明細書 画像表示装置 技術分野
本発明は、 虚像を表示する画像表示装置に関する ものであ り 、 特に 車両等に使用されるへッ ドア ッ プディ スプレイ装置と して使用される 画像表示装置に関する ものである。 背景技術
例えば、 車両の運転状況等を表示する装置と して、 メ ータ等の画像 をウ イ ン ド シ ール ドに投射し、 こ の ウ イ ン ド シール ドで反射 した画像 を運転者の目に入射させる こ と によ り、 ウ ィ ン ドシール ドの外側前方 にその像を結像させ、 運転者が目をそ らさずにメ ータ等を視認する こ とができ るへッ ドア ッ プディ スプレイ装置が知られている。
し力、 しな力く ら、 ウ ィ ン ド シール ドへの表示は、 ウ ィ ン ド シ ール ド 自 体が縦方向と横方向とが異なっ た曲率を有する曲面であるだけでな く 、 表示光に対 して常に垂直にな っている と は限らないため、 虚像に歪 みを生じていた。
さ らには、 装置の小型化を図るため、 小型の表示画像形成手段であ る表示器とする必要があるため、 表示器からの表示光を拡大させる必 要がある。
そのため、 例えば、 特開平 4 — 1 1 5 2 5 号公報には、 ウ ィ ン ドシ ール ドの曲面形状によ つて生じる像の歪みを補正するための レ ンズを 設ける と と もに、 表示器からの表示像を拡大させる レ ンズを別体に設 ける こ とが開示されている。
し力、 しな力くら、 こ のよ う に レ ンズを別体に設けるよ う な構成では全 体の構成が大型化して しま う だけでな く 、 表示光が レ ンズを何度も通
過する こ と によ る像の歪みだけでな く 表示像の色調の鮮明さが失って しま う と いう 問題が生 じて しま う。
そ こで、 本発明は、 上記の点に鑑みてなされた もので、 単一の部材 であ り ながら、 像の拡大を行う と と もに、 歪みがな く かつ色調の明瞭 な像を提供する こ と のでき る画像表示装置を提供する こ とを目的とす る。 ' 発明の開示
即ち、 本発明では、 表示画像を形成する表示画像形成手段と、 該表 示画像形成手段から出射された表示光を反射させた後、 前記表示画像 を結像させる表示手段とを有する画像表示装置において、 前記表示画 像形成手段と前記表示手段との間に設け られ、 前記表示画像形成手段 からの前記表示光を拡大させる拡大機能と、 この拡大機能によ って拡 大された前記表示光を前記表示手段に入射させる光路変更機能と、 前 記表示手段によって結像された前記表示画像の歪みを補正する補正機 能と を同時に有する部材よ り なる反射手段とからなる画像表示装置を 提供する ものである。 図面の簡単な説明
第 1 図は本発明の第 1 実施例を示すへッ ドア ッ プディ スプレイ装 置の断面概略構成図、 第 2 図はホログラム 3 の露光時の光学系を示す 説明図、 第 3 図は軸外 し放物面凹面鏡 1 4 の軸外し角 0 を示す説明図 、 第 4 図は第 2 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ装置の断面概略構 成図、 第 5 図は第 3 実施例におけるホログラムの露光時の光学系を示 す説明図、 第 6 図はシ リ ン ド リ カルレ ンズ 1 5 の各方向の焦点距離を 示す説明図、 第 7 図は第 3 実施例と第 2 比較例における表示像を視認 した際の像の歪量を示すグラ フ、 第 8 図は第 3 実施例の画像表示装置 の模式斜視図、 第 9 図は第 8 図の装置の ト ロイ ダル凹面鏡の斜視図、
第 1 0 図は第 9 図の A — A線矢視断面図、 第 1 1 図は第 9 図の B — B 線矢視断面図、 第 1 2 図は第 8 図の表示器の一部破断斜視図、 第 1 3 図は第 8 図の角度調整機構の斜視図、 第 1 4 図は第 8 図の角度調整機 構の平面図、 第 1 5 図は第 8 図の装置の上下視差解消作用を示す説明 図、 第 1 6 図は ト ロイ ダル凹面鏡の製造方法の一例を示す断面図、 第 1 7 図は ト ロイ ダル凹面鏡の製造方法の一例を示す断面図、 第 1 8 図 は ト ロイ ダル凹面鏡の製造方法の一例を示す断面図、 第 1 9 図は ト ロ ィ ダル凹面鏡の製造方法の一例を示す断面図、 第 2 0 図は従来の装置 の上下視差発生作用を示す説明図、 第 2 1 図はホログラム光学素子に おける光軸の傾きを示す説明図、 第 2 2 図は第 5 実施例の画像表示装 置の概略説明図、 第 2 3 図は第 5 実施例のホログラム光学素子の作用 説明図、 第 2 4 図は第 6 実施例のホロ グラム乾板に干渉縞を記録する 方法を示す説明図、 第 2 5 図は第 6 実施例の凹型シ リ ン ド リ カルレ ン ズの斜視図 ( a ) 及び断面図 ( b ) 、 第 2 6 図は第 6 実施例の凸型シ リ ン ド リ カルレ ンズの斜視図 ( a ) 及び断面図 ( b ) 、 第 2 7 図は第 7 実施例のホログラム乾板に干渉縞を記録する方法を示す説明図、 第 2 8 図は第 7 実施例の凸型球面レ ンズの斜視図 ( a ) 及び断面図 ( b ) 、 第 2 9 図は第 7 実施例の凹型球面レ ンズの斜視図 ( a ) 及び断面 図 ( b ) 、 第 3 0 図は第 8 実施例のホロ グラム乾板に干渉縞を記録す る方法を示す説明図、 第 3 1 図は第 9 実施例のへッ ドア ッ プディ スプ レイ装置の構成図、 第 3 2 図は第 9 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレ ィ装置のホロ グラムの色分散 (分散角 Δ 0 ) の説明図、 第 3 3 図は第 9 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ装置のホログラムの回折の波長 特性、 第 3 4 図は第 9 実施例のへ ッ ドア ッ プディ スプレイ装置のホロ グラ ムの露光工程の説明図、 第 3 5 図は第 1 0 実施例のへッ ドア ッ プ ディ スプレイ装置の表示像の官能検査の分布図、 第 3 6 図は第 1 1 実 施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ装置の表示像の他の官能検査の分布 図、 第 3 7 図は第 1 2 実施例のへッ ドア ッ プディ スプ レイ装置の表示
像の も う 1 つの官能検査の分布図、 第 3 8 図は多色ホロ グラムの回折 の波長特性を示す特性図、 第 3 9 図は実施例のへッ ドア ッ プディ ス プ レイ装置のホ ロ グラ ムの他の露光工程の説明図、 第 4 0 図は第 1 3 実 施例のへッ ドア ッ プディ スプ レ イ の構成図、 第 4 1 図は第 1 3 実施例 のディ スプレイ装置における補正用ホ ロ グラ ムの説明図、 第 4 2 図は 第 1 3 実施例におけるへッ ドア ッ プディ スプレイの構成図、 第 4 3 図 は第 1 3 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイのウィ ン ドシール ドへの ホロ グラムの保持状態の断面図、 第 4 4 図は第 1 3 実施例におけるホ ログラ ムの露光工程の説明図、 第 4 5 図は第 1 5 実施例の画像表示装 置の構成図、 第 4 6 図は第 1 9 実施例の画像表示装置の構成図、 第 4 7 図は第 2 0 実施例の画像表示装置の構成図、 第 4 8 図は第 2 1 実施 例の画像表示装置の構成図、 第 4 9 図は第 2 2 実施例の画像表示装置 の構成図、 第 5 0 図は第 2 2 実施例のメ イ ンホ ロ グラ ムの露光工程説 明図、 第 5 1 図は第 2 2 実施例のメ イ ンホロ グラムの再生光路説明図 、 第 5 2 図は第 2 2 実施例のサブホログラムの露光工程説明図、 第 5 3 図は第 2 2 実施例に対する従来のへッ ドア ッ プディ スプレイのホロ グラムによる色収差補正作用の説明図、 第 5 4 図は第 2 2 実施例に対 する従来のへッ ドア ッ プディ スプ レ イ の色収差の説明図、 第 5 5 図は 第 2 4 実施例の画像表示装置の構成図、 第 5 6 図は第 2 5 実施例の車 両用へッ ドア ッ プ式ホ ロ グラ ム表示装置の模式側面図、 第 5 7 図は第 5 6 図の装置の作動を示す模式斜視図、 第 5 8 図は第 5 6 図のホロ グラ ム板の断面図、 第 5 9 図は第 5 8 図のホロ グラム素子の感光工程を示す 断面図、 第 6 0 図は第 5 8 図の反射防止膜の反射率 -波長特性図、 第 6 1 図は第 2 5 実施例におけるホロ グラム素子の回折スぺク トルと光源の 発光スぺク ト ルと のスぺ ク トル図、 第 6 2 図は第 2 6 実施例の回折スぺ ク ト ルと光源スぺ ク トルとを示すスペ ク ト ル図、 第 6 3 図は第 2 6 実施 例に用いる色フ ィ ルタ の透過スぺ ク ト ル図である。
発明を実施するための最良の形態
(第 1 実施例)
第 1 図は、 本発明をへッ ドア ッ プディ スプレイ装置に適用 した一実 施例を示す概略構成図である。
このへッ ドア ッ プディ スプレイ装置は、 メ ータ等の画像をウ イ ン ド シール ドに投射し、 ウ イ ン ド シール ドで反射した画像を運転者の目 に 入射させる こ と によ り、 ウ イ ン ドシール ドの外側前方にその像を結像 させる ものである。 そのため、 運転者は目をそ らすこ とな く メ ータ等 の視認を行う こ とができ る装置である。
こ こで、 1 はヘッ ドア ッ プディ スプレイの本体部であり、 自動車の ィ ンス ト ルメ ン ト パネルの内部に取付け られる。 箱形ケー ス状に形成 された本体部 1 内には、 表示画像形成手段である液晶ディ スプレイか らなる表示器 2 が取付け られ、 図示しない表示制御回路の動作によ り 表示器 2 には表示画像である 自動車の速度画像、 ゥオーニング画像等 が表示される。
また、 表示器 2 から放射される表示画像の表示光を受ける位置に、 反射手段であるホログラム 3 が傾斜して取付け られる。
このホログラム 3 には、 後で詳述するが、 表示器 2 から放射される 表示光の光路を変更させる光路変更機能、 表示器 2 からの表示光を拡 犬させる拡大機能および表示像の歪みを補正する補正機能を有する。
そ して、 本体部 1 の上部には、 ホロ グラム 3 の光路変更機能によ つ て反射された光が放出される開口部 1 a が形成され、 ホログラム 3 で 反射された光は、 上方に進み、 上方に位置する表示手段である ウ イ ン ドシール ド 5 の内側で反射され、 表示光を結像させた表示画像が運転 者の目に入射するよ う に、 本体部 1 等の位置が設定される。
コ ン ノ <イ ナとなる ウ イ ン ドシール ド 5 の内側には、 酸化チタ ン等の 蒸着膜が半透過性の反射膜と して付着されが、.蒸着膜を付着せずにそ のガラ ス面上に反射面をつ く るよ う に して もよい。
こ こ で使用されるホロ グラム 3 は、 特定波長の光で露光する こ と に よ り、 特定波長の光のみを反射する光反射特性を有する共に、 軸外し 放物面凹面鏡をそ こに記録して製作されている。
ホロ グラム 3 は、 第 2 図に示すよ う な光学系を使用 して露光され製 作される。 3 a はホログラム乾板であ り、 ソーダガラス等の基材上に 感光剤となる重ク ロム酸ゼラ チ ンを約 2 0 mの厚さ に付着し乾燥し て形成される。 ホログラム乾板 3 a の両側には第 2 図に示すよ う に、 屈折率調整液 1 0 を介 して反射防止膜付きガラ ス 1 1 が挟むよ う に密 着され、 このよ う な状態のホロ グラム乾板 3 a は、 その両側から、 同 一波長の平行光と参照光によ り露光するよ う に、 光学系の一部に配置 される。
光源には例えば波長 5 1 4 . 5 n mの レーザ光が使用され、 図示し ない レーザ発振器から放出された レーザ光が、 参照用の レ ンズ 1 2 を 通り、 参照光と してホロ グラム乾板 3 a の一方の側に入射するよ う に 光学系が配置される。 また、 ホロ グラ ム 3 a の他方の側には、 斜め前 方に、 軸外し放物面凹面鏡 1 4 が配置され、 同 じ レーザ発振器から放 射された レーザ光の一部が、 レ ンズ 1 3 を通 して軸外 し放物面凹面鏡 1 4 に照射され、 軸外し放物面凹面鏡 1 4 で反射された平行光がホロ グラム乾板 3 a に入射するよ う に構成される。
軸外し放物面凹面鏡 1 4 は、 第 3 図の如 く 、 例えば、 y = x 2 / 4 f の放物線をその y軸の回りで回転させた際に生じる放物面の軸外 し部分を有する凹面鏡であ り、 その軸外し角は 6> (例えば 6 7 ° ) 、 その焦点距離は f とする。
