、フィルム 2 2、フィルム 2 7、フィルム 3 2のうち、熱膨張係数の一番小さいフィルムと熱膨張係数の一番大きいフイルムとの熱膨張係数の差が 1 X 1 0一⁵ Z°C以下であることが好ましい。この条件であれば、 6 0 °C 9 5 % RHの高温、高湿環境下 5 0 0時間放置後においても、タツチパネルの反りは 0. 1 mm程度以下に抑えられ、かつフィルム 2 7のうねりがほとんど生じないものとなる。

また、第一透明導電膜 2 4および第二透明導電膜 2 8としては、 I TOの他、酸化スズ（S n〇₂)、酸化亜鉛（Z n O)、金（A u) 薄膜、銀（A g) 薄膜等を用いてもよい。

また、上記説明は透明タツチパネルを一例として説明したものであるが、本発明は透明夕ツチパネルに限られることはない。夕ツチパネルの動作原理から判るように、各種材料は、透明材料でなくとも同様の効果が得られる。例えば導電膜としても、カーボン Z樹脂系の導電膜を使用するもの等であってもよい。

さらに、本実施の形態による夕ツチパネルの製造方法としては、上記に説明した製造工程の他、パターン形成した第一透明フィルムと第二透明フィルムを外周部で貼り合わせた後、第一透明粘着層を介して透明樹脂板を貼り合わせ、さらに第二透明粘着層を介して、第三透明フィルムを貼り合わせても良い。他の製造方法としては、第二透明粘着層を介して第三透明フィルムを貼り合わせた透明樹脂板に、第一透明フィルムと第二透明フィルムとを外周部で貼り合わせたものを第一透明粘着層を介して貼り合わせて製造しても良い。

なお、上記説明ではタツチパネルの大きさとして所定サイズのものを例として説明したが、本発明は上記サイズのものに限定されるものではなく、タツチパネルの大きさが大きくなるほど、反りを低減させるという本発明の効果は増大していくものである。

(実施の形態 2)

図 2は本発明の第 2の実施の形態による夕ツチパネルの断面図である。なお、実施の形態 1の構成と同様の構成部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。

本実施の形態による夕ツチパネルは、図 2に示すように、反り防止用の第三透明フィルム 32の下面に使用機器の操作用の表示パターン 34をポリエステル系のカラ一インキを用いてスクリーン印刷により設けた点が実施の形態 1によるものと相違している。その他の構成部分は、実施の形態 1によるものと同じであるため、説明を省略する。

上記のように構成された本実施の形態による夕ツチパネルは、実施の形態 1によるものと同様に、夕ッチパネルの反りは 4インチ L C Dへの搭載サイズのもので、 0. 1mm以下にでき、また、 60°C95%RHの高温、高湿環境下 500 時間放置後においても、反りは 0. 1mm以下でほとんど変ィ匕しないものである。さらに、 6インチ LCDへの搭載サイズ、 10. 4インチ LCDへの搭載サイズであっても、その反りは、 0. 1mm以下で、 60°C95%RHの高温、高湿環境下 500時間放置後においても、反りは 0. 1 mm以下でほとんど変化しないものである。

このように本実施の形態によるタツチパネルは、実施の形態 1の場合と同様に反りが少ないものである。さらに、表示パターン 34が形成されたフィルム 32 は、少なくとも夕ツチパネルの可視領域 31に形成された第二透明粘着層 33を介して全面で貼り合わされているため、透明樹脂板 21と表示パターン 34間に空気層が入らなくできる。

一般的に、上記使用機器における操作用の表示パターンは、夕ツチパネル以外の専用シートに形成され、その専用シートは額縁状に外周部のみをタツチパネルの下方に貼り合わせる構成力多く採用されている。これに対し、本実施の形態による夕ツチパネルは、空気層の介在をなくせるために、表示パターン 3 4も鮮明に視認することができ、表示パターンの視認性に優れた電子機器を容易に実現することができる。

なお、表示パターン 3 4の配置としては、反り防止用のフィルム 3 2の下面に限らない。すなわち、表示パターン 3 4をフィルム 3 2の粘着層 3 3と貝占り合わせている面側に設けても同様の効果を得ることができる。

(実施の形態 3 )

図 3は本発明の第 3の実施の形態による夕ツチパネルの断面図である。なお、実施の形態 1の構成と同様の構成部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。

