明 細 書 燃料供給装置 技術分野
本発明は、 例えば自動車等の燃料タンク内に設けられ、 燃料をェンジ ン本体側に向けて供給するのに好適に用いられる燃料供給装置に関する, 背景技術
一般に、 燃料を収容する燃料タンクと、 該燃料タンク内に設けられ、 該燃料タンク内の燃料を外部に吐出する燃料ポンプと、 該燃料ポンプと 共に前記燃料タンク内に設けられ、 該燃料ポンプから吐出される燃料を 清浄化する燃料フィル夕とからなる燃料供給装置は知られている。
この種の従来技術による燃料供給装置では、 燃料タンク内の燃料をェ ンジン本体側に向けて供給するため、 燃料ポンプと燃料フィルタとが樹 脂製の取付ブラケッ 卜に一体的に組付けられた状態で燃料タンク内に配 設され、 燃料タンク内に収容されたガソリン等の燃料に接触している。 そして、 エンジンの運転時には、 燃料タンク内の燃料が燃料ポンプに より吐出され、 この燃料は燃料フィル夕内に流通して清浄化された後に. エンジン本体側め各燃料噴射弁等に向けて燃料タンクの外部に供給され る。
一方、 燃料フィルタは、 取付ブラケッ トに取付けられたフィルタケ一 スと、 該フィル夕ケース内に配設されたフィルタエレメントとから構成 され、 フィル夕ケースとフィル夕エレメン卜との間には燃料の流路が画 成されている。 そして、 燃料ポンプから吐出されて燃料フィル夕内に流 入した燃料は、 この流路を流れつつフィル夕エレメントにより清浄化さ れる。
ところで、 上述した従来技術では、 エンジンの運転時に燃料ポンプか
ら吐出された燃料が燃料フィル夕内に流入し、 メッシュ径が細かぃフィ ル夕エレメント内を通過することになるから、 燃料フィル夕内では、 フ ィルタエレメン トの前, 後等で燃料の流れが乱流になり易く、 燃料フィ ル夕のフィル夕ケースは燃料との接触により静電気を帯びることがある < しかし、 フィル夕ケースは、 燃料タンク内にコンパク トに配設するた め燃料ポンプと共に樹脂製の取付ブラケッ 卜に取付けられ、 結果的に燃 料タンク内で電気的に絶縁された状態に保持されている。
このため、 従来技術では、 燃料との摩擦によりフィルタケースが帯び た静電気が徐々に蓄えられるという問題がある。 発明の開示
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、 フィルタケ ースが燃料との摩擦により静電気を帯びた場合でも、 この静電気を外部 に逃がすことができ、 フィル夕ケースに静電気が蓄えられるのを防止で きると共に、 信頼性を向上できるようにした燃料供給装置を提供するこ とを目的としている。
上述した課題を解決するために本発明は、 燃料を収容する燃料タンク と、 該燃料タンク内に設けられ、 該燃料タンク内の燃料を外部に吐出す る燃料ポンプと、 該燃料ポンプと共に前記燃料タンク内に設けられ、 該 燃料ポンプから吐出される燃料を清浄化する燃料フィル夕とからなり、 該燃料フィル夕を、 前記燃料タンク内に設けられるフィル夕ケースと、 該フィル夕ケース内に配設されたフィル夕エレメントとから構成してな る燃料供給装置に適用される。
そして、 請求項 1に記載の発明が採用する構成の特徴は、 前記フィル 夕ケースは導電性を有する材料によって前記燃料タンク内の燃料にそれ ぞれ接触する内側壁部と外側壁部とから形成し、 該内側壁部と外側壁部 との間には前記フィルタエレメン卜を収容するフィルタ収容空間を画成
する構成としたことにある。
上記構成によれば、 導電性を有するフィル夕ケースの内側壁部と外側 壁部とをそれぞれ周囲の燃料に接触させることにより、 この燃料とフィ ル夕ケースとを互いに大きな面積を介して接触させ、 フィル夕収容空間 内を流通する燃料との接触によりフィルタケースに帯電した静電気を周 囲の燃料中に逃がすことができる。 この場合、 燃料タンク内の燃料は内 部に混入した水分等の影響により僅かな導電性を有し、 フィルタケース が静電気を帯びた場合には、 燃料の導電性を利用してフィル夕ケースの 静電気を少なく とも内側壁部および外側壁部から燃料夕ンク内の燃料中 に逃がすことができる。
また、 請求項 2に記載の発明においては、 前記フィル夕ケースは前記 フィル夕エレメントと共に横断面が略 U字状をなすように形成し、 前記 燃料ポンプの外周側と対向する位置で前記内側壁部内に燃料が流通する のを許す構成としたことにある。
これにより、 フィル夕ケースの外側壁部と内側壁部とを略 U字状に湾 曲させて形成し、 これらの表面積を大きくすることができる。 そして、 フィル夕ケースと燃料ポンプとを一体的に組付けた状態で、 フィルタケ ースの内側壁部内に燃料を流通させることができ、 この状態でフィル夕 ケースを燃料タンク内の燃料に対して広い面積で接触させることができ る。 '
さらに、 請求項 3に記載の発明では、 前記フィル夕ケースは二重の筒 体として形成し、 前記内側壁部が前記燃料ポンプの外周側を隙間をもつ て筒状に取囲み、 前記外側壁部が前記フィルタエレメントを介して内側 壁部の外周側を筒状に取囲む構成としたことにある。