そ して、 第 2 図に示すよ う に、 ホロ グラム乾板 3 aへの参照光と平 行光との入射角は、 軸外し放物面凹面鏡 1 4 の軸外 し角 0 の 1 / 2 に 設定される。
こ のよ う な光学系を使用 して、 ホロ グラム乾板 3 a を平行光と参照 光によ り露光し、 所定の現像 · 定着処理を施 してホログラム 3 が製作
される。 この、 ホロ グラム 3 には軸外 し放物面凹面鏡が干渉縞と して 記録される。
こ のよ う に製作されたホログラム 3 は、 表面における散乱や反射を 防止し、 ホロ グラム層の劣化を防ぐために、 その表裏から シール剤を 介 してエポキシ系樹脂のカバープレー トをサン ドィ ツ チ状に密着させ 、 表裏のカバープレー トの表面に反射防止膜と散乱防止膜を形成して 完成する。 そ して、 第 1 図に示すよ う に、 へッ ドア ッ プディ スプレイ 装置の本体部 1 の内部に、 上記ホログラム 3 が表示器 2 の光軸に対し 角度 0 (ホログラムに記憶された軸外 し放物面凹面鏡の軸外 し角) で 取り付け られる。
こ のよ う に構成されたへッ ドア ッ プディ スプレイ装置では、 第 1 図 に示すよ う に、 表示器 2 から放射された表示画像である速度画像ゃゥ オーニング画像の表示光が、 本体部 1 内のホログラム 3 に入射し、 ホ ロ グラム 3 で回折し反射される。 そ して、 表示光の特定波長の光が開 口部 1 a から上方に進み、 ウ イ ン ドシ一ル ド 5 の内側で反射され、 表 示光が結像する こ と によ って表示画像と して運転者の目に入射する。 こ のため、 運転者の目には、 表示器 2 に表示された表示画像と しての 速度画像がウ イ ン ドシール ド 5 の前方に投影された像と して視認され る。 このと き、 第 1 図に示すよ う に、 ホロ グラム 3 に記録された軸外 し放物面凹面鏡の焦点 F は表示器 2 よ り後方に位置 し、 焦点 F と ホロ グラム 3 の中心部との距離が焦点距離 f となる。 そ して、 表示器 2 と ホロ グラム 3 の距離を a 、 ホログラム 3 の裏側に生じる表示像の虚像 B とホロ グラム 3 の中央部との距離 b、 ウ イ ン ドシ一ル ドの曲率を G とする と、 l Z b = ( 1 / a ) - ( 1 / f ) の式が成立する。 また、 ウ イ ン ドシール ドの反射点と表示像との距離を c 、 ホロ グラム 3 と ゥ イ ン ド シール ドの反射点との距離を d とする と、 l Z c = l ノ ( b + d ) 一 ( 1 / G ) 、 及び、 拡大率 m = b · c / a ( b + d ) の式が成 立 し、 表示像の拡大率 mを 1 よ り大き く する こ と によ り 、 拡大像が表
示される。
上記のよ う に、 ホロ グラム 3 には軸外し放物面凹面鏡が記録され、 ホロ グラム 3 が、 表示器 2 側の入射光軸と ウ イ ン ドシール ド側の出射 光軸との角度を、 軸外 し放物面凹面鏡の軸外し角 0 とするよ う に配置 されるため、 虚像 B と して結像する表示像に収差は生じず、 運転者は 歪やボケのない表示画像を視認する こ とができ る。
したがって、 拡大率を高く して拡大表示を行っても歪のない表示画 像を得る こ とができ、 高い拡大率での拡大表示が可能となる。 そのた め、 所定の大き さの表示像を表示する場合、 表示器の表示面の大き さ をよ り小形にする こ と ができ 、 また表示器とホログラムの距離 a も短 く する こ と がで き る。
なお、 第 1 実施例では、 露光時に二光束を作り、 ホログラム乾板の 両側から平行光と参照光を入射させる二光束法によ り ホロ グラムに凹 面鏡を記録したが、 ホロ グラム乾板の裏面に凹形状を有する反射板を 当て、 表面側からのみ光を入射させ、 表面からの直接光と裏面からの 反射光によ り露光する一光束法で凹面鏡を記録する こ と もでき る。
また、 上記実施例では、 凹形状を有する反射板を用いたが、 凸形状 の反射板を採用する こ と によ っ て、 凸面鏡を記録してもよい。
また、 二光束で作成したホログラムをマスタ ーと して複写してもよ い。
(第 2 実施例)
第 4 図は第 2 実施例の概略構成図を示す。
こ こでは、 上記ホロ グラム 3 の代り に軸外し放物面凹面鏡 1 5 がそ のま ま使用される。 即ち、 箱形ケース状に形成された本体部 1 内の右 端に、 液晶ディ スプレイ等からなる表示画像形成手段である表示器 2 が取付け られ、 本体部 1 内の左端には、 表示器 2 から放射される表示 光を受ける位置に反射手段である軸外し放物面凹面鏡 1 5 が傾斜して 取付け られる。
本体部 1 の上部には、 軸外 し放物面凹面鏡 1 5 で反射された表示光 が放出される開口部 1 aが形成され、 軸外 し放物面凹面鏡 1 5 で反射 された光は、 上方に進み、 上方に位置する表示手段である ウ イ ン ド シ 一ル ド 5 の内側で反射され、 運転者の目に入射する。
こ の軸外し放物面凹面鏡 1 5 は、 上記軸外し放物面凹面鏡 1 4 と同 様に、 例えば、 y = x 2 / 4 f の放物線をその y軸の回りで回転さ せた際に生じる放物面の軸外 し部分を有する凹面鏡であ り、 その軸外 し角は 0 (例えば 6 7 ° ) 、 その焦点距離は f である。 そ して、 軸外 し放物面凹面鏡 1 5 は、 表示器 2 側の入射光軸と ウ ィ ン ドシール ド側 の出射光軸との角度を、 その軸外し角 Θ とするよ う に本体部 1 内に設 置される。
このよ う なへッ ドア ッ プディ スプレイ装置では、 第 4 図に示すよ う に、 表示器 2 から放射された画像表示である速度画像やゥオーニング 画像の表示光が、 本体部 1 内の軸外 し放物面凹面鏡 1 5 に入射し、 軸 外 し放物面凹面鏡 1 5 で反射された光が開口部 1 aから上方に進み、 ウ イ ン ドシール ド 5 の内側で反射され、 運転者の目に入射する。
そ して、 第 1 実施例と同様に、 運転者の目には、 表示器 2 に表示さ れた速度画像がウ イ ン ドシール ド 5 の前方に投影された像と して視認 される。 また、 軸外し放物面凹面鏡 1 5 が使用され、 その入射光軸と 出射光軸との角度を、 その軸外し角 0 とするよ う に配置されるため、 第 1 実施例と同様に、 虚像 B と して結像する表示像に収差は生じず、 運転者は歪やボケのない表示像を明確に視認する こ とができ る。
表 1 は、 第 1 および第 2 実施例の効果を確認するために実施した実 験例の結果を示 している。 第 1 実施例は、 焦点距離 f を 5 0 0 mm , 4 0 0 mm . 2 6 0 mmと して 3 種の軸外 し放物面凹面鏡を各々記録 したホ ログラムを使用 し、 第 2 実施例は、 焦点距離 f を 5 0 0 龍、 4 0 0 mm 、 2 6 0 mmと して 3 種の軸外し放物面凹面鏡をそのま ま使用 し、 そ し て、 第 1 比較例は、 従来の球面凹面鏡を使用 した場合である。
各々の装置について、 拡大率を徐々 に上げながら表示を行い、 表示 された表示像に歪 (ボケ) が生 じない最大拡大率を、 官能評価によ り 求めた。
表 1
焦点距離 f 歪を生じない最大拡大率
(mm)
c Π Π (倍)
SD U υ · b 施
* Α Π U Π U · D 例
7 R η ム * Λ
· U 施
A *r n VJ n U . o 例
2 £-i RJ n ^ ·
500 1. 4 比 較 400 1. 4 例
260 1. 2
こ の表 1 の実験結果から、 軸外 し放物面凹面鏡を記録したホログラ ムを反射手段と して採用 した場合 (第 1 実施例) 及び軸外 し放物面凹 面鏡をそのま ま表示光の反射部に使用 した場合 (第 2 実施例) は、 従 来の球面凹面鏡を用いた場合 (第 1 比較例) に比べ、 約 2 倍から 2 . 5倍の拡大率で、 歪 (ボケ) を生じずに表示でき る こ とがわかる。 なお、 第 1 および第 2 実施例では、 凹面鏡と して軸外 し放物面凹面 鏡を使用 したが、 軸外 し楕円凹面鏡、 ト ロイ ダル凹面鏡等、 収差の少 ない他の非球面凹面鏡を使用する こ と もでき る。
さ らに、 本装置の本体部 1 は、 必ずし も ウ イ ン ドシール ドのコ ンパ イ ナの真下に位置させて画像を真上に放射する必要はな く 、 本体部 1 をコ ンバイ ナの真下から外れた位置に多少傾けて設置する こ と もでき る。
上記第 1 および第 2 実施例においては、 表示画像形成手段である表 示器と して、 液晶ディ スプレイを採用 したが、 本発明は液晶ディ スプ レイ に限定される ものではな く 、 例えば E L表示器、 C R T等からな る表示画像形成手段であ つてもよい。
(第 3 実施例)
第 3 実施例においては、 第 1 実施例のホロ グラム 3 と は異な り、 さ らに表示画像の歪みを補正する補正機能の優れたホログラム 2 0 を提 供し、 他の構成要件は第 1 図と同一と した。
こ こで使用されるホログラム 2 0 は、 特定波長の光で露光する こ と によ り、 特定波長の光のみを反射する光反射特性を有すると共に、 軸 はずし凹面鏡のよ う な収差の少ない凹面鏡を記録してある。 さ らに第 3 実施例のホログラム 2 0 においては、 ウ イ ン ドシール ド 5 の内側の 曲率 ( 1 Z半径) に応 じて凹面鏡の縦方向と横方向の焦点距離 (拡大 率) を相違させるよ う に製作されている。
こ の よ う に、 第 3 実施例のホロ グラム 2 0 は、 収差のない凹面鏡が 記録されているため、 光路変更機能および拡大機能を有するだけでな
く 、 凹面鏡の縦方向と横方向の焦点距離 (拡大率) を相違させる よ う に形成されているため、 補正機能をも同時に有する ものである。
次に第 3 実施例のホログラムの製作方法について述べる。
ホログラ ム 2 0 は、 第 5 図に示すよ う な光学系を使用 して露光され 製作される。
2 0 a はホログラム乾板であ り、 ソーダガラス等の基材上に感光剤 となる重ク ロ ム酸ゼラ チ ンを約 2 0 mの厚さ に付着し乾燥して形成 される。 ホロ グラム乾板 2 0 a の両側には第 5 図に示すよ う に、 屈折 率調整液 1 0 を介して反射防止膜付き ガラス 1 1 が挟むよ う に密着さ れる。 そ して、 このよ う な状態のホロ グラム乾板 2 0 a は、 その両側 から、 同一波長の平行光と発散光によ り露光するよ う に、 光学系の一 部に配置される。
光源には例えば波長 5 1 4 . 5 mの レーザ光が使用され、 図示 し ない レーザ発振器から放出された レーザ光が、 参照用の レ ンズ 1 2 と 焦点距離調整用のシ リ ン ド リ カルレ ンズ 1 5 を通り、 参照光と してホ ロ グラム乾板 2 0 a の一方の側に入射するよ う に光学系が配置される 。 また、 ホログラム 2 0 a の他方の側には、 斜め前方に、 軸外 し放 物面凹面鏡 1 4 が配置され、 同 じ レーザ発振器から放射された レーザ 光の一部が、 レ ンズ 1 3 を通 して凹面鏡 1 4 に照射され、 凹面鏡 1 4 で反射された平行光がホログラム乾板 2 0 a に入射するよ う に構成さ れる。
なお、 第 5 図に示すよ う に、 ホログラム乾板 2 0 aへの参照光と平 行光との入射角 0 は、 ホロ グラム 2 0 をへッ ドア ッ プディ スプレイ に 実際に使用 した際の再生角度に合せるために、 例えば 0 = 3 3 . - 5 ° に設定される。
ま た、 こ こ で シ リ ン ド リ カ ル レ ン ズ 2 2 は、 ウ ィ ン ド シ ー ノレ ド 5 の 曲率によ る表示像の拡大歪を打ち消すよ う に、 発散光側の光学系の一 部に挿入されるが、 ウ イ ン ドシール ド 5 の曲率はその縦方向と横方向
とでは相違する。 このため、 第 6 図に示すよ う に、 シ リ ン ド リ カルレ ンズ 2 2 は、 その レ ンズ 2 2 の平面上での横方向の焦点距離 f y を例 えば 4 0 0 mm , 立面上での縦方向の焦点距離 f xを例えば 4 5 0 mmと するよ う に形成され、 第 5 図のよ う に、 レ ンズ 1 2 とホログラム乾板 2 0 a 間に配置される。