本実施の形態による夕ツチパネルは、図 3に示すように、反り防止用の第三透明フィルム 3 2の下面に屈折率 1 . 3 8のフッ素樹脂の反射防止層 3 5を設けた点が実施の形態 1によるものと相違している。その他の構成部分は、実施の形態 1と同じであるため、説明を省略する。

上記のように構成された本実施の形態による夕ツチパネルは、実施の形態 1によるものと同様に、タツチパネルの反りは 4インチ〜 1 0. 4インチ L CDへの搭載サイズのもので、 0. 1 mm以下にでき、また、 6 0 °C 9 5 % RHの高温、高湿環境下 5 0 0時間放置後においても、反りは 0. 1 mm以下でほとんど変化しないものである。

これに加えて、本実施の形態によるものは、反射防止層 3 5により夕ツチパネルの全光線透過率が 8 2 %に向上できるものであった。

全光線透過率の向上は、夕ツチパネルの最下面位置、すなわち反り防止用のフイルム 3 2の下面の光線反射率が 4 %から約 2 %に低減できることに起因する。なお、反射防止層 3 5としては、上記に説明したフッ素系樹脂の他に、シリカ (S i〇₂) 層、フッ化マグネシウム（MgF₂) 層等の低屈折率の単一層を使用することができる。また、チタニア（T i 0₂) 等の高屈折率層とシリカ（S i 〇₂) 等の低屈折率層の積層構造による多層構造のものを用いても良い。特に多層構造のものを用いた場合、フィルム 32の下面の反射率を 0. 2%程度まで下げることができ、夕ツチパネリレの全光線透過率として 84 %のものが実現可能である。

(実施の形態 4)

図 4は本発明の第 4の実施の形態による夕ツチパネルの断面図である。実施の形態 1の構成と同様の構成部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。

本実施の形態によるタツチパネルは、図 4に示すように、反り防止用の第三透明フィルム 32の下面に鉛筆硬度 3 Hのァクリル系樹脂によるハードコート層 3

6を設けた点が実施の形態 1によるものと相違している。その他の構成部分は、実施の形態 1によるものと同じであるため、説明を省略する。

上記のように構成された本実施の形態による夕ツチパネルは、実施の形態 1によるものと同様に、夕ツチパネルの反りは 4インチ〜 10. 4インチ LCDへの搭載サイズのもので、 0. 1mm以下にでき、また、 60°C95%RHの高温、高湿環境下 500時間放置後においても、反りは 0. 1mm以下でほとんど変化しないものである。また、全光線透過率が 80%のものであった。

これに加えて、本実施の形態による夕ツチパネルは、ハードコート層 36をフイルム 32下面に設けている為、フィルム 32下面の硬度を上昇、つまりタツチパネル下面の耐擦傷性を向上させることができる。この結果、夕ツチパネルの製造や電子機器への装着搭載時における歩留まりを容易に向上させることができる。また、本実施の形態による夕ツチパネルに、実施の形態 3による構成を付加してもよい。

すなわち、図 5の夕ツチパネルの断面図に示すように、フィルム 3 2の下面にハードコート層 3 6を設け、さらにハードコート層 3 6の下面に、例えばチタ二ァとシリカの積層構造による多層構造の反射防止層 3 5を設ける構成としてもよい。

上記構成とすると、夕ツチパネルの反りは 4インチ〜 1 0 . 4インチ L C Dへの搭載サイズのものにおいて、 0 . 1 mm以下である。また、 6 0 °C 9 5 % RH の高温、高湿環境下 5 0 0時間放置後においても、その反りは 0 . 1 mm以下でほとんど変化しない、全光線透過率が 8 4 %のタツチパネルが得られる。

これは、実施の形態 3と同様に、夕ツチパネル最下面の光線反射率が 4 %から約 0. 2 %に低減できたため、夕ッチパネルの全光線透過率が向上したものである。

なお、上記構成において、反射防止層 3 5を夕ツチパネルの組み立て工程の最終工程で形成するようにすると、それまでの工程内では、ハードコート層 3 6により第三透明フィルム 3 2の下面が保護できる。このため、高品位の夕ツチパネルが容易に生産できるようになる。

(実施の形態 5 )

図 6は本発明の第 5の実施の形態による夕ツチパネルの断面図であり、実施の形態 1の構成と同様の構成部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。