これにより、 フィルタケースの内側壁部と外側壁部とを燃料ポンプよ りも大きな筒径をもって形成し、 その表面積を大きくすることができる。 そして、 フィル夕ケースと燃料ポンプとを一体的に組付けた状態で、 フ
ィル夕ケースの内側壁部と燃料ポンプの外周側との隙間に燃料を流通さ せることができ、 この状態でフィルタケースを燃料タンク内の燃料に対 して広い面積で接触させることができる。 一方、 請求項 4に記載の発 明では、 前記燃料フィル夕は、 導電性を有する材料により形成され前記 燃料タンク内に設けられるフィル夕ケースと、 該フィル夕ケース内に配 設されたフィル夕エレメントとからなり、 前記フィルタケースには、 該 フィル夕ケースに帯電する静電気を外部に逃がすための導通部材を設け る構成としたことにある。
これにより、 フィル夕ケースが静電気を帯びた場合には、 この静電気 をフィル夕ケースから導通部材を介して例えば外部のアース等に逃がす ことができ、 フィル夕ケースが帯電状態に保持されるのを防止できる。 そして、 請求項 5に記載の発明では、 前記導通部材は前記フィルタケ ースに帯電する静電気を前記燃料タンクの上部側に逃がすリード線によ つて構成したことにある。
これにより、 フィル夕ケースが帯びた静電気をリード線から燃料タン クの上部側を介して外部のアース等に逃がすことができ、 フィルタケ一 スが帯電状態に保持されるのを防止できる。
また、 請求項 6に記載の発明では、 前記導通部材は、 一端側が前記フ ィル夕ケースの外側面に取付けられ、 他端側が前記燃料タンクの底部側 近傍に向けて垂下された導体により構成'している。
これにより、 フィル夕ケースが帯びた静電気をその外側面と導体とを 介して周囲の燃料中に逃がすことができる。 また、 例えば燃料タンク内 の底部側に水分等が溜っている場合には、 フィル夕ケースの静電気を導 体の先端側からこの水分中に逃がすことができる。
さらに、 請求項 7の発明では、 前記導通部材は、 一端側が前記フィル 夕ケースの外側面に接続され、 他端側が前記燃料タンクの底部側に接触 する導体によって構成してなる請求項 4に記載の燃料供給装置。
これにより、 例えば金属製の燃料タンクを用いる場合には、 フィル夕 ケースが帯びた静電気を導体から燃料タンクを介して外部のアース等に 逃がすことができる。
一方、 請求項 8に記載の発明では、 前記燃料フィルタは、 導電性を有 する材料により形成され前記燃料タンク内に設けられるフィルタケース と、 該フィル夕ケース内に配設されたフィル夕エレメン卜とからなり、 前記燃料タンク内には前記燃料ポンプから吐出された燃料の一部を該燃 料タンク内に戻すリターン配管を設け、 該リターン配管の流出口は前記 燃料タンク内に戻される燃料が前記フィル夕ケースの側面に接液する位 置に開口する構成としている。
これにより、 フィル夕ケースが帯びた静電気をリターン配管から戻さ れる燃料を介して燃料タンク内の燃料中に逃がすことができ、 フィルタ ケースが帯電状態に保持されるのを防止できる。 図面の簡単な説明
図 1は第 1の実施例による燃料供給装置等を示す全体構成図である。 図 2は燃料供給装置の供給ュニッ 卜を拡大して示す図 3中の矢示 I I 一 I I線に沿った縦断面である。
図 3は燃料供給装置の供給ュニッ 卜を示す図 2の平面図である。
図 4は第 2の実施例による燃料供給装置を示す図 5中の矢示 I V— I
V線に沿った縦断面図である。
図 5は燃料供給装置の供給ュニッ トを示す図 4の平面図である。
図 6は第 3の実施例による燃料供給装置を示す図 4と同様の縦断面図 である。 図 7は第 4の実施例による燃料供給装置のフィル夕ケース等 を示す斜視図である。
図 8は第 5の実施例による燃料供給装置を示す縦断面図である。
図 9は第 6の実施例による燃料供給装置を示す縦断面図である。
図 1 0は第 7の実施例による燃料供給装置を示す縦断面図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。 ここで、 図 1ないし図 3は本発明による第 1の実施例を示し、 本実施 例では、 燃料供給装置を自動車用エンジンの燃料供給装置として用いた 場合を例に挙げて説明する。
図中、 1は内部にガソリン等の燃料が収容される燃料タンクを示し、 該燃料タンク 1内には、 内部の燃料をエンジン本体 2側に向けて供給す るために後述の供給ユニッ ト 8が配設されている。 また、 燃料タンク 1 の蓋板 1 Αには、 供給ユニッ ト 8のユニッ ト本体 1 6を取付けるための 開口部 1 B (図 3参照) が形成されている。
一方、 燃料タンク 1内の燃料には、 通常の状態でも水分等の導電性を 有する不純物が僅かに混入しているため、 この燃料は僅かに導電性を有 する状態となっている。 特に、 燃料タンク 1の底部 1 C側には、 自動車 等を長期間に亘つて使用するうちにある程度の水分等が溜っていること が多い。