第 5 図に示すよ う な光学系を使用 して、 ホログラム乾板 2 0 a を参 照光と平行光によ り露光し、 所定の現像 · 定着処理を施してホログラ ム 2 0 が製作され、 ホロ グラム 2 0 に凹面鏡 1 4 が干渉縞と して記録 され、 その凹面鏡 1 4 の縦方向と横方向の焦点距離 f X , f yがウ イ ン ドシール ド 5 の曲率に応 じて補正された状態で記録される。
こ のよ う に製作されたホログラム 2 0 は、 表面における散乱や反射 を防止し、 ホログラム層の劣化を防ぐために、 その表裏から シール剤 を介 してエポキシ系樹脂のカバープレー トをサン ドィ ツチ状に密着さ せ、 表裏のカバープ レー ト の表面に反射防止膜と散乱防止膜を形成し て完成する。 そ して、 第 1 図に示すよ う に、 へッ ドア ッ プディ スプレ ィ装置の本体部 1 の内部に、 第 3 実施例のホログラム 2 0 が表示器 2 の光軸に対し所定の角度 0 ( 3 3 . 5 ° ) で取着される こ と になる。
このよ う に構成されたへッ ドア ッ プディ スプレイ装置では、 第 1 図 に示すよ う に、 表示器 2 から放射された表示画像である速度画像ゃゥ オ ーニング画像の光が表示光と して出射され、 本体部 1 内のホロ ダラ ム 2 0 に入射する。 この表示光は、 ホログラム 2 0 で回折し反射され た特定波長の光が開口部 1 a から上方に進み、 ウ ィ ン ドシール ド 5 の 内側で再び反射される。 そ して、 反射された表示光が結像される こ と によ って、 表示画像と して運転者の目に入射する。
こ のため、 運転者の目には、 表示器 2 に表示された速度画像がウ イ ン ドシール ド 5 の前方に投影された像と して視認される。 こ の と き、 第 1 図に示すよ う に、 ホログラム 2 0 に記録された凹面鏡の焦点 F は 表示器 2 よ り後方に位置する。 そのため、 表示画像の焦点距離 f が表
示器 2 と ホロ グラム 2 0 の距離 a よ り長 く なる。 そのため、 ホログラ ム 2 0 の裏側に表示画像の虚像 Bが生じている と仮定する と、 虚像 B と ホログラム 2 0 の距離 bが距離 a よ り長 く なるため、 表示像の拡大 率 m ( m = b / a ) が 1 を越え、 拡大された像がウ ィ ン ド シール ド 5 に表示する こ とができ る。
上記のよ う に、 ホロ グラム 2 0 に記録された凹面鏡は、 その記録の 際、 縦方向の焦点距離 f yを 4 0 0 mm , 横方向の焦点距離 f xを 4 5 0 mmとするよ う に、 縦方向と横方向で焦点距離の相違する シ リ ン ド リ カルレ ンズ 2 2 を通 して発散光をホロ グラム乾板 2 0 a に入射させて 記録されるため、 ホロ グラム 2 0 から回折し反射された表示像がウ イ ン ド シール ド 5 の内側で反射される際、 ウ イ ン ド シ一ル ド 5 の横方向 の曲率によ り像に生じる歪が補正される。 こ のため、 運転者は歪ゃボ ケのない表示画像を視認する こ とができ、 特に運転者の視線がホロ グ ラ ムの周縁部に移動したと きでも、 歪やボケの生じない拡大表示を行 う こ とができ る。
第 7 図は、 第 3 実施例のへッ ドア ッ プデ ィ ス プ レ イ装置を使用 して 表示 した際の表示画像の歪量と、 第 2 比較例と してホロ グラムの記録 時に捕正を行わない通常の参照光をホロ グラム乾板に入射させて製作 したホロ グラムを使用 した場合の表示画像の歪量を示している。
第 1 比較例と第 3 実施例の両装置には、 共に、 縦 1 3 mm , 横 3 0 mm の表示面を持つ表示器を使用 し、 縦 5 0 mm , 横 1 1 0 mmの大き さのホ ロ グラムを取付け、 表示器と ホログラムの距離を 2 5 0 mm、 ホロ グラ ムと ウ イ ン ドシール ドの距離を 1 4 0 mm , ウ イ ン ドシ一ル ドと観察者 の目の距離を 9 0 0 mmと設定し、 観察者の目を左右で 1 0 。 振って、 視認される表示画像に生じる歪量の変化を測定した。
第 7 図のグラ フから、 記録時にホロ グラ ムをウ イ ン ドシール ドの曲 率に応じて補正しない第 2 比較例では、 観察者の首 (目) を左右に 1 0 ° 振った場合、 表示画像の歪量は約 4 0 %存在したが、 第 3 実施例
では、 観察者の首 (目) を左右に 1 0 ° 振っ た場合、 表示画像の歪量 は約 5 %と低減されたこ とがわかる。
なお、 第 3 実施例では、 ウ ィ ン ド シール ドの曲率が横方向で大き く 、 縦方向では殆どない場合を説明 したが、 その曲率が縦方向によ り大 き い他の例の場合、 その曲率の方向や大き さ に応 じて、 ホログラムへ 記録する凹面鏡の焦点距離を、 シ リ ン ド リ カルレ ンズの設置角度、 又 は他の レ ンズの使用によ り調整すればよい。
また、 第 3 実施例では、 ホログラムに凹面鏡と して軸外 し放物面鏡 を記録したが、 収差の少ない他の非球面鏡を記録する こ と もでき、 さ らには、 単に縦方向と横方向の曲率の異なる凹面鏡の反射特性を有す るホログラムであって もよい。
また、 第 3 実施例では、 露光時に二光束を作り、 ホログラム乾板の 両側から平行光と参照光を入射させる二光束法によ り ホロ グラ ムに凹 面鏡を記録したが、 ホログラム乾板の裏面に凹形状を有する反射板を 当て、 表面側からのみ光を入射させ、 表面からの直接光と裏面からの 反射光によ り露光する一光束法で凹面鏡を記録する こ と もでき る。
また、 上記実施例では、 凹形状を有する反射板を用いたが、 凸形状 の反射板を採用する こ と によ っ て、 凸面鏡を記録してもよい。
また、 二光束で作成したホログラムをマスターと して複写してもよ い。
さ らに、 第 3 実施例の本装置の本体部 1 は、 必ずし も ウ ィ ン ドシー ル ドのコ ンバイ ナの真下に位置させて画像を真上に放射する必要はな く 、 本体部 1 をコ ンバイ ナの真下から外れた位置に多少傾けて設置す る こ と もでき る。
上記第 3 実施例においては、 表示画像形成手段である表示器と して 、 液晶ディ ス プ レ イ を採用 したが、 本発明は液晶ディ ス プ レ イ に限定 される ものではな く 、 例えば E L表示器、 C R T等からなる表示画像 形成手段であって もよい。
さ らに、 上記第 3 実施例では、 反射手段をホログラムにて形成した が、 本発明は反射手段をホログラムにて形成する必要はな く 、 例えば 縦方向と横方向との曲率がウ イ ン ドシール ドによる像の歪みを補正す る曲率と した軸はずし凹面鏡や収差の少ない他の非球面鏡を用いても よ い し、 単に方向によ って曲率が異なる凹面鏡であってもよい。
(第 4 実施例)
以下、 第 4 実施例における画像表示装置の一例と しての車両用先端 位置表示装置を第 8 図に示す。 尚、 第 1 実施例と同一の部材には、 同 一の符号を付した。
こ の装置は、 自動車のダッ シ ュボー ド部 (図示せず) に配設された 表示画像形成手段である表示器 2 4 、 表示器 2 4 から投射される画像 光を順次反射する平面鏡 2 5 、 反射手段である ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 、 表示器 2 4 や ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 を制御する制御回路 2 7 を備え ている。
こ の表示画像形成手段である表示器 2 7 は、 第 1 2 図に示す如 く 、 箱型のケ一ス 2 8 内に、 例えば リ フ レ ク タ付きハロゲンラ ンプ 2 9 を 配設し、 こ のラ ンプ 2 9 の前面にス リ ガラス等の光拡散板 (図示せず ) を設け、 更にその前方に設け られたガラ ス板等の透明板 3 0 上には 、 周縁部を遮光し中央に色フ ィ ルタ付の透光部を設けた端部マー ク表 示体 (以下、 単に表示体と いう ) 3 1 が取付け られている。
ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 は、 第 9 図に示すよ う に、 合成樹脂等の基板 上に銀或はアル ミ ニゥ ム等の反射層を蒸着して形成される。 こ の鏡面 は、 表示手段である ウ イ ン ドシール ド 5 上の反射点 D における水平方 向の曲率と表示マーク (表示体 3 1 の虚像、 第 8 図参照) 3 2 の表示 位置から計算される。 詳細は後述する。
また、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 は、 駆動調節手段である角度調整機構 3 3 を介 してダッ シュボー ド部 (図示せず) に角度変位可能に配設さ れている。
角度調整機構 3 3 は、 第 1 3 図および第 1 4 図に示すよ う に、 ダッ シ ュボー ド部 (図示せず) に固定された固定板 3 4 に対 しベース板 3 5 を自在継手 3 6 を介 して角度変化可能に取付け、 ベー ス板 3 5 の前 面に歯車 3 7 付きの取付板 3 8 を軸 3 9 を介 して回転可能に取付け、 固定板 3 4 の各ね じ孔 (図示せず) に、 上下角度調整ね じ 4 0 及び左 右角度調整ね じ 4 1 を蝶合させ、 取付板 4 2 上の歯車 3 7 に回動軸 4 3 の先端の ピニオ ン 4 4 を嚙合させて構成される。 上下角度調整ね じ 4 0 と左右角度調整ね じ 4 1 の先端は、 ベー ス板 3 5 の上部と右側に 回転を許容 して連結される。 そ して、 取付板 4 2 の前面に ト ロイ ダル 凹面鏡 2 6 が固定される。
したがっ て、 上下角度調整ね じ 4 0 を回転する と 、 卜 ロイ ダル凹面 鏡 2 6 の上下の傾斜角度 (あおり角度) が変わり、 左右角度調整ね じ 4 1 を回転する と ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の左右の傾斜角度 (あおり角 度) が変わる。 また、 回動軸 4 3 を回すこ と によ り 、 ト ロイ ダル凹面 鏡 2 6 が軸 3 9 を中心に回転し、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の同一回転面 内における角度を調整する こ とができ る。
こ こで、 表示器 2 4 、 平面鏡 2 5 、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 は、 第 8 図に示すよ う に、 表示器 2 4 から照射された表示体 3 1 の像を平面鏡 2 5 と ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 を介 してウ イ ン ドシール ド 5 上の点 Dで 反射させ、 運転者の眼 Gに入射させて、 その表示マー ク 3 2 を車体の 端部位置に結像させるよ う に、 配置される。
次に、 第 4 実施例の反射手段である ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 について 説明する。
こ の ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 は、 第 9 図に示すよ う に凹面形状を した 鏡であるが、 その X方向 (こ こでは光路上、 ウ ィ ン ドシール ド 5 の水 平方向に相当する もの とする。 ) 、 y方向 ( こ こ では光路上、 ウ ィ ン ドシール ド 5 の垂直方向に相当する ものとする。 ) で断面図示する と 、 第 1 0 図および第 1 1 図に示すよ う に、 X方向の曲率半径 a が Y方
向の曲率半径 よ り も小さ く 設計されている。
これらの曲率半径 a , b は以下のよ う に決定される。
すなわち、 ウ ィ ン ドシール ド 5 の水平方向の曲率半径を ρ、 垂直方 向は平面と し、 表示体 3 1 から ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 までの距離を t 、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 からウ ィ ン ドシール ド 5 の反射点 Dまでの距 離を d、 ウ イ ン ドシール ド 5 の反射点 Dから表示マーク 3 2 までの距 離を h、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 によ り生じた表示体 3 1 の虚像と ト ロ ィ ダル凹面鏡 2 6 との間の距離を X又は X ' とする。 ただし、 X は曲 率半径 a によ るそれであ り、 x ' は曲率半径 b によるそれである。 1 . 曲率半径 aの決め方