本実施の形態による夕ツチパネルは、図 6に示すように、反り防止用の第三透明フィルム 3 2下面の周辺部のみに枠状にアクリル系樹脂による第三粘着層 3 7を設けた点が実施の形態 1によるものと相違している。その他の構成部分は、実施の形態 1によるものと同じであるため、説明を省略する。上記のように構成された本実施の形態による夕ツチパネルは、実施の形態 1によるものと同様に、反りは 4インチ〜 1 0 . 4インチ L C Dへの搭載サイズのもので、 0 . 1 mm以下にでき、また、 6 0 °C 9 5 % RHの高温、高湿環境下 5 0 0時間放置後においても、反りは 0 . 1 mm以下でほとんど変ィ匕しないものである。さらに、全光線透過率は 8 0 %であった。

このように、本実施の形態による夕ツチパネルは、夕ツチパネルの製造工程や完成後の温度変化による反りが抑えられたものである。かつ、そのタツチパネルの最下面には第三粘着層 3 7が設けられているため、この第三粘着層 3 7を使用機器の L C D等の表示素子等に粘着固定するのみで夕ッチパネルを容易に装着固定することができる。このように、使用機器への夕ツチパネルの搭載時の作業性がさらに向上できるものである。

なお、図 7の断面図に示すように、フィルム 3 2の下面全面に、アクリル系樹脂による透明な第三粘着層 3 8を設け、可視領域 3 1部分を含めて全面で使用機器に貼り合わせることが可能な構成とすることもできる。この構成によれば、前述のものと同様にタツチパネルを使用機器に搭載する時の作業性が向上できる。それに加えて本構成のものは、可視領域 3 1部分に対応するフィルム 3 2の下面が、第三粘着層 3 8によって表示装置等に全面で粘着してタツチパネルと表示装置の表示素子間の空気層をなくすことができる。このため、タツチパネル下面と表示素子表面での光の反射が低減でき、前述の構成のものよりも鮮明で見やすい良好な視認性のものにできる。

なお、上記のいずれの場合においても、第三粘着層 3 7または 3 8としては、アクリル系の粘着剤の他、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤や両面粘着テープを用いることができる。粘着層 3 7または 3 8の厚さは、 0 . 0 1〜0 . 2 mm、好ましくは、 0 . 0 2〜0. 2 mmのものが実用的である。

また、上記説明ではフィルム 3 2下面側に粘着層 3 7または 3 8を枠状または全面に形成した事例を説明したが、スクリーン印刷、ディスペンサーなどでそれら以外の所定パターンに粘着層 3 7または 3 8を形成してもよい。粘着層 3 7または 3 8は口一ルコ一夕等で塗工したものを用いても良い。

粘着層 3 7または 3 8として用いる両面粘着テープとしては、芯材となる基材の無いものを用いても良いし、基材の有るものを用いても良い。

(実施の形態 6 )

図 8は本発明の第 6の実施の形態による電子機器の一例としてのハンドヘルド ·コンピュータの分解斜視図である。図 8において、実施の形態 1によるタツチパネル 4 1は上部ケース 4 2の下面に配されている。た、液晶表示装置 (L C D) 4 3は夕ツチパネル 4 1の下方に配設されている。制御回路部 4 4は液晶表示装置 4 3の下方に配設され、中央演算処理装置、記憶素子などの電子部品から構成される。電池 4 5は制御回路部 4 4へ電源を供給する。これらの部材が上部ケース 4 2と下部ケース 4 6により所定の位置関係で保持されており、夕ツチパネル 4 1と L C D 4 3は、それらの側部から導出されたフレキシブル配線板 4 7 , 4 8によって制御回路部 4 4に接続されている。

夕ツチパネル 4 1上をペンまたは指で押圧操作することにより、ハンドヘルド ·コンピュータの動作に関わる中央演算処理装置、記憶素子を含む制御回路部 4 4は、電源の ONZO F F、ソフトウェアの選択、選択されたソフトウェアの機能などを動作させるように設定されている。 L C D 4 3は上記操作に伴う各機能に対応した表示がなされるように構成されている。

本実施の形態によるハンドへルド ·コンピュータは上記のように構成され、この夕ツチパネル 4 1への操作により得られる所定信号を制御回路部 4 4で判定等して所定機能を動作させるものである。

上記構成のハンドへルド'コンピュータを 6 9 5 % RHの高温、高湿環境下で 5 0 0時間放置した後、夕ッチパネル 4 1を確認したところ、タツチパネル 4 1の反りは、ほとんど発生しておらず、電子機器の良好な操作性や信頼性が維持できるものであつた。