3はェンジン本体 2側に取付けられた燃料配管で、 該燃料配管 3には エンジンの各気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁 4 , 4, …が設けられて いる。 そして、 燃料配管 3は、 一端側が配管 5を介して供給ユニッ ト 8 の燃料供給管部 2 0に接続され、 他端側が燃圧調整用の圧力レギユレ一 夕 6およびリターン配管 7を介して供給ュニッ 卜 8のリターン管部 2 1 に接続されている。
8は燃料タンク 1内に配設された供給ュニッ 卜を示し、 該供給ュニッ ト 8は図 2に示すように、 後述の燃料ポンプ 9および燃料フィルタ 1 0 と、 これらが取付けられたユニッ ト本体 1 6とから構成されている。 そ して、 供給ユニッ ト 8は図 1 に示すように、 ユニッ ト本体 1 6を介して
燃料タンク 1に取付けられた状態でその内部に配設され、 燃料タンク 1 内の燃料に接触している。
9は燃料タンク 1内の燃料を外部に吐出するための燃料ポンプで、 該 燃料ポンプ 9は、 図 2に示すように、 略円柱状に形成されたポンプ本体 9 Aと、 該ポンプ本体 9 Aの下端側に設けられ、 フィル夕部 9 Bが接続 された吸込ポ一ト 9 Cと、 ポンプ本体 9 Aの上端側に設けられた吐出ボ —ト 9 D等とから樹成され、 ポンプ本体 9 Aに外部から給電するための リード線 9 Eを備えている。
そして、 燃料ポンプ 9はユニッ ト本体 1 6に取付けられ、 吐出ポート
1 0 9 Dが燃料取入口 1 9内に嵌合されると共に、 リード線 9 Eがュニッ ト 本体 1 6のコネクタ部 2 2に接続され、 この状態で吸込ポ一卜 9じから 吸込んだ燃料タンク 1内の燃料を吐出ポ一ト 9 Dから燃料取入口 1 9内 に吐出する。
1 0は燃料ボンプ 9から吐出された燃料を清浄化するための本実施例 i n による燃料フィルタを示し、 該燃料フィル夕 1 0は図 2に示すように、 後述のフィルタケース 1 1 と、 フィル夕エレメント 1 4とから構成され ている。
1 1は燃料フィル夕 1 0のケ一シングとなるフィルタケ一スを示し、 該フィル夕ケース 1 1は、 例えば帯電防止剤を含んだ樹脂材料または金
20 属材料等により形成され、 実質的に導電性を有する構成となっている。
また、 フィル夕ケース 1 1は図 3に示す如く、 長手方向中間部が略 U 字状に湾曲した内側壁部 ]. 1 Aおよび外側壁部 1 1 Bと、 燃料ポンプ 9 の外周側と対向する位置で内側壁部 1 1 Aと外側壁部 1 1 Bとを一体的 に連結した一対の側壁部 1 1 C , 1 1 Cと、 図 2に示す底壁部 1 1 D等 5 とから構成されている。
そして、 フィルタケース 1 1は、 全体として略 U字状の横断面を有し、 上端側が開口部となった有底の容器として形成されると共に、 その内部
には内側壁部 1 1 Aと外側壁部 1 1 Bとの間に位置してフィルタエレメ ント 1 4を収容するフィル夕収容空間 1 2が画成されている。
また、 内側壁部 1 1 Aの長手方向中間部には、 図 3に示す如く、 外側 壁部 1 1 Bに向けて U字状に突出する隔壁部 1 1 Eが設けられ、 該隔壁 部 1 1 Eは、 フィルタ収容空間 1 2内に内側壁部 1 1 Aとの間で上下方 向に延びる燃料通路 1 2 Aを画成している。 そして、 燃料通路 1 2 Aは、 上端側がュニッ ト本体 1 6の燃料供給管部 2 0に連通し、 下端側が底壁 部 1 1 Dとの間でフィル夕エレメント 1 4側に連通している。
さらに、 フィルタケース 1 1は、 上端側がユニッ ト本体 1 6のフィル 夕取付部 1 8内に嵌合され、 この状態でユニッ ト本体 1 6に取付けられ ている。 また、 内側壁部 1 1 Aにより略 U字状に囲まれた内側空間 1 3 は図 2および図 3に示す如く、 各側壁部 1 1 C間および底壁部 1 1 D側 を介して燃料タンク 1内に連通し、 これらの連通部を介して内側空間 1 3内には燃料タンク 1内の燃料が出入りする。 これにより、 フィルタケ —ス 1 1は、 内側壁部、 1 1 A、 外側壁部 1 1 B、 各側壁部 1 1 Cおよ び底壁部 1 1 Dを介して燃料タンク 1内の燃料に広い面積で接触してい る。
1 4はフィル夕ケース 1 1 のフィルタ収容空間 1 2内に収容されたフ ィルタエレメントを示し、 該フィルタエレメント 1 4は非収容状態にあ るときには横断面が直線状にあるようなものを略 U字状の横断面となる ように湾曲させたもので、 その側壁面が全周に亘つてフィル夕ケース 1 1の内壁面に当接している。 また、 フィル夕エレメント 1 4の上端側に は、 ュニッ ト本体 1 6のベース部 1 7との間に位置してフィルタケ一ス 1 1内に液室 1 5が画成されている。 そして、 フィル夕エレメン卜 1 4 は、 液室 1 5内に流入した燃料を濾過し、 清铮化した燃料を下端側から 燃料通路 1 2 A内に流出させる。