まずウ イ ン ドシール ド 5 の反射において、 1 ノ ( + d ) 一 l Z h = 2 Z p よ り、 x = ( p x h ) / ( 2 x h + p ) — d また、 曲率半径 a による反射から、
( 1 / t ) 一 ( 1 / x ) = 2 Z a
従って、 a = 2 x t x x Z ( x - t )
= 2 x t x { ( p x h ) / ( 2 x h + p ) - d } / { 〔 ( p x h ) / ( 2 x h + p ) - d } - t ]
2 . 曲率半径 bの決め方
x ' + d = h 従って、 x ' = h— d、
曲率半径 a による反射から、
( 1 / t ) - 1 / ( h— d ) = 2 / b
従って、 b = { 2 x t x ( h - d ) } / ( h - d - t )
なお、 図示されていないが、 上記表示器 2 4 、 平面鏡 2 5 、 卜 ロイ ダル凹面鏡 2 6 は、 内面を黒色無光沢塗装した箱内にセ ッ 卜 され、 箱 の一部には端部マー ク表示体 3 1 の像をウ イ ン ドシール ド 5 の点 Dに 向けて放射する開口部が設け られる。
このよ う に構成された車両用先端位置表示装置では、 例えば、 自動 車を駐車場等に駐車させる場合、 運転者は表示器 2 4 の ラ ンプ 2 9 を
点灯する。 する と、 表示器 2 4 から端部マーク表示体 3 1 の表示光で ある虚像 3 2 が放射され、 平面鏡 2 5 から ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 に入 射する。 そ して、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 によ って、 虚像 3 2 は、 車両 の ウ イ ン ド シール ド 5 の点 Dで反射され、 虚像が運転者 4 5 の眼 G に おいて、 結像される。
このと き、 端部マーク表示体 3 1 の虚像 3 2 は、 車両の端部位置近 傍に結像して表示されるが、 第 1 3 図に示すよ う に、 ト ロイ ダル凹面 鏡 2 6 の光軸に対する角度を適正に調整する こ と によ り 、 ウ イ ン ドシ ール ド 5 から両眼に向かう両光束が両眼を含む水平面内を通過するよ う に修正される。 言い換える と、 左眼に入る左眼虚像と右眼に入る右 眼虚像の同一点は同 じ高さで視認される。 このため、 ウ ィ ン ドシール ド 5 の曲面に起因した両眼像の上下方向の高低差を解消する こ とがで き る。
したがって、 運転者は、 高低差がな く 1 つに融合した像 3 2 を、 車 両の端部位置近傍の空間に鮮明に見る こ と ができ 、 その像 3 2 と障害 物との相対位置関係から、 障害物に対する車両の端部位置を容易に認 識する こ とができ る。
また、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 に角度調整機構 3 3 が設け られるため
、 運転者の眼の高さ位置や両眼の水平方向の各位置に応じて、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の取付け角度を角度調整機構 3 3 によ っ て調整する こ とができ、 運転者の眼の高さや両眼の個人差があっても、 適正に高低 差を解消する こ とができ る。
こ こで ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の作用について第 1 5 図および第 2 0 図を用いて追加説明する。
第 1 5 図および第 2 0 図に示すよ う にウ イ ン ドシール ド 5 は、 垂直 方向には略平面であるが、 水平方向には曲率を も っているため、 これ は円筒凹面鏡と して作用する。 こ こでも し、 第 1 5 図の 卜 ロイ ダル凹 面鏡 2 6 を第 2 0 図のよ う に通常の球面凹面鏡 4 6 とする と、 ウ イ ン
ドシール ド 5 の円筒凹面鏡と しての作用によ り、 これに反射して運転 者 7 の左右の眼 Gに達する 2 つの光線に上下差が生じ、 運転者 4 5 は 左右両眼像を 1 つに融像しに く く なる。 これは、 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 を単なる平面鏡とする場合も同 じである。
ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 は、 光学的にウ イ ン ドシール ド 5 の水平方向 と同 じ凹面鏡作用を垂直方向に も付加 し、 結果と してウ イ ン ドシール ド 5 を球面の凹面鏡と して作用させる。 これによ り、 ウ ィ ン ドシール ド 5 は通常の球面凹面鏡となるため、 左右両眼像の上下ずれの発生は な く な り運転者 4 5 は両眼像 1 つに融像して見る こ とが可能となる。 また、 左右両眼像の上下ずれの補正と と もに、 拡像作用 も同時に果た すこ とができ、 部品点数の低減が可能である。
さ らに、 ウ イ ン ドシール ドにも遠方拡大機能を持たせる こ とができ るため、 本装置の小型化ができ る。
すなわち本実施例の装置によれば、 以下の効果を奏する こ とができ る。
( 1 ) ウ イ ン ドシール ド 5 の内面が非球面形状の反射凹面となって いるに もかかわ らず、 直交方向において異なる曲率 a、 b を有する反 射手段である ト ロイ ダル凹面鏡によ り、 全光学系と して一枚の球面凹 面鏡と して機能する構成を採用 してい るので、 従来の非球面凹面鏡と してのウ イ ン ドシール ド 5 に起因する両眼像間の上下差を解消する こ とができ、 両眼像の融像が容易となる。
( 2 ) ウ イ ン ドシール ド 5 の内面が非球面形状の反射凹面とな って いるに もかかわ らず像の歪みがない。
( 3 ) 部品点数の増加、 光量損失の増大及び光路設計の複雑化を招 来する こ とな く 、 拡大表示が可能となる。
( 4 ) 両眼の幅の個人差、 ウ ィ ン ド シール ドの曲率のばらつき、'虚 像表示位置の調整を駆動調節手段である角度調節機構によ って実現す る こ とができ る。
なお、 表示手段である ウ イ ン ドシ一ル ド 5 の水平方向 (本発明でい う第 1 方向) に光学的に平行な反射手段である ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の方向 X (本発明でいう第 3方向) における曲率 a が、 ウ ィ ン ドシー ノレ ド 5 の垂直方向 (本発明でい う第 2 方向) に光学的に平行な方向 Y (本発明でいう第 4 方向) における曲率 b よ り小さ く 設定されていれ ば、 ウ イ ン ドシール ド 5 の上記曲率 P による上下視差を低減する こ と ができ、 かつ拡大虚像表示も可能となる。
以下、 上記 ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の製造方法について具体的に説明 する。
第 1 の製造方法は、 従来の レ ンズや凹面鏡と同様に、 樹脂体ゃガラ スブロ ッ クを研磨加工して反射面を製造し、 反射膜及び保護膜を蒸着 などで形成する方法である。
第 2 の製造方法は、 従来の レ ンズと同様に、 溶融樹脂や溶融ガラス を精密金型に流し込み成形し、 冷却後、 表面に反射膜および保護膜を 密着する方法である。
第 3 の製造方法は、 第 1 6 図に示すよ う に、 予め ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の曲面形状に形成された雄型 4 7 及び雌型 4 8 のセ ッ ト を準備 し 、 雌型 4 8 上に平板状の軟化樹脂板 (又は軟化ガラス板) 4 9 を置き 、 雄型 4 7 を下降させて曲げ成形し、 冷却後、 表面に反射膜および保 護膜を密着する方法である。 なお、 雄型 4 7 及び雌型 4 8 の表面は研 磨にて平滑に仕上げるか若し く はフ ニル ト、 ゴム等の柔軟材 5 0 をコ 一ティ ングしておく 。
第 4 の製造方法では、 第 1 7 図に示すよ う に、 平板状の軟化樹脂板 (又は軟化ガラス板) 4 9 を上型 5 1 及び下型 5 2 で挟んで内部にキ ャ ビティ Cを形成する。
キ ヤ ビティ C に面する下型 5 2 の表面は ト ロイ ダル凹面鏡 2 6 の曲 面形状とな っており、 上型 5 1 を通 じてキヤ ビティ C に圧縮空気を導 入する と と も に下型 5 2 の微小な空気抜き孔から真空引 きを行い、 成
形が行われる。 冷却後、 反射膜及び保護膜を蒸着などで形成する。 第 5 の製造方法では、 第 1 8 図に示すよ う に、 下型 5 3 の上面に溶 融樹脂が滞留する凹部 5 4 を形成してお く 。 そ して、 先端が凹部 5 4 に位置する空気注入ノ ズル 5 5 によ り凹部 5 4 の溶融樹脂内部に空気 を導入しつつ、 フ ィ ー ド孔 5 6 を通 じて凹部 5 4 に溶融樹脂を供袷す る。 これによ り溶融樹脂バルー ン 5 7 が形成され、 バルー ンは上型 5 8 の下面に形成された ト ロイ ダル凹面に密着 して冷却、 成形される。 その後、 ト ロイ ダル凹面部分を分離し、 反射膜及び保護膜を蒸着など で形成する。
第 6 の製造方法は、 第 1 9 図に示すよ う にホログラム 卜 ロイ ダル凹 面鏡を製造する方法である。 まず、 レーザー装置から出た平行光をハ — フ ミ ラ ー 5 9 で分岐し、 ハー フ ミ ラ ー 5 9 から出た分光を ミ ラ 一 6 0 , 6 1 で凸レ ンズ 6 2 で焦点 F に収束させる。 その後、 シ リ ン ド リ カルレ ンズ 6 3 を透過させていわゆる物体光と して、 乾板 6 4 上に塗 布された感光剤に入射させ、 感光させる。 同時に他方の分光をいわゆ る参照光と して感光剤に入射させ、 感光させる。 この乾板 6 4 を現像 後、 保護膜をコー ト してホロ グラム 卜 ロイ ダル凹面鏡とする。
これらの製造方法を採用する こ と によ り、 上記 した ト ロイ ダル凹面 鏡 2 6 は樹脂又はガラ スから成形され、 反射膜を被着されて形成され る。
第 4 実施例を採用する こ と によ っ て、 以下の作用および効果を得る こ と がで き る。
即ち、 表示画像形成装置は、 第 1 方向の曲率が第 1 方向に対し直交 する第 2方向における曲率よ り大き い非球面形状の反射凹面を有する 表示手段に反射手段である ト ロイ ダル凹面鏡を介 して表示光を投射す る。
こ の ト ロイ ダル凹面鏡は、 表示手段の第 1 方向に光学的に平行な第 3 方向における曲率が表示手段の第 2 方向に光学的に平行な第 4 方向
における曲率よ り小さ く 設定されているので、 表示手段の反射凹面の 曲率に起因する上下視差を低減し、 かつ、 歪みの少ない拡大虚像表示 を行う。
したがって第 4 実施例によれば、 構成及び光路を複雑化する こ とな く 、 表示手段の非球面形状の反射凹面による上下視差を低減する と と もに、 表紙手段自体の有する反射凹面を利用する こ と による拡大表示 を実現する こ とができ る。
また、 上記反射手段を駆動調節手段によ っ て駆動させて角度変位さ せる こ と によ り 、 両眼の幅の個人差や反射体の曲率のばらつき にかか わ らず上下視差を低減し、 かつ、 虚像表示位置の調節も可能とする こ とができ る。
更に、 ウ イ ン ドシール ドを表示手段とするへッ ドア ッ プ式表示装置 において、 ウ イ ン ドシール ドの非球面形状の反射凹面による画像の歪 みを低減する こ とができ る。
また上記反射手段は、 ト ロイ ダル凹面鏡だけでな く 、 こ の ト ロイ ダ ル凹面鏡と同一の反射特性を有するホロ グラムであっても同一の効果 を有する こ とができ る。
(第 5 実施例)
第 5 実施例においては、 視点が移動した場合にも表示画像が歪むこ とのない画像表示装置に関する ものである。
即ち、 第 1 図のよ う な画像表示装置においては、 表示器 2 から照射 される表示光は、 反射手段であるホログラム 3 に傾いて入射される。 そのため、 第 2 1 図の如 く 、 その光軸 7 0 がホロ グラム 3 の軸線 7 1 に対して傾斜角度 α を生じる。
この場合、 ホロ グラム 3 の右端を通して表示画像を見る場合と、 左 端を通 して表示画像を見る場合とでは、 表示器 2 からホログラム 3 ま での光路長が異なる。 そのため、 表示画像の拡大率が異なる。