なお、この夕ツチパネル 4 1は反りの少ないものであるため、夕ツチパネル 4 1の搭載作業性が良好にでき、作業効率が向上し、製造コスト低減の効果も期待できる。

そして、夕ツチパネル 4 1として 6インチを超える L C Dを使用した場合でも上記と同等の結果が得られ、より大きい表示画面で視認性がよくて操作しゃすい電子機器を容易に実現することができるものである。

なお、上記説明では、 L C D 4 3表面に透明な夕ツチパネルを配設する例を説明した。夕ツチパネル 4 1が、透明でない場合には、 L C D 4 3以外の電子機器の任意の部分、例えばキーボードの前面などに配すればよい。この場合においても、当該夕ツチパネル 4 1は反りの少ないものであるため、良好に装着することなどができる。産業上の利用可能性

以上説明したように、本発明のタツチパネルは、夕ツチパネルを構成する樹脂板の下面に反り防止用のフィルムを貼り合わせたものである。このため、このフィルムの反り防止作用によって、タツチパネルの製造工程や完成後の温湿度変化による夕ツチパネルの反りを低コストで低減することができる。このため、透明タイプのものにおいては、 6インチ以上の大きな液晶表示装置などにも適用できる反りの少ない高品質の夕ッチパネルを実現できるという有利な効果が得られる。また本発明の構成のタツチパネルは、透明夕ツチパネルにおいて特に利用効果が大である。

Claims

請求の範囲

1 . 樹脂板と、一方の面に第一の導電膜が形成され、他の面が前記樹脂板に接着された第一のフイルムと、前記第一のフィルムの第一の導電膜に対向する面に形成された第二の導電膜を有する第二のフィルムと、前記樹脂板の前記第一のフィルムが接着された面と反対面に接着された第三のフィルムとから構成された夕ツチパネル。

2 . 前記樹脂板と前記第一のフィルムとの接着および、前記樹脂板と前記第三のフィルムとの接着は粘着層を介して行われる請求の範囲第 1項記載のタツチパネル。

3 . 前記樹脂板と前記第一のフィルムとを接着する粘着層および、前記樹脂板と前記第三のフィルムとを接着する粘着層とがほぼ等しい厚さと材質のもので構成された請求の範囲第 2項記載の夕ッチパネル。

4 . 前記第一のフィルムと前記第三のフィルムとの熱膨張係数の差が 1 X 1 0 " ⁵Z°C以下である請求の範囲第 1項記載のタツチパネル。

5 . 前記樹脂板が、押し出し成型、キャスティング成型、射出成型のいずれかの製法で得られる樹脂シ一トであり、前記第一のフィルムおよび前記第三のフィルムが延伸フィルムである請求の範囲第 1項記載の夕ツチパネル。

6 . 前記第一のフィルムと前記第三のフィルムとが、ほぼ等しい厚みで同じ材質である請求の範囲第 1項記載の夕ツチパネル。

7 . 前記第一のフィルム、前記第二のフィルム、前記第三のフィルムのうち熱膨張係数の一番小さいフィルムと熱膨張係数の一番大きいフィルムとの熱膨張係数の差が 1 X 1 0— ⁵ノ以下である請求の範囲第 1項記載の夕ツチパネル。

8 .第三のフィルムにさらにハードコ一ト層が形成された請求の範囲第 1項記載の夕ツチパネル。

9 .第三のフィルムの前記樹脂板に接着された面と反対面にさらに粘着層が形成された請求の範囲第 1項記載の夕ツチパネル。

1 0 . 前記樹脂板、前記第一の導電膜、前記第一のフィルム、前記第二の導電膜、前記第二のフィルムおよび前記第三のフィルムが透明材料で構成された請求の範囲第 1項ないし第 9項に記載の夕ッチパネル。

1 1 . 前記第三のフィルムに、表示パターンが形成された請求の範囲第 1 0項記載の夕ツチパネル。

1 2 .前記第三のフィルムにさらに反射防止層が形成された請求の範囲第 1 0項記載の夕ツチパネル。

1 3 .前記第一のフィルムおよび前記第三のフィルムの可視領域に対応する部分が、前記樹脂板に全面で接着されている請求の範囲第 1項記載の夕ツチパネル。

1 4. 請求の範囲第 1項記載の夕ツチパネルが配設され、この夕ツチパネルへの操作により得られる所定信号を制御回路部で判定して所定機能を動作させる電子機器。

1 5 .請求の範囲第 1 0項記載の夕ツチパネルが表示装置の表示面側に配設され、この夕ツチパネルへの操作により得られる所定信号を制御回路部で判定して所定機能を動作させる電子機器。