1 6は供給ユニッ ト 8のハウジングを構成するユニッ ト本体で、 該ュ
ニッ ト本体 1 6は図 2および図 3に示す如く、 例えば絶縁性を有する樹 脂材料等から略長円形の平板状に形成され、 燃料タンク 1の開口部 1 B に係上される複数の鍔部 1 7 A , 1 7 A , …が互いに離間して外周側に 形成されたベース部 1 7と、 該ベース部 1 7から下向きに一定長さをも つて突出する枠外として形成され、 燃料フィル夕 1 0のフィル夕ケース 1 1上端側が取付けられたフィル夕取付部 1 8とを備えている。
また、 ベース部 1 7には図 3に示すように、 燃料取入口 1 9が略丁字 状をなす管路として形成され、 該燃料取入口 1 9の一端側は図 2に示す 如くベース部 1 7から下向きに突出し、 その下端部内周には燃料ポンプ 9の吐出ポート 9 Dが接続されている。 また、 燃料取入口 1 9の他端側 は 2方向に分岐して燃料フィル夕 1 0側の液室 1 5内に開口している。 さらに、 ベース部 1 7には、 図 2に示す如く L字状をなして上向きに 突出し、 フィルタケース 1 1内の燃料通路 1 2 Aに連通する燃料供給管 部 2 0と、 上端側が燃料供給管部 2 0と同様に L字状をなして上向きに 突出し、 下部側がベース部 1 7から内側空間 1 3を介して下向きに延び るリターン管部 2 1 とが設けられている。 また、 ベース部 1 7には燃料 ポンプ 9用のコネクタ部 2 2が形成され、 該コネクタ部 2 2はリード線 等を介して燃料タンク 1の外部に設けられた電源回路 (図示せず) 等に 接続されている。
なお、 ユニッ ト本体 1 6は、 ベース部 1 7の各鍔部 1 7 Aが図 3中に 一点鎖線で示す燃料タンク 1の開口部 1 B外面側に係止され、 各鍔部 ] 7 A間に取付けられる抜止めピン等により燃料タンク 1の蓋板 1 Aに抜 止め状態で固定される。
本実施例による燃料供給装置は上述の如き構成を有するもので、 次に その作動について説明する。
まず、 図 2中に示す燃料ポンプ 9が駆動されると、 その吸込ポート 9 Cから吸込まれた燃料タンク 1内の燃料は、 燃料ポンプ 9の吐出ポート
9 Dからュニッ ト本体 1 6の燃料取入口 1 9内に吐出され、 該燃料取入 口 1 9を介して燃料フィルタ 1 0側の液室 1 5内に流入する。
そして、 この燃料はフィル夕エレメント 1 4内を上端側から下端側に 向けて濾過されることにより清浄化された後に、 フィル夕ケース 1 1の 底壁部 1 1 D側から燃料通路 1 2 A内を介して燃料供給管部 2 0に流出 し、 該燃料供給管部 2 0からエンジン本体 2側に向けて燃料タンク 1の 外部に供給される。
さらに、 この燃料は図 1中に示す配管 5を介して燃料配管 3内に供給 され、 各燃料噴射弁 4からエンジン本体 2の各気筒内に噴射される。 ま た、 このとき燃料配管 3内の燃料は圧力レギユレ一夕 6により燃圧調整 され、 余剰となった燃料はリターン配管 7を介して供給ュニッ 卜 8のリ ターン管部 2 1通に流入し、 該リターン管部 2 1を介して燃料タンク 1 内に戻される。
一方、 燃料フィルタ 1 0内に流入した燃料は、 液室 1 5からフィル夕 エレメント 1 4内および燃料通路 1 2 Aを介して燃料供給管部 2 0に流 出するときに、 フィル夕ケース 1 1の内壁面との間で摩擦を生じ、 これ によりフィル夕ケース 1 1は静電気を帯びる傾向にある。
この場合、 フィルタケ一ス 1 1は、 前述した如く僅かな導電性を有す る燃料タンク 1内の燃料と内側壁部 1 1 A、 外側壁部 1 1 B、 各側壁部 1 1 Cおよび底壁部 1 1 Dを介して接触しているため、 フィル夕ケース 1 1が帯びた静電気は、 これらの外側面から燃料タンク 1内の燃料中に 放電される。
かく して、 本実施例では、 燃料タンク 1内に配設する燃料フィルタ 1 0のフィルタケース 1 1 を、 実質的に導電性を有する材料から横断面が 略 U字状をなすように形成し、 その内側壁部 1 1 Aに囲まれた内側空間 1 3内に燃料タンク 1内の燃料を出入りさせる構成としたから、 フィル 夕ケース 1 1の内側壁部 1 1 Aと外側壁部 1 1 Bとを U字状に湾曲させ
て形成でき、 これらの表面積を確実に大きくできると共に、 フィル夕ケ —ス 1 1を、 内側壁部 1 1 A、 外側壁部 1 1 B、 各側壁部 1 1 Cおよび 底壁部 1 1 Dを介して十分に広い面積で燃料タンク 1内の燃料に接触さ せることができる。