それ故、 ウ ィ ン ド シール ド 5 に映し出された表示画像は、 変形や歪
んだりする こ と にな り 、 違和感のある表示像と して認知される。
第 5 実施例はかかる問題点に鑑み、 視点が移動 した場合に も表示像 が歪まない画像表示装置を提供しょ う とする ものである。
以下第 5 実施例にかかる画像表示装置であるへッ ドア ッ プディ スプ レイ装置について、 第 2 2 図および第 2 3 図を用いて説明する。
尚、 第 1 実施例と同一の部材には同一の符号を付した。
第 5 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ装置 8 0 は、 第 2 2 図に示 すごと く 、 光源を有する表示画形成手段である表示器 2 と、 該表示器 2 から発する表示光 8 1 を回折 , 反射させる第 5 実施例の反射手段で あるホロ グラム光学素子 8 2 と、 該ホロ グラム光学素子 8 2 からの表 示光の特定成分の波長のみが反射された光である回折光 8 3 を反射さ せて観者に表示画像 8 4 を視認させる表示手段である ウ イ ン ドシール ド 5 とを有する。
上記ホロ グラム光学素子 8 2 は、 第 2 3 図に示すごと く 、 拡大鏡の 回折 · 反射特性を有している。 このホロ グラム光学素子 8 2 は、 表示 器からの光路長が短い位置 Aにおけるホログラムの焦点距離を短 ぐし 、 表示器からの光路長が長い位置 B における焦点距離を長 く する よ う に構成してある。
例えば、 上記ホロ グラム光学素子 8 2 には、 平行光が照射された場 合には、 こ の照射された平行光の光の成分 2 a〜 2 e に対応する各回 折光 2 f ~ 2 j の焦点 4 a ~ 4 dの位置が連続的に変化するホロ ダラ ムが記録されている。
また、 上記ホログラム光学素子 8 2 には、 ウ イ ン ド シ一ル ドの形状 による表示像の歪みの効果を打ち消すよ う にホロ グラムが記録されて いる。
上記ホログラムは、 収差の大き い レ ンズを通過した光を、 ホロ グラ ム光学素子に照射する こ と によ り記録される。
第 2 3 図に示すホロ グラム 8 2 は、 焦点を結ぶ側に表示器 2 が位置
T/
2 6
するよ う に配置されている。
また、 第 2 2 図に示すごと く 、 上記ウ ィ ン ドシール ド 5 には、 回折 光 8 3 を反射させる蒸着膜 5 a が蒸着されている。
運転者の視点 8 5 は、 ウ イ ン ドシール ド 5 の反射回折光 8 6 を知覚 し、 その前方に表示された虚像と しての、 表示画像 8 4 を視認する こ とができ る。
次に、 第 5 実施例の作用効果について説明する。
第 5 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ装置 8 0 においては、 ホロ グラム光学素子 8 2 が拡大鏡の回折、 反射特性を有している。 そのた め、 表示器 2 から発せられた表示光 8 1 は、 ホロ グラム光学素子 8 2 によ り回折 · 反射され、 回折光 8 3 と してウ イ ン ドシール ド 5 に照射 される。
このと き、 第 2 1 図および第 2 3 図に示すごと く 、 表示器 2 から発 せられた各光の光路長は、 ホログラム光学素子 8 2 に入射する位置 A , B によ って僅かな相違がある。 第 5 実施例のホロ グラム光学素子 8 2 は、 その位置 A、 B によ り回折光 2 f 〜 2 j の焦点位置 4 a ~ 4 d が連続的に変化し、 かつ、 表示器 2 からの光路長が短い位置 Aにおけ るホログラムの焦点距離を短く し、 表示器 2 からの光路長が長い位置 B における焦点距離を長 く するよ う に構成されている。
それ故、 第 2 2 図に示すごと く 、 表示光 8 1 によ り映 し出された表 示画像の歪みは、 ホロ グラム光学素子 8 2 によ り捕正され、 ウ ィ ン ド シ ール ド 5 に映し出される。
このため、 第 5 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ装置 8 0 によれ ば、 歪みのない、 拡大された表示画像 8 4 を映し出すこ とができ る。 従って、 観者は、 視点 8 5 の位置を移動させても .、 ウ イ ン ドシール ド 5 を見る こ と によ って、 歪みのない拡大された表示像を、 違和感を感 じる こ とな く 、 視認する こ とができ る。
また、 ホロ グラム光学素子 8 2 は、 ウ ィ ン ドシール ド 5 の形状によ
る表示画像の歪みの効果を打ち消すよ う に構成されている。 そのため 、 ウ イ ン ドシール ド 5 に歪みの少ない表示画像を映し出すこ とができ る。
尚、 第 5 実施例のホログラム光学素子 8 2 においては、 焦点距離の 変化のさせ方は、 使用するへッ ドア ッ プディ スプレイ 8 0 の光学配置 によ り変わって く る。 そのため、 第 2 3 図に示すごと く 、 ホログラム 光学素子 8 2 の左側の位置 Aが長焦点で右側の位置 Bが短焦点になる と は限らず、 中心が最も短焦点で両端が長焦点の場合とする こ と もあ る。
また、 傾斜角度 αが 0 であっても同様の効果を得る こ とができ る。 第 5 実施例においてはホ ロ グラ ムに累進多焦点を有する レ ンズを記 録させたが、 本実施例ではこれに限られる ものではな く 、 累進多焦点 を有する凹面鏡を反射手段と して用いてもよい。
さ らには、 ホロ グラムと ウ ィ ン ドシール ドとの間、 も し く はホロ グ ラムと表示器との間に累進多焦点を有する レ ンズを設けてもよい。 (第 6 実施例)
第 6 実施例においては、 第 6 実施例にかかるへッ ドア ッ プディ スプ レイ装置の製造方法について、 第 2 4 図および第 2 5 図を用いて説明 する。
上記製造に当たっては、 まず、 第 2 4 図に示すごと く 、 ホログラム 乾板 9 0 と、 点光源と しての ピンホール 9 1 と、 両者の間に配置 した 収差発生用 レ ンズ 9 2 とを準備する。
上記収差発生用 レ ンズ 9 2 は、 第 2 5 図に示すごと く 、 円弧形状に 窪んだ凹面 9 2 a を有する凹型シ リ ン ド リ カルレ ンズである。 収差発 生用 レ ンズ 9 2 は、 球面形状による収差を有し、 凹面 9 2 a の中心と 端では焦点位置が異な っている。
尚、 収差発生用 レ ンズ 9 2 の凹面 9 2 a の形状の曲率を大き く する こ と によ り 、 球面収差を拡大する こ とができ る。 又、 ピンホール 9 1
側に収差発生用 レ ンズ 9 2 の平面 9 2 b を配置する こ と によ り、 収差 量を大き く する こ とができ る。
そ して、 ピンホール 9 1 から発した発散光 9 5 を収差発生用 レ ンズ 9 2 を透過させてその透過光 9 6 をホログラム乾板 9 0 に照射する。 上記透過光 9 6 は、 収差発生用 レ ンズ 9 2 の球面収差を有する光とな る。 そのため、 この透過光 9 6 は、 一点から発散した光とな らずに、 左側 Lから右側 Rへ焦点 9 7 a ~ 9 7 dの位置から発散した光と して 、 ホログラム乾板 9 0 に入射する。
こ の と き、 収差発生用 レ ンズ 9 2 の片側 (第 2 4 図の左半分の斜線 部) だけに発散光 9 5 を透過させれば、 焦点距離の変化を長い方から 短い方へ、 或いは短い方から長い方へと一方向にホログラム乾板 9 0 に照射させる こ とができ る。
また、 上記透過光 9 6 を照射する と共に、 これと対向させて、 ホロ グラム乾板 9 0 の反対側に、 平行光 9 8 を照射する。
上記収差発生用 レ ンズ 9 2 を透過した透過光 9 6 と平行光 9 8 との 2 つの収束によ って、 両者が互いに干渉する。
これによ り、 ホログラム乾板 9 0 に、 収差の異なる干渉縞が記録さ れる。 そ して、 第 5 実施例に示 したよ う に、 ホロ グラム乾板 9 0 の左 側 Lを短焦点に、 右側 Rを長焦点に連続的に変化した累進多焦点を有 するホロ グラム光学素子 1 が得られる (第 2 3 図参照) 。
こ の製造方法によれば、 収差発生用 レ ンズ 9 2 の曲率、 及びピ ンホ ール 9 1 からの距離を変化させる こ と によ り 、 収差の効果に強弱をつ け、 ホ口 グラムの焦点距離を調整する こ とができ る。
また、 第 6 実施例においては、 収差発生用 レ ンズ 9 2 と してシ リ ン ド リ カルレ ンズを用いているため、 左右方向の焦点距離と上下方向の 焦点距離の比を自由に変える こ とができ る。
尚、 第 6 実施例においては、 第 2 5 図に示す収差発生用 レ ンズ 9 2 と して凹型シ リ ン ド リ カルレ ンズを用いたが、 第 2 6 図に示す凸型シ
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リ ン ド リ カルレ ンズを収差発生用 レ ンズ 9 9 と して用いる こ と もでき る。 該収差発生用 レ ンズ 9 9 は、 円弧形状に盛り上がった凸面 9 9 a を有する。 こ の収差発生用 レ ンズ 9 9 を透過した透過光は、 凸面 9 9 a側で一旦集光し、 その後再度発散して、 ホログラム乾板に入射する o
(第 7 実施例)
第 7 実施例においては、 第 2 7 図および第 2 8 図に示す如 く 、 第 6 実施例の凹型シ リ ン ド リ カルレ ンズの替わり に、 凸型球面レ ンズを収 差発生用 レ ンズ 1 0 0 を用いている。
該収差発生用 レ ンズ 1 0 0 は、 第 2 8 図に示すごと く 、 球伏に盛り 上がった球面 1 0 0 a を有する。
第 2 7 図に示すごと く 、 収差発生用 レ ンズ 1 0 0 を透過した透過光 9 6 は、 該収差発生用 レ ンズ 1 0 0 の球面 1 0 0 a側で一度集光する 。 こ の集光点 1 0 1 a〜 l 0 1 d は、 収差発生用 レ ンズ 1 0 0 の収差 によ り、 一点に集光せず、 連続的に分布している。 その後、 再度発散 し、 ホロ グラム乾板 9 0 に入射する。
ホロ グラム乾板 9 0 に入射した透過光 9 6 は、 他方から入射する平 行光 9 8 と互い干渉 し合い、 ホログラム乾板 9 0 に干渉縞を記録する 。 これによ り、 左右方向と上下方向の収差が同程度の、 累進焦点を有 するホロ グラ ム光学素子を得る こ とができ る。
その他は、 第 6 実施例と同様である。 第 7 実施例において も、 第 6 実施例と同様の効果を得る こ とができ る。
尚、 第 7 実施例においては、 第 2 8 図に示す凸型球面レ ンズを収差 発生用 レ ンズと して用いているが、 第 2 9 図に示す凹型球面レ ンズを 収差発生用 レ ンズ 1 0 2 と して用いる こ と もでき る。 こ の収差発生用 レ ンズ 1 0 2 は、 球状に窪んだ球面 1 0 2 a を有 している。 この収差 発生用 レ ンズ 1 0 2 を透過 した透過光は、 球面 1 0 2 a側で集光せず 、 他方の平面側 1 0 2 b に累進多焦点を持つこ と にな る。
(第 8 実施例)
第 8 実施例においては、 第 3 0 図に示すごと く 、 ホロ グラム乾板 9 0 に入射させる光の両方と もに、 収差発生用 レ ンズ 1 0 3 および 1 0 4 と しての凹型シ リ ン ド リ 力ノレレ ンズを配置 している。
このと き、 収差発生用 レ ンズ 1 0 3 からホログラム乾板 9 0 の右側 Rへ入射する透過光 9 6 a の焦点 1 0 5 a の距離を長く 、 左側 への 透過光 9 6 a の焦点 1 0 5 b の距離を短く する。
一方、 収差発生用 レ ンズ 1 0 4 からホログラム乾板 9 0 の右側尺へ 入射する透過光 9 6 b の焦点 1 0 6 a の距離を短く 、 左側 L への透過 光 9 6 b の焦点 1 0 6 b の距離を長く する。
即ち、 透過光 9 6 a及び 9 6 b の距離の平均値 f A 1 0 5 c と f B 1 0 6 c とを比べ、 f B > f A のと きには、 ホロ グラム乾板 9 0 の右 側 Rが長焦点に、 f A > f B のと きには、 左側 Lが長焦点になるので あ る。
ホログラム乾板 9 0 に記録されるホログラムの焦点距離を f とする と、 f B > f A のと き、 1 ノ f = l Z f A - 1 / f B となる。
そ して、 ホロ グラム乾板 1 1 の右側 Rでは、 1 Z f R = 1 / ( f A + a ) — 1 / ( ί B —β ) < 1 / f A - 1 / f B = l Z f の関係が成 り 立つ。 そのため、 右側 Rの焦点距離 f R については、 1 Z f R < 1 Z f となり、 右側 Rが長焦点になる。 こ こで、 式中 α と は、 f A 側右 側の焦点 1 0 5 a と平均値 1 0 5 c又は f A 側左側の焦点 1 0 5 b と 平均値 1 0 5 c との差を意味する。 式中 yS と は、 f B 側右側の焦点 1 0 6 a と平均値 1 0 6 c 又は f B 側左側の焦点 1 0 6 b と平均値 1 0 6 c との差を意味する。
一方、 左側 L の焦点距離 f i_ については、 1 / f し = 1 / ( f A - a ) — 1 / ( f B + β ) > 1 / f A - 1 / f B = l Z f の関係が成り 立ち、 1 f L < 1 f とな り、 左側 Lが短焦点になる。
以上のよ う に、 透過光 9 6 a 、 9 6 b の焦点距離を設定する こ と に
よ り、 ホログラム乾板 9 0 に連続的に変化する累進多焦点を有する千 渉縞を記録する こ とができ る。
その他は、 第 6 実施例と同様である。 第 8 実施例において も、 第 6 実施例と同様の効果を得る こ とができ る。
上記第 5 実施例乃至第 8 実施例においては、 反射手段と してホログ ラムに累進多焦点レ ンズを記録したが、 反射手段はホロ グラムに限定 される ものではな く 、 ホロ グラムではな く 単に累進多焦点レ ンズを採 用 してもよい。
尚、 第 5 実施例よ り第 8 実施例において使用 した累進多焦点と は、 収差発生用 レ ンズの収差によ り、 光の発散点に分布を与え、 その透過 光をホログラム乾板に記録される光と して用いる こ と によ り、 ホログ ラ ムの焦点距離に分布を与える こ とをいう。
そ して、 収差発生用 レ ンズは、 点光源から発散した光を照射する こ と によ り、 累進多焦点を有する光を発生させる レ ンズである。
こ こで、 第 6 実施例において採用 した凸型又は凹型シ リ ン ド リ カル レ ンズは、 ホログラム乾板の左右方向と上下方向との焦点距離に差を つけたい場合に用いる。
第 7 実施例において採用 した凸型又は凹型球面レ ンズは、 ホ口 グラ ム乾板の左右方向と上下方向との焦点距離を同程度に したい場合に用 いる。 '
上記ホログラム乾板には、 第 6 乃至第 7 実施例の如 く 、 上記収差発 生用 レ ンズを透過した透過光を照射する と共に、 その反対側からは平 行光又は発散光を照射する。 そ して、 上記透過光と、 平行光又は発散 光とをホロ グラム乾板において干渉させ、 累進焦点を有する干渉縞を 記録する。
また、 第 8 実施例の如 く 、 ホロ グラム乾板の両面側に、 収差発生用 レ ンズを配置 し、 該収差発生用 レ ンズに発散光を透過させて、 累進焦 点を有する干渉縞を記録する こ とができ る。 この場合、 両レ ンズの収
差の方向、 即ち焦点のずら し方を逆に設定すれば、 焦点分布の効果を よ り高める こ とができ る。
そ して、 第 5 実施例を採用する こ と によ っ て、 表示器から発する光 によ り映し出された表示像は、 ホログラム光学素子によ り表示器から の光路長差に基づく 歪みが捕正されて、 かつ拡大されて、 表示手段で ある ウ イ ン ド シ一ル ドに映し出される。 従って、 観者は、 ウ イ ン ド シ —ル ドを見る こ と によって、 歪みのない、 拡大された表示像を視認す る こ とができ る。
また、 表示像の拡大率がウ イ ン ドシール ドの各位置において、 均一 になる。 それ故、 視点の位置を移動させても、 表示像が歪むこ とな く 、 違和感をおこ させない。
以上のごと く 、 第 5 乃至第 8 実施例によれば、 視点が移動した場合 に も表示像が歪まない、 画像表示装置を提供する こ とができ る。
(第 9 実施例)
第 9 実施例においては、 第 1 実施例の第 1 図に示されるよ う な画像 表示装置である車両用のへッ ドア ッ プディ スプレイ において、 反射手 段と して表示画像形成手段である表示器からの表示光の内、 特定の波 長領域の表示光のみを反射するホログラムを採用 した場合に生ずる問 題を解決する ものである。
即ち、 光源の波長およびホログラムの反射波長に幅があ る と 、 以下 の理由によ つて、 波長幅分だけ表示像がぼやける こ とである。
具体的には、 表示光に対して特定の波長のみを選択して反射させる ホログラムは、 例えば第 3 3 図に示すよ う に、 その回折効率が波長 λ によ って変化する。 そ して、 この波長 ; I のばらつき Δ λ の存在によ り 、 第 3 2 図に示すよ う に、 特にホログラム 1 1 0 の周縁部において波 長による分散が顕著に現れる。
これはホロ グラム 1 1 0 の幅を d と し、 ホロ グラム 1 1 0 に記録さ れた凹面鏡の波長 ; I での焦点距離を f と し、 ホログラム面からの距離
a にある表示器 2 から発せられた表示光 8 1 のホロ グラム 1 1 0 周縁 部での入射角 0 r 、 出射角 0 i と し、 ホロ グラム 1 1 0 と虚像との距 離 b とする と き、 波長のばらつき Δ λ による周縁部での出射角 0 i の 変化、 いわゆる分散角 は、 理論的には次式によ っ て示される。
Δ θ - s i n— ' { ( 1 +厶 λ /ス ) ( s i n 0 r + s i n 0 i )
一 s i n 0 r } — 0 i ( 1 ) s i n = d / 2 X ( a 2 + d 2 / 4 ) — 1/2
( 2 ) s i n Θ i = d / 2 x ( b 2 + d 2 / 4 ) — 1/2
( 3 ) しか しな力 ら、 第 1 図にみられるよ う な画像表示装置においては、 拡大率の増加および運転者の視点の移動等によ っ て、 分散角 Δ 0 が容 易に大き く なつて しま い、 その結果、 こ のよ う なホ ロ グラ ムの周縁部 において、 表示像のぼやけが生ずる。
そ こで、 第 9実施例においては、 ホログラムにおける表示像の拡大 率が大きい場合にも、 表示画像のぼやけを感ずる こ とのない画像表示 装置を提供しょ う とする ものであ る。
第 9実施例にかかる画像表示装置であるへッ ドア ッ プディ スプレイ 装置につき説明する。
第 9実施例において第 3 1 図に示すへッ ドア ッ プディ スプレイ装置
1 2 0 の基本的な構成は第 1 実施例の第 1 図と略同一であ り、 同一部 材には同一の符号を付した。
第 9実施例においては、 第 3 1 図に示すよ う に、 表示器 2 から発せ られた表示光 8 1 を、 ホロ グラ ム 1 1 0 によ り回折 , 反射させて、 そ の回折光 8 3 を視認するよ う構成したへッ ドア ッ プディ スプレイ装置
1 2 0である。
尚、 ホロ グラム 1 1 0 によ る拡大率が 2倍以上となるよ う表示器 1 1 と ホロ グラム 1 1 0 との距離を設定 してある。
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そ して、 第 3 3 図に示すよ う に、 ホログラム 1 1 0 の回折効率が最 大値 となる回折効率の極大波長を ス 。 と し、 ホログラムの回折効 率が最大値の 5 0 %となる回折効率の半値波長を λ ο 土 Δ λ & と した と き、 第 3 2 図に示すよ う に、 表示器 2 を発した表示光 8 1 力 、 ホロ グラ ム 1 1 0 の端部 1 1 0 a において反射する と きにおける、 その表 示光 8 1 である入射光と反射光 8 1 aがなす角 0 は、 上記極大波長 ; I と半値波長 ス 。 ± Δ λ ¾ の波長差 A ;i h によ って、 0 . 3 3 ° ( 2 0 ' ) 以上変化しない。
こ こ で使用されるホログラム 1 1 0 をさ らに詳細に説明する。
こ のホロ グラム 1 1 0 は、 特定波長の光で露光する こ と によ り、 第 3 3 図に示すよ う に、 特定波長の光のみを反射する光反射特性を有す る と共に、 収差の少ない凹面鏡情報 (例えば、 第 1 実施例の如 く 軸外 し放物面鏡) を、 そ こに記録してある。
ホログラム 1 1 0 は、 第 3 4 図に示すよ う な光学系を使用 して露光 され製作される。
即ち、 ホロ グラム乾板 1 2 5 は、 ソーダガラス等の基材 1 2 6 上に 、 感光材である重ク ロム酸ゼラチ ン 1 2 7 を、 約 2 5 z mの厚さ に付 着し乾燥した ものである。 ホロ グラム乾板 1 2 5 の両側には第 3 4 図 に示すよ う に、 屈折率調整液 1 2 8 を介して反射防止膜 1 2 9 a付き のガラス 1 2 9 が挟むよ う に密着されている。
このよ う な状態のホログラム乾板 1 2 5 は、 その両側から、 図示し ない レーザ発振源よ り発した同一波長の平行光 1 3 0 と発散光 1 3 1 によ り露光するよ う に、 光学系の一部に配置される。
第 3 4 図の光学系の光源には例えば波長 5 1 4 . 5 n mの レーザ光 が使用され、 図示しない レーザ発振器から放出された レーザ光 1 3 2 が、 発散用の レ ンズ 1 3 3 と歪み補正用 レ ンズ 1 3 4 を通り、 発散光 1 3 1 と してホロ グラム乾板 1 2 5 の一方の側に入射するよ う に光学 系が配置される。
また、 ホロ グラム乾板 1 2 5 の他方の側には、 斜め前方に、 凹面鏡 (軸外し放物面鏡) 1 3 5 が配置される。 そ して、 同 じ レーザ発振器 から放射された レーザ光 1 3 2 の一部が、 レ ンズ 1 3 6 を通 して凹面 鏡 1 3 5 に照射され、 凹面鏡 1 3 5 で反射された平行光 1 3 0 がホロ グラム乾板 1 2 5 に入射するよ う に構成される。
なお、 第 3 4 図に示すよ う に、 ホログラム乾板 1 2 5 に対する発散 光 1 3 1 と平行光 1 3 0 との入射角 α は、 ホロ グラム 1 1 0 をへッ ド ア ッ プディ スプレイ に実際に使用 した際の再生角度 ^ (第 3 1 図参照 ) に合わせるため、 例えば α = 3 = 3 3 . 5 ° に設定される。
第 3 4 図に示すよ う な光学系を使用 して、 ホログラム乾板 1 2 5 を 平行光 1 3 0 と発散光 1 3 1 によ り露光し、 所定の現像 · 定着処理を 施してホロ グラム 1 1 0 が製作され、 ホログラム 1 1 0 には凹面鏡 1 3 5 が干渉縞と して記録される。
このよ う に製作されたホロ グラム 1 1 0 は、 表面における散乱や反 射を防止し、 ホロ グラム層の劣化を防ぐために、 その表裏からェポキ シ系樹脂のシール剤を介してカバープレー トをサン ドィ ツ チ状に密着 させ、 その表裏のカバープレー 卜の表面に各々反射防止膜と散乱防止 膜を形成して完成する。
そ して、 第 3 1 図に示すよ う に、 へッ ドア ッ プディ スプレイ装置の 本体部 1 4 0 の内部に、 上記ホロ グラム 1 1 0 が表示器 2 の光軸に対 し所定の角度 /3 ( 3 3 . 5 ° ) で取付け られる。
こ のよ う に構成されたへッ ドア ッ プディ スプ レイ装置では、 第 2 実 施例で説明 した如 く 、 第 3 1 図に示すよ う に、 表示画像形成手段であ る表示器 2 から放射された表示光である速度画像ゃゥオーニング画像 の光 3 0 が、 本体部 1 4 0 内の反射手段であるホログラム 1 1 0 に入 射し、 ホロ グラム 1 1 0 で回折し、 反射された特定波長の光が開口部 1 4 0 a から上方に進み、 表示手段である ウ イ ン ドシール ド 5 の蒸着 膜 5 a に反射され、 運転者の目に入射する。
このため、 運転者の目には、 表示器 2 に表示された表示画像である 速度画像がウ イ ン ドシール ド 5 の前方に投影された像と して視認され る と と もに、 表示像の拡大率 K ( K = b / a ) が 1 を越えるため、 拡 大された表示画像が表示される。
第 9 実施例における、 ホログラム 1 1 0 の幅 d は 1 0 0 m m、 上記 焦点距離 f は 3 8 0 m m、 ホログラム 1 1 0 と表示器 1 1 との距離 a は 2 4 O m mである。 従って、 第 9 実施例のホログラム 1 1 0 の表示 像の拡大率 Kは 2 . 7 となる。