これにより、 フィルタケ一ス 1 1が内部を流れる燃料との摩擦により 静電気を帯びた場合には、 燃料の導電性を利用してフィル夕ケース 1 1 の静電気を内側壁部 1 1 A、 外側壁部 1 1 B、 各側壁部 1 1 Cおよび底 壁部 1 1 Dから燃料タンク 1内の燃料中に効率よく逃がすことができ、 燃料の導電性が非常に小さい場合でも、 フィルタケース 1 1 と燃料との 接触面積を十分に大きくすることで、 この燃料中にフィルタケース 1 1 の静電気を逃がすことができる。
従って、 本実施例によれば、 フィルタケース 1 1が静電気を帯びた場 合でも、 この静電気がフィル夕ケース 1 1に蓄えられるのを防止でき、 当該燃料供給装置の信頼性を高めることができる。
また、 燃料ポンプ 9と略 U字状の燃料フィル夕 1 0とを、 該燃料フィ ル夕 1 0の各側壁部 1 1 Cが燃料ポンプ 9の外周側と対向するように配 設したから、 外側壁部 1 1 Bのし '字状部分が燃料ポンプ 9の外周側と対 向するように配設する場合に比較して両者の問に形成される不要な隙問 を小さくでき、 これらをュニッ ト本体 1 6にコンパク 卜に取付けできる と共に、 供給ユニッ ト 8を確実に小型化することができる。
次に、 図 4および図 5は本発明による第 2の実施例を示し、 本実施例 の特徴は、 二重の筒体として形成したフィル夕ケースの内側壁部により 燃料ポンプの外周側を取囲む構成としたことにある。 なお、 本実施例で は、 前記第 1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、 その説明 を省略するものとする。
図中、 3 1は本実施例による供給ユニッ トを示し、 該供給ユニッ ト 3 1は前記第 1の実施例とほぼ同様に、 燃料ポンプ 9と、 燃料フィル夕 3
2と、 これらが取付けられた後述のュニッ 卜本体 3 8とから構成されて いるものの、 本実施例では、 燃料フィルタ 3 2が後述のフィル夕ケース 3 3とフィルタエレメント 3 6とから環状に形成され、 燃料ポンプ 9の 外周側を取囲むように配設されている。
3 3は二重の筒体として形成されたフィル夕ケースを示し、 該フィル 夕ケース 3 3は図 4に示す如く実質的に導電性を有する材料からなり、 燃料ポンプ 9の外周側を取囲む筒状の内側壁部 3 3 Aと、 該内側壁部 3 3 Aをフィルタエレメン卜 3 6を介して取囲む筒状の外側壁部 3 3 Bと, 底壁部 3 3 Cとを備えている。
そして、 フィル夕ケース 3 3は、 上端側が開口部となった環状の容器 として形成され、 その内部には内側壁部 3 3 Aと外側壁部 3 3 Bとの間 に位置してフィル夕エレメン卜 3 6を収容するフィルタ収容空間 3 4が 画成されている。
また、 フィル夕ケース 3 3は、 上端側がユニッ ト本体 3 8のフィル夕 取付部 4 0内に嵌合され、 ユニッ ト本体 3 8に取付けられている。 さら に、 フィルタケース 3 3の内側壁部 3 3 Aと燃料ポンプ 9の外周側との 間には環状の内側空間 3 5が形成され、 該内側空間 3 5内には下端側の 開口部から燃料タンク 1内の燃料が出入りする。 これにより、 フィル夕 ケース 3 3は、 内側壁部 3 3 A、 外側壁部 3 3 Bおよび底壁部 3 3 Cを 介して燃料タンク 1内の燃料に接触して'いる。
3 6はフィルタケース 3 3のフィルタ収容空間 3 4内に収容された環 状のフィル夕エレメントで、 該フィルタエレメント 3 6は図 4に示す如 く、 上端側がュニッ 卜本体 3 8のベース部 3 9に当接し、 下端側がフィ ルタケ一ス 3 3の底壁部 3 3 Cに当接している。
また、 フィルタケース 3 3内には、 フィル夕エレメント 3 6と内側壁 部 3 3 Aとの間に環状の内側液室 3 7 Aが画成され、 フィル夕エレメン ト 3 6と外側壁部 3 3 Bとの間に環状の外側液室 3 7 Bが画成されてい
る。 そして、 フィルタエレメント 3 6は、 外側液室 3 7 B内に流入した 燃料を濾過して内側液室 3 7 A内に流出させ、 この燃料を清浄化する。
3 8は供給ュニッ ト 3 1のュニッ ト本体で、 該ュニッ 卜本体 3 8は前 紀第 1の実施例とほぼ同様に、 図 5に示す如く略円形の平板状に形成さ れたベース部 3 9と、 該ベース部 3 9から図 4に示す如く下向きに突出 形成されたフィル夕取付部 4 0と、 ベース部 3 9に断面略コ字状をなし て形成された燃料取入口 4 1 とを備えている。
そして、 燃料取入口 4 ].は、 一端側がベース部 3 9の中央部から下向 きに突出し、 その内周側には燃料ポンプ 9の吐出ポ一卜 9 Dが嵌合され ている。 また、 燃料取入口 4 1の他端側はフィルタケース 3 3内の外側 液室 3 7 B内に開口している。 さらに、 ベース部 3 9には、 図 4に示す 如く L字状をなして上向きに突出し、 フィルタケース 3 3内の内側液室 3 7 Aに連通する燃料供給管部 4 2と、 上端側が L字状をなして上向き に突出し、 下部側がベース部 3 9から下向きに延びるリターン管部 4 3 と、 燃料ポンプ 9用のコネクタ部 4 4とが設けられている。