(第 1 0 実施例)
第 1 0 実施例においては、 第 9 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ 装置 1 0 の表示像を視認した官能検査を行った。 そ して、 その結果を 第 3 5 図に示す。
上記検査は、 第 3 3 図に示す極大波長 λ 。 力 5 2 5 ~ 5 5 O n mの 間を変化し、 極大波長 λ 。 と半値波長との差 Δ λ h が様々 に異なるホ ログラムサンプルについて、 表示像の明瞭さを官能検査したものであ る。
第 3 5 図において、 〇印は表示像が明瞭である と感じたホログラム サンプル、 X印は表示像が不明瞭なホロ グラムサンプル、 △印はその 中間の ものである。 なお、 上記判定は、 観者がへッ ドア ッ プディ スプ レイ装置の視域全体を見まわ したと きの感覚である。
一方、 第 9 実施例のホログラム 1 1 0 においては、 分散色 Δ 0 h が 0 . 3 3 ° 以下であ り 、 その条件を前記 ( 1 ) ~ ( 4 ) 式に代入して 計算する と、 次のよ う になる。
2 · Δ λ h ≤ 2 1 ~ 2 2 n m ( ス 。 = 5 2 5 ~ 5 5 0 n mに対し)
( 5 ) 上記 ( 5 ) 式を第 3 5 図上に記載した線が 1 4 1 であり、 第 3 5 図 から知られるよ う に、 第 9 実施例の条件 3 3 ° ) を満 たすもの (線 1 4 1 の下方) は、 すべて良好な結果を示しているが、
本発明の条件を満たさない線 1 4 1 よ り上方のサンプルは、 ほとんど 不良である。
なお、 上記官能検査に使用されたホログラムサンプルは、 ホロ グラ ム乾板の感光材の膜厚、 露光時の光量、 現像 · 定着時の処理条件など を変える こ と によ り得られた ものである。
(第 1 1 実施例)
次に第 1 1 実施例と して、 他の官能検査を行い、 その結果を第 3 6 図に示す。
第 1 1 実施例においては、 ホロ グラムの焦点距離 f = 2 5 0 m m、 距離 a = 1 5 0 mm (よって K = 2 . 5 ) 、 幅 d = 9 0 mmと したケ ースである。
第 3 6 図から知られるよ う に、 この官能検査においても、 第 9 実施 例の条件 ( A 0 h ≤ 0 . 3 3 ° ) を満たす線 1 4 2 の下方にあるホロ グラムサ ンプルはすべて良好な結果を示しているが、 上記条件を満た さない もの (線 1 4 2 の上方) は、 ほとんどが不良である。
又、 他の系について官能検査を実施した結果、 同様の結果が得られ た。
(第 1 2 実施例)
第 1 2 実施例と して、 も う 1 つの官能検査を行い、 その結果を第 3 7 図に示す。
第 3 7 図は、 ホログラム 1 1 0 と虚像 1 4 5 との間の距離 b を 6 5 O m m、 ホロ グラム 1 1 0 の幅 d = 9 0 mmにに固定し、 ホ ロ グラ ム の焦点距離 f とホロ グラムと表示器間の距離 a の組合せを変え、 ホロ グラムの拡大率 K (波長 ; I 。 = 5 4 O n m近傍) を変化させたと きの 検査結果をプロ ッ ト した ものである。
第 3 7 図から知られるよ う、 第 9 実施例の条件 ( A 0 h ≤ 0 . 3 3 ° ) を満たす線 1 4 3 の下方の領域では、 すべて結果が良好であるが 、 上記条件を満たさない もの (線 1 4 3 の上方) は不良である。 又、
他の系について官能検査を実施した結果、 同様の結果が得られた。 第 9 実施例乃至第 1 2 実施例によれば、 ホログラムにおける表示像 の拡大率を 2 倍以上に した場合に も、 ホログラム表面の全域において 表示像のぼやけを感ずる こ とのないへッ ドア ッ プディ スプレイ装置を 提供する こ とができ る。
なお、 第 9 実施例は、 ホログラム乾板の感光材と して、 重ク ロム酸 ゼラチ ンを用いたが、 フ ォ ト ポ リ マー、 ポ リ ビニルカルバゾ一ル等を 使用 してもよい。
なお、 第 9 実施例のホロ グラムは、 第 3 3 図に示すよ う に回折効率 の極大波長力く 1 つである もの、 いわゆる単色のホログラムであるが、 第 3 8 図に示すよ う な、 回折効率の極大波長が 2 つある 2 色ホロ グラ ムであっても、 それぞれの極大波長 λ 。い ス 0 2に同様な条件
≤ 0 . 3 3 ° ) を適用すれば、 良好なホログラムを得る こ とができ る ま た、 第 9 実施例乃至第 1 2 実施例では、 ホログラムに凹面鏡と し て軸外し放物面鏡を記録したが、 収差の少ない他の非球面鏡を記録し て も構わない。
ま た、 第 9 実施例乃至第 1 2 実施例では、 露光時に二光束を作り、 ホロ グラム乾板の両側から平行光と発散光を入射させる二光束法によ り ホログラムに凹面鏡を記録したが、 第 3 9 図に示すよ う に、 ホログ ラム乾板 1 2 5 の表面にプ リ ズム 1 4 6 を裏面に反射光学素子 1 4 7 を当て、 表面側からのみ光を入射させ、 表面からの直接光 1 4 8 と反 射光学素子 1 7 1 の裏面からの反射光 1 4 9 によ り露光する一光束法 によ り凹面鏡を記録しても構わない。
第 3 9 図において、 符号 1 2 9 b は反射光学素子 1 4 7 の反射面で ある。
さ らに、 本装置の本体部 1 4 0 は、 必ずし も ウ イ ン ド シ ール ド 5 の 真下に位置させて画像を真上に放射する必要はな く 、 本体部 1 4 0 を
ウ イ ン ドシ一ル ド 5 の真下から外れた位置に多少傾けて設置する こ と もでき る。
第 9 実施例乃至第 1 2 実施例では、 光源と ウ イ ン ド シ ール ドの間に ホログラムが位置するが、 ホロ グラムがウ イ ン ドシール ド部に設け ら れていても構わない。
又、 第 9 実施例の説明に用いた第 3 2 図において、 光源はホログラ ムの中心線上に位置するが、 光源が左右にずれても同様に角度分散 Δ Θ ≤ 0 . 3 3 ° となるよ う に、 ホロ グラムの特性を設定してやればよ い o
(第 1 3 実施例)
第 1 3 実施例における画像表示装置を第 4 0 図に示す。
第 1 3 実施例は、 第 4 0 図に示すよ う に、 表示器 2 から発せられた 表示画像に対応する表示光 8 1 を、 観者 1 5 0 の前方の表示手段であ る ウイ ン ドシール ド 5 に保持したホログラムである メ ィ ンホログラム 1 5 2 によ り回折 · 反射させ、 その反射回折光 8 6 が結像した表示画 像を観者 1 5 0 が視認するよ う構成したへッ ドア ッ プディ スプレイ 1 6 0 である。
メ イ ンホロ グラム 1 5 2 の前段には、 光路変更機能を有する反射手 段である補正用ホロ グラム 1 6 1 が配置されている。 そ してこ の補正 用ホログラム 1 6 1 の回折特性は、 平面状に形成されたメ イ ンホロ グ ラム 1 5 2 を、 上記ウ イ ン ドシール ド 5 が有する曲面に沿って変形保 持したこ と によ って生ずる回折 · 反射特性の変化を打ち消す特性を有 している。
メ イ ンホロ グラム 1 5 2 は、 第 4 0 図に示すよ う に、 ウィ ン ドシー ノレ ド 5 の内部に保持されている。 そ して、 ウィ ン ドシール ド 5 は、 第 4 1 図に示すよ う に湾曲 しており、 メ イ ンホロ グラム 1 5 2 もそれに 従って湾曲 している。
即ち、 第 4 2 図の如 く 、 ウ イ ン ドシール ド 5 は、 曲面であるのに対
しウ イ ン ドシール ド 5 内に設け られるホログラム 1 5 2 は平面状に製 作される。 そのため、 第 4 3 図に示すよ う に、 ウ ィ ン ドシール ド 5 の 中に保持されたメ イ ンホログラム 1 5 2 は、 ウ イ ン ドシール ド 5 の曲 面によ って曲げられているのである。
また、 メ イ ンホログラム 1 5 2 および補正用ホロ ク ラム 1 6 1 は、 第 4 4 図に示す如 く 、 平面状のホログラムであ り、 平面状の感光板に 物体光 1 6 2 と参照光 1 6 3 とを照射してホログラム 1 5 2 および 1 6 1 を形成した ものである。
メ イ ンホログラム 1 5 2 は、 回折光 8 3 を拡大 · 反射する拡大機能 である拡大鏡の回折特性を有している。 そ して、 第 4 0 図に示すよ う に回折光 8 3 の入射角 α は、 反射回折光 8 6 の出射角 ;3 よ り小と して ある a ぐ β ~) 。
そ して、 補正用ホログラム 1 6 1 は、 表示器 2 から発せられた表示 光 8 1 を回折 · 反射させる反射型のホログラムである。
即ち、 表示器 2 から発せられた表示光 8 1 は、 補正用ホロ グラム 1 6 1 及びメ イ ンホログラム 1 5 2 において回折 · 反射させられて観者 1 5 0 の 目 に達 し結像する。
そ して、 補正用ホログラム 1 6 1 は、 メ イ ンホログラム 1 5 2 が平 面鏡の回折 · 反射特性を有する時、 第 4 1 図に示すよ う に、 ウ イ ン ド シール ド 5 が回折光 8 3 に対して凹面状の曲面を有する場合には、 補 正用ホログラム 1 6 1 は、 回折光 8 3 に対して凸面状の曲面に構成す る こ と によ って、 メ イ ンホログラム 1 5 2 の湾曲による特性変化を打 ち消す回折 · 反射特性を有している。
なお、 補正用ホログラム 1 6 1 は、 メ イ ンホログラム 1 5 2 と同様 に拡大機能を持たせた上で、 上記補正機能を有してもよい。 これによ り 、 表示像の拡大率を更に大き く する こ とができ る。
上記のよ う に、 第 1 3 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ 1 6 0 は 、 メ イ ンホロ グラム 1 5 2 の湾曲による特性変化をその前段で予め補
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正用ホログラム 1 6 1 が補正するから、 観者 1 5 0 の視認する表示画 像には歪が生じない。
また、 両ホロ グラム 1 5 2 および 1 6 1 は、 第 4 4 図に示すよ う に 平面形状のホログラムと して製作する こ とができ 、 製造が容易で製造 の歩留り (良品質) も良好である。
上記のよ う に、 第 1 3 実施例によれば、 湾曲 したウィ ン ドシール ド に、 平面状に製作したホログラムを変形させて保持しても、 観者の見 る表示像には歪が生じないへッ ドア ッ プディ スプレイ を提供する こ と ができ る。
こ のよ う に、 第 1 3 実施例を採用する こ と によ っ て、 第 4 4 図に示 すよ う にメ イ ンホログラムを平面状に製作し、 その後第 4 3 図に示す よ う に曲面状の表示板に保持して変形させても、 その変形による特性 変化を捕正用ホログラムによ って打ち消すこ とができ る。
それ故、 表示像に歪が生ずるよ う なこ とがない。
こ のよ う に第 4 4 実施例によれば、 ウ ィ ン ド シール ドのよ う な湾曲 した表示板に、 平面状に製作したホログラムを変形させて保持して も 表示画像に歪を生ずる こ とのない画像表示装置を提供する こ とができ る。
(第 1 4 実施例)
第 1 4 実施例の画像表示装置を第 4 5 図に示す。
第 1 4 実施例の画像表示装置は、 第 1 3 実施例の画像表示装置と略 同一であ り、 同一部材には同一符号を付した。
第 1 4 実施例においては、 補正用ホログラム 1 6 1 と は異なる反射 手段であるホロ グラムを採用 した。
メ イ ンホログラム 1 5 2 には、 ウ ィ ン ドシール ド 5 によって方向に よ って異なる曲面が形成された、 やはり方向によ っ て異なる曲率を有 する。 そ して、 表示画像はこの曲率の影響を受け表示光 8 1 よ り歪ん だ状態となる。
そのため、 第 1 4 実施例においては、 方向によ って相違した焦点距 離を有する反射手段である凹面鏡が記録されたホログラム 1 7 0 とす る こ と によ って、 表示画像の歪みを打ち消 した構成と した。
即ち、 このホログラム 1 7 0 は、 第 3 実施例のホログラム 3 と同一 の特性を有する ものである。
このよ う な構成とする こ と によ って、 歪みのない画像表示を得る こ とができ る。