これにより、 燃料ポンプ 9の吐出ポート 9 Dから吐出された燃料夕ン ク 1内の燃料は、 燃料取入口 4 1 を介して燃料フィル夕 3 2内の外側液 室 3 7 B内に流入し、 フィル夕エレメント 3 6により濾過された後に内 側液室 3 7 Aに流出すると共に、 該内側液室 3 7 Aから燃料供給管部 4 2を介して燃料タンク 1の外部に供給される。
かく して、 このように構成される本実施例でも、 前記第 1の実施例と ほぼ同様の作用効果を得ることができ、 フィルタケース 3 3が帯びた静 電気を、 該フィルタケース 3 3の内側壁部 3 3 A、 外側壁部 3 3 Bおよ び底壁部 3 3 Cを介して燃料タンク 1内の燃料中に逃がすことができる。 そして、 特に本実施例では、 燃料ポンプ 9の外周側を取囲むように配 設した燃料フィル夕 3 2の内側壁部 3 3 Aと、 燃料ポンプ 9との間の内 側空間 3 5に下端側から燃料タンク 1内の燃料が出入りするようにした
から、 フィルタケース 3 3と燃料タンク 1内の燃料との間に静電気を逃 がすのに十分な接触面積を確保できる。
さらに、 燃料ポンプ 9の外周側を取囲むように燃料フィルタ 3 2を配 設することで、 両者の間に形成される不要な隙間を大幅に小さくでき、 供給ュニッ ト 3 1をさらにコンパク トに構成することができる。
次に、 図 6は本発明による第 3の実施例を示し、 本実施例の特徴は、 燃料フィルタのフィルタケースに静電気を外部に逃がすためのリ一ド線 を設ける構成としたことにある。 なお、 本実施例では、 前記第 1の実施 例と同一の構成要素に同一の符号を付し、 その説明を省略するものとす る。
図中、 5 1は本実施例による供給ユニッ トを示し、 該供給ユニッ ト 5 1は前記第 1の実施例とほぼ同様に、 燃料ポンプ 9と、 燃料フィル夕 5 2と、 これらが取付けられた後述のュニッ 卜本体 5 5とから構成されて いるものの、 本実施例では、 燃料フィル夕 5 2のフィルタケース 5 3が 後述のリ一ド線 6 1を介してュニッ ト本体 5 5のコネクタ部 6 0に接続 されている。
ここで、 燃料フィル夕 5 2は前紀第 2の実施例とほぼ同様に、 金属等 の導導性材料からなる有底筒状のフィル夕ケース 5 3と、 該フィルタケ ース 5 3内に配設され、 外周側から内周側に向けて燃料を濾過する筒状 のフィルタエレメント 5 4とから構成されている。
5 5は供給ュニッ ト 5 1のュニッ ト本体で、 該ュニッ 卜本体 5 5は前 記第 1の実施例とほぼ同様に、 絶縁性の樹脂材料等からなるペース部 5 6と、 燃料フィル夕 5 2が嵌合されるフィル夕取付部 5 7と、 燃料ボン プ 9の吐出ポート 9 Dとフィル夕エレメント 5 4の外周側とを連通させ る燃料取入口 5 8と、 フィルタエレメント 5 4の内周側に連通する L字 状の燃料供給管部 5 9と、 上端側が燃料タンク 1の上部側から突出し、 下端側に燃料ポンプ 9のリ一ド線 9 Εが接続されたコネクタ部 6 0とを
1 δ
備えている。
6 1は導通部材としてのリード線を示し、 該リード線 6 1は一端側が 例えばスポッ ト溶接または半田付け等の手段により燃料フィル夕 5 2の フィル夕ケース 5 3の外周面に固着された固着部 6 1 Αとなり、 他端側 がユニッ ト本体 5 5のコネクタ部 6 0に向けて延び、 該コネクタ部 6 0 等を介して燃料タンク 1の外部に設けられたアース電極 (図示せず) 等 に接続される。 なお、 燃料タンク 1が金属製の場合には、 リード線 6 1 の他端側を燃料タンク 1の上部側 (例えば、 蓋板 1 A ) に接続する構成 としてもよい。
かくして、 このように構成される本実施例でも、 前記第 1の実施例と ほぼ同様の作用効果を得ることができ、 フィル夕ケース 5 3の静電気を、 リード線 6 1とコネクタ部 6 0等とを介して燃料タンク 1の外部に逃が すことができる力^ 特に本実施例では、 フィル夕ケース 5 3と燃料タン ク 1内の燃料との接触面積を大きくする必要がなくなるから、 燃料フィ ル夕 5 2の外形を小型化でき、 供給ユニッ ト 5 1のコンパク ト化を図る ことができる。
また、 燃料フィル夕 5 2のリード線 6 1 と燃料ボンプ 9のリード線 9 Eとの間でコネクタ部 6 0のアース端子を共用できるから、 従来技術に 対して大きな仕様変更を行うことなく供給ュニッ 卜 5 1を構成できる。 次に、 図 7は本発明による第 4の実施例を示すに、 本実施例では、 前 記第 3の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、 その説明を省略 するものとする。 しかし、 本実施例の特徴は、 燃料フィル夕 7 1のフィ ル夕ケース 7 2にコネクタ係上部 7 3を突出形成し、 ュニッ 卜本体 5 5 のコネクタ部 6 0に接続したリード線 7 4にコネクタ 7 5を設け、 該コ ネクタ 7 5とコネクタ係上部 7 3とを着脱可能に接続する構成としたこ とにある。
かくして、 このように構成される本実施例でも、 前記第 3の実施例と
ほぼ同様の作用効果を得ることができるが、 特に本実施例では、 リード 線 7 4が燃料フィル夕 7 1のフィル夕ケース 7 2に固着されていないか ら、 燃料フィル夕 7 1の交換時には、 コネクタ 7 5をコネクタ係上部 7 3から取外すことにより、 燃料フィル夕 7 1だけを供給ュニッ ト 5 1に 対して簡単に着脱させることができ、 その作業性を確実に向上できると 共に、 燃料フィル夕 7 1の交換コストを低減させることができる。 次に、 図 8は本発明による第 5の実施例を示し、 本実施例では、 前記 第 3の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、 その説明を省略す るものとする。 しかし、 本実施例の特徴は、 燃料フィル夕 5 2のフィル 夕ケース 5 3に導体 8 1を設けたことにある。
ここで、 導体 8 1は例えば金属、 導電性樹脂等により棒状またはワイ ャ状に形成され、 一端側が例えば接着、 溶着または半田付け等の手段に よりフィル夕ケース 5 3の外側面に取付けられている。 そして、 導体 8 1は他端側が燃料タンク 1の底部 1 C側近傍に向けて垂下され、 フィル 夕ケース 5 3が帯びた静電気を周囲の燃料中に逃がすための導通部材を 構成している。
かくして、 このように構成される本実施例でも、 前記 1および第 3の 実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができ、 フィル夕ケース 5 3が 帯びた静電気をその外側面と導体 8 1 とを介して周囲の燃料中に逃がす ことができ、 特に、 燃料タンク 1内の底部 1 C側に水分等が溜っている 場合には、 フィル夕ケース 5 3の静電気を導体 8 1の先端側からこの水 分中に効率よく逃がすことができる。
次に、 図 9は本発明による第 6の実施例を示し、 本実施例では、 前記 第 3の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、 その説明を省略す るものとする。 しかし、 本実施例の特徴は、 燃料タンク 9 1の底部 9 1
C側に導体 9 2を介して燃料フィルタ 5 2のフィルタケース 5 3を接続 したことにある。
ここで、 燃料タンク 9 1は、 例えば金属または導電性樹脂等により形 成され、 その底部 9 1 C等は導電性を有している。 また、 導体 9 2は例 えば金属、 導電性樹脂等により柔軟性を有するワイヤとして形成され、 一端側が例えば接着、 溶着または半田付け等の手段によりフィルタケ一 ス 5 3の外側面に取付けられている。 そして、 導体 9 2は他端側が燃料 タンク 9 1の底部 9 1 C側に接触し、 フィル夕ケース 5 3が帯びた静電 気を燃料タンク 9 1側に逃がすための導通部材を構成している。
かく して、 このように構成される本実施例でも、 前記第 3の実施例と ほぼ同様の作用効果を得ることができ、 例えば金属製の燃料タンク 9 1 を用いる場合には、 フィルタケース 5 3が帯びた静電気を導体 9 2から 燃料タンク 9 1を介して外部のアース等に逃がすことができる。
次に、 図 1 0は本発明による第 7の実施例を示し、 本実施例では、 前 記第 1および第 3の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、 その 説明を省略するものとする。 しかし、 本実施例の特徴は、 リターン配管 1 0 1の流出口 1 0 1 Aから燃料タンク 1内に戻される燃料が燃料フィ ルタ 5 2のフィルタケース 5 3に接液する構成としたことにある。
ここで、 リターン配管 1 0 1は前記第 1の実施例のリターン配管 7に 替えて用いられ、 一端側が圧力レギユレ一夕 6に接続されている。 また、 リターン配管 1 0 1の他端側は燃料タンク 1内で L字状に屈曲し、 燃料 フィル夕 5 2のフィル夕ケース 5 3の外側面に向けて開口する流出口 1 0 1 Aとなっている。
そして、 圧力レギユレ一夕 6からリターン配管 1 () 1を介して燃料夕 ンク 1内に戻される燃料は、 図 1 0中の矢示 Aに示す如く流出口 1 0 1 Aから噴出するときにフィル夕ケース 5 3の外側面に接液し、 これによ りフィルタケース 5 3が帯びた静電気は接液した燃料を介して燃料タン ク 1内の燃料中に放電される。
かく して、 このように構成される本実施例でも、 前記第 1および第 3
の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、 特に本実施例で は、 燃料タンク 1内の液面レベルが比較的低い状態でも、 リターン配管 1 0 1から戻される燃料を介してフィルタケース 5 3の静電気を燃料夕 ンク 1内の燃料中に逃がすことができる。
なお、 前記第 3の実施例では、 リード線 6 1の一端側を固着部 6 1 A を介して燃料フィル夕 5 2のフィル夕ケース 5 3に固着する構成とした が、 この場合、 リード線 6 ] の他端側を、 例えば前記第 4の実施例のコ ネク夕 7 5と同様のコネクタ等によりユニッ ト本体 5 5のコネクタ部 6 0に対して着脱可能に接続する構成としてもよい。
以上詳述した通り、 請求項 1に記載の発明によれば、 導電性のフィル 夕ケースと、 フィル夕エレメン卜とからなる燃料フィル夕を燃料タンク 内に設け、 フィル夕ケースの内側壁部と外側壁部とを燃料タンク内の燃 料にそれぞれ接触させる構成としたから、 フィルタケースと燃料タンク 内の燃料とを内側壁部および外側壁部を介して十分に大きな面積で互い に接触させることができ、 燃料タンク内の燃料が僅かに有する導電性を 利用してフィル夕ケースに帯電した静電気を少なくとも内側壁部および 外側壁部から燃料中に効率よく逃がすことができる。 従って、 フィル夕 ケースに静電気が蓄えられるのを防止でき、 当該燃料供給装置の信頼性 を向上させることができる。
また、 請求項 2に記載の発明によれば、' フィル夕ケースをフィルタエ レメン卜と共に横断面が略 U字状をなすように形成し、 燃料ポンプの外 周側と対向する位置でフィル夕ケースの内側壁部内に燃料が流通するの を許す構成としたから、 フィル夕ケースの外側壁部と内側壁部とを略 U 字状に湾曲させて形成でき、 これらの表面積を確実に大きくすることが できる。 そして、 フィル夕ケースと燃料ポンプとを一体的に組付けた状 態で、 フィル夕ケースと燃料タンク内の燃料との間に静電気を逃がすの に十分な接触面積を確保でき、 当該燃料供給装置の信頼性を向上させる
ことができる。 また、 長手方向中間部が屈曲した略 U字状の燃料フィル 夕の両端側を燃料ポンプの外周側と対向するように配設でき、 両者の間 に形成される不要な隙間を小さくできると共に、 燃料ポンプと燃料フィ ル夕とをコンパク 卜に一体組付けすることができる。
さらに、 請求項 3に記載の発明によれば、 フィルタケースを二重の筒 体として形成し、 内側壁部が燃料ポンプの外周側を隙間をもって取囲む 構成としたから、 フィルタケースの内側壁部と外側壁部とを燃料ポンプ よりも大きな筒径をもって形成することにより、 その表面積を確実に大 きくすることができる。 そして、 フィル夕ケースと燃料ポンプとを一体 的に組付けた状態で、 フィル夕ケースと燃料タンク内の燃料との間に静 電気を逃がすのに十分な接触面積を確保でき、 当該燃料装置の信頼性を 向上させることができる。 また、 燃料ポンプの外周側を取囲むように燃 料フィルタを配設でき、 両者の間に形成される不要な隙間を大幅に小さ くできると共に、 燃料ポンプと燃料フィル夕とをさらにコンパク 卜に一 体組付けすることができる。
一方、 請求項 4に記載の発明によれば、 導電性のフィル夕ケースと、 フィル夕エレメン卜とからなる燃料フィル夕を燃料タンク内に設け、 静 電気を外部に逃がすための導通部材をフィルタケースに設ける構成とし たから、 フィル夕ケースに帯電した静電気を導通部材を介して外部のァ ース等に逃がすことができ、 従来技術に対して大きな仕様変更を行うこ となく当該燃料供給装置の信頼性を向上させることができる。
そして、 請求項 5に記載の発明によれば、 フィル夕ケースに帯電する 静電気をリ一ド線により燃料タンクの上部側に逃がす構成としたから、 フィル夕ケースの静電気をリ一ド線から燃料タンクの上部側を介して外 部のアース等に安定して逃がすことができ、 フィル夕ケースが帯電状態 に保持されるのを防止することができる。
また、 請求項 6に記載の発明によれば、 導通部材を、 フィルタケ一ス
の外側面から燃料タンクの底部側近傍に向けて垂下された導体によって 構成したから、 フィル夕ケースが帯びた静電気をその外側面と導体とを 介して周囲の燃料中に逃がすことができ、 特に、 燃料タンク内の底部側 に水分等が溜っている場合には、 フィルタケースの静電気を導体の先端 側からこの水分中に効率よく逃がすことができる。
さらに、 請求項 7の発明によれば、 フィルタケースの外側面と燃料夕 ンクの底部側とを導体により接続する構成としたから、 例えば金属製の 燃料タンクを用いる場合には、 フィルタケースが帯びた静電気を導体か ら燃料タンクを介して外部のアース等に逃がすことができる。
一方、 請求項 8に記載の発明によれば、 リターン配管を介して燃料タ ンク内に戻される燃料がフィル夕ケースの外側面に接液する構成とした から、 この燃料を介してフィル夕ケースが帯びた静電気を燃料タンク内 の燃料中に逃がすことができる。 産業上の利用分野
以上のように、 本発明にかかる燃料供給装置は、 自動車や船舶等のェ ンジン本体に燃料タンク内の燃料を供給する装置に広く適用することが できる。