また、 本第 1 4 実施例においては、 反射手段と してホログラム 1 7 0 を採用 したが、 ホロ グラムではな く 単に方向によ って相違した焦点 距離を有する凹面鏡であっても同様の効果を有する。
さ らに、 第 1 4 実施例においては反射手段において、 方向によ って 相違した焦点距離を有する凹面鏡を記録したホログラム 1 7 0 を採用 したが、 このよ う な凹面鏡をメ イ ンホログラムに記録する こ と によ つ て、 メ イ ンホログラム自信によ って、 メ イ ンホログラムの有する曲率 による表示画像の歪みを捕正しても、 歪みのない画像表示を得る こ と ができ る。
さ らには、 メ ィ ンホログラムおよび反射手段であるホログラムの双 方に方向によ って異なる曲率を有する凹面鏡を記録させる こ と によ つ て、 表示画像の歪みを補正してもよい。
(第 1 5 実施例)
第 1 5 実施例においては、 第 1 3 実施例の画像表示装置と略同一で あるが、 反射手段であるホログラムに、 第 1 実施例のごと く 軸はずし 凹面鏡が記録されている点で相違する ものである。
即ち、 第 4 5 図に示される画像表示装置において、 反射手段である ホロ グラムに軸外し角がこのホロ グラムの入射光軸と出射光軸の角度 と略同一の角度に設定された軸外 し凹面鏡の反射特性と同一の特性を 記録する。
' こ のよ う な軸外 し凹面鏡を記録した反射手段であるホロ グラムを採
用する こ と によ って、 歪みのない表示画像を得る こ とができ る。
第 1 5 実施例では、 軸外し凹面鏡をホログラムに露光して採用 した が、 凹面鏡自体を反射手段と して採用 してもよい し、 また、 ウ ィ ン ド シール ドに保持されたメ ィ ンホログラムに この凹面鏡の反射特性を記 録させても、 歪みのない表示画像を得る こ とができ る。
(第 1 6 実施例)
第 1 6 実施例の画像表示装置では、 第 1 3 実施例の画像表示装置と 略同一の構成を有している。 しかしながら、 第 1 6 実施例では、 第 4 実施例に述べるよ う なウ イ ン ドシール ド内に保持されているメ ィ ンホ ロ グラ ムの曲率が第 1 方向である横方向よ り も第 2 方向である縦方向 よ り も大き い非球面形状の曲面表面となっている。 こ の時、 補正用ホ ログラ ムには、 第 1 方向と光学的に平行な第 3方向の曲率が第 2方向 と光学的に平行な第 4 方向の曲率よ り も小さ い ト ロイ ダル凹面鏡が記 録されている。
このよ う な構成とする こ と によ って、 単にメ イ ンホロ グラムによつ て表示される表示画像の歪みを捕正する こ とができ るだけでな く 、 メ イ ンホ ロ グラ ムの曲率を有効に利用 して従来にない拡大機能を得る こ とができ る。
特に、 メ ィ ンホロ グラムと捕正用ホログラムと によ り全体と して光 学的に球面形状の凹面鏡の反射特性となるよ う にする こ と によ って、 よ り拡大機能を向上させる こ とができ る。
第 1 6 実施例においては、 ト ロイ ダル凹面鏡を記録したホロ グラム を採用 したが、 特にホログラムに限定される ものではな く ト ロイ ダル 凹面鏡自体を補正用と して採用 してもよい。
さ らには、 メ イ ンホロ グラム自体に上記特性の ト ロイ ダル凹面鏡を 採用 してもよい。 即ち、 ウ ィ ン ド シール ドの第 1 方向 (横方向) に光 学的に平行な第 3 方向の曲率をウ イ ン ドシール ドの第 2 方向 (縦方向 ) に光学的に平行な第 4 方向の曲率よ り も小さ い ト ロイ ダル凹面鏡を
記録 した メ イ ンホ ロ グラ ム と して も よ い。 こ の時、 補正用ホ ロ グラ ム には単に平面鏡が記録 した反射機能のみを有 してい るのみで も よ い。 (第 1 7 実施例)
第 1 7 実施例の画像表示装置では、 第 1 3 実施例の画像表示装置 と 略同一の構成を有 している。 しか しなが ら、 第 1 7 実施例では、 第 5 実施例に述べる よ う な特性を補正用ホ ロ グラ ムが有 してい る。
即ち、 第 4 5 図に示される よ う に、 メ イ ンホ ロ グラ ム と反射手段で あ る ホ ロ グラ ム と の光路長が対向する箇所によ っ て、 それぞれ異な つ てい る時、 メ ィ ンホ ロ グラ ム反射手段であ る ホ ロ グラ ム と の光路長が 長いほど、 反射手段であ る ホ ロ グラ ムには、 焦点距離が長 く な る拡大 鏡が記録さ れてい る。
こ のよ う な構成と する こ と によ っ て、 反射手段であ る ホ ロ グラ ム と メ イ ンホ ロ グラ ムによ っ て十分拡大さ れて も、 歪みのな い表示画像を 得る こ とができ る。
第 1 7 実施例においては、 反射手段と してホ ロ グラ ムを採用 したが 第 1 7 実施例では、 特にホ ロ グラ ムに限定される ものではな く メ イ ン ホ ロ グラ ム と 反射手段と の光路長が長いほど焦点距離の長い拡大鏡を 採用 して も よ い。
さ ら には、 反射手段と してのホ ロ グラ ムではな く 、 ウ ィ ン ドシール ドに保持さ れた メ イ ンホ ロ グラ ムに、 ホ ロ グラ ム と メ イ ンホ ロ グラ ム と の光路長の長いほど、 焦点距離の長 く な る拡大鏡を採用 して も よ い し、 反射手段と してのホ ロ グラ ム と メ イ ンホ ロ グラ ムの双方に、 ホ ロ グラ ム と メ ィ ンホ ロ グラ ム と の光路長が長いほど、 焦点距離の長 く な る拡大鏡を記録 して も よ い。
(第 1 8 実施例)
第 1 8 実施例においては、 第 4 5 図に示す画像表示装置において、 メ ィ ンホ ロ グラ ムおよび ま た は反射手段と してのホ ロ グラ ムに、 第 9 実施例に記載 した特性を記録する こ と を特徴と する。
すなわち、 これらホログラムの少な く と も一方には、 表示器 2 から の表示光 8 1 の特定波長のみを反射させる回折作用を有し、 該回折作 用の回折効率 7? が最大値 7? となる回折効率の極大波長を λ 。 と して、 回折効率が最大値 7? の 5 0 %となる回折効率の半値波長を ; I 。土 Δ λ h と した時、 メ イ ンホログラムおよび Zまたは反射手段と してのホロ グラムの端部において、 表示画像の反射する時における入射光と反射 光がなす角 0 が、 極大波長 λ 。 と半値波長 ; I 。 土 Δ λ h との波長差 Δ λ „ によ って 0 . 3 3 ° 以上変化しないよ う に したこ とを特徴とする このよ う な構成とする こ と によ って、 メ イ ンホログラムおよび反射 手段であるホロ グラムによ って、 表示画像を 2 倍以上拡大させたと し て も、 表示画像に対する色収差によるぼやけのない良好な画像とする こ と がで き る。
(第 1 9 実施例)
第 1 9 実施例においては、 前記第 1 実施例乃至第 1 3 実施例の表示 画像の歪み補正機能を画像表示装置であるスタ ン ドアロー ンタ イ プの へッ ドア ッ プディ スプレイ に適用する例を述べる。
このスタ ン ドアロー ンタイ プのへッ ドア ッ プディ スプレイ を第 4 6 図に示す。
こ こで、 ス タ ン ドア ロー ン タ イ プのへ ッ ドア ッ プディ ス プ レ イ 1 8 0 は、 車両のダッ シユボー ド上に設け られている。
そ して、 このへッ ドア ッ プディ スプレイ 1 8 0 においては、 表示画 像形成手段である表示器 1 8 1 によ って形成された表示画像が、 光源 1 8 1 a によ り表示光 1 8 2 と して出射される。 そ してこ の表示光 1 8 2 は、 反射手段であるホロ グラム 1 8 3 によ って反射される。 そ し て、 こ の反射された表示光 1 8 2 は、 表示器 1 8 1 , 光源 1 8 1 a お よびホロ グラム 1 8 3 を保持するケース 1 8 4 に形成された開口部 1 8 4 a を通過する。 その後、 メ イ ンホロ グラム 1 8 5 に照射され、 表
示光 1 8 2 を結像させる こ と によ っ て、 表示画像を表示する。 こ の時 、 ホログラム 1 8 3 と メ イ ンホロ グラム 1 8 5 との光路長が異なる箇 所において異なる長さを有しているため、 メ ィ ンホログラムによ って 結像される表示画像に歪みを有して しま う。
第 1 9 実施例においては、 このよ う な像の歪みを第 1 実施例乃至第 1 3 実施例に示す手段において、 歪みのない良好な表示画像を得る も のである。
即ち、 メ イ ンホロ グラム 1 8 5 に拡大作用を設けるため方向によ つ て異なる曲率を有する凹面鏡を形成した場合には、 こ の曲率を打ち消 すよ う にホログラム 1 8 3 の凹面鏡の曲率を方向によ って異な ら しめ てもよい。
尚、 こ の時記録される凹面鏡は軸外 し凹面鏡がよい。
さ らに、 の時、 メ イ ンホログラム 1 8 5 の横方向 (第 1 方向) の 曲率が縦方向 (第 2 方向) の曲率よ り も大であったな らば、 ホロ グラ ム 1 8 3 のメ イ ンホログラム 1 8 5 の第 1 方向と光学的に平行な第 3 の方向の曲率をメ イ ンホログラム 1 8 5 の第 2 方向と光学的に平行な 第 4 の曲率よ り も小と してもよい。
また、 このホロ グラム 1 8 3 と メ イ ンホログラム 1 8 5 との光路長 において、 この光路長の長さが長いほど、 ホログラム 1 8 3 またはメ イ ンホログラム 1 8 5 さ らには双方の焦点距離を長 く してもよい。
さ らには、 第 9 実施例の如 く 、 ホログラム 1 8 3 またはメ イ ンホロ グラム 1 8 5 に記録される拡大鏡の特性を特有の ものと してもよい。 上記手段を採用する こ と によ って、 メ イ ンホログラム 1 8 5 によ つ て得る こ とのでき る表示画像は歪みのない鮮明な画像とする こ とがで き る。
第 1 9 実施例において、 反射手段と してホロ グラム 1 8 3 を採用 し たが、 第 1 9 実施例においては特にホログラムに限定される ものでは な く 、 単に平面鏡でもよい し、 特有の凹面鏡でもよい。
また、 メ イ ンホロ グラム 1 8 5 においても同様の反射特性を有する 凹面鏡やハー フ ミ ラーであってもよい。
さ らに、 第 1 9 実施例においては、 ホログラムと して重ク ロム酸ゼ ラチ ンをもちいたが、 フ ォ ト ポ リ マーおよびエンボスを採用 してもよ い。
また、 第 1 9 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ 1 8 0 では車両の ダッ シユボー ド上に設けたが、 ダッ シユボー ドへの組み込みやその他 への取り付けでもよい。
(第 2 0 実施例)
第 2 0 実施例においては、 前記第 1 実施例乃至第 1 3 実施例の表示 画像の歪み補正機能を画像表示装置である直接投影型のウ イ ン ドシ— ル ドに封入されたへッ ドア ッ プディ スプレイ に適用する例を述べる。
この直接投影型のへッ ドア ッ プディ スプレイ 1 9 0 を第 4 7 図に示 す。
こ こで、 1 9 1 は表示画像形成手段である表示器、 1 9 2 はウ ィ ン ドシール ド、 1 9 3 はウ イ ン ドシール ド内に保持された異なる方向で 異なる焦点距離を有するホロ グラムである。
こ の時、 ホロ グラム 1 9 3 には、 第 1 実施例乃至第 1 3 実施例に適 用される特性を有している。
具体的には、 こ のホログラム 1 9 3 には、 第 1 実施例に述べたよ う な軸外 しの凹面鏡が記録されていてもよい。
また、 このホロ グラム 1 9 3 には、 ウ イ ン ドシール ド 1 9 2 の曲率 に打ち消すよ う な異なる方向で異なる曲率を有する凹面鏡を記録して もよい。
また、 異なる方向で異なる曲率を有する時、 その曲率がウ イ ン ド シ 一ル ドの横方向 (第 1 方向) に光学的に平行なホロ グラ ムの第 3 方向 の曲率が、 ウ ィ ン ドシール ドの縦方向 (第 2 方向) に光学的に平行な ホロ グラムの第 4 方向の曲率よ り も小と して もよい。
さ らに、 ホロ グラム 1 9 3 と表示器 1 9 1 との間の光路長が長い程 、 ホロ グラム 1 9 3 の焦点距離を長 く してもよい。
さ らには、 ホログラム 1 9 3 の反射特性を第 9 実施例に述べた特性 と してもよい。
上記手段を採用する こ と によ って、 十分拡大したと しても歪みのな い良好な表示画像を得る こ とができ る。
(第 2 1 実施例)
第 2 1 実施例においては、 前記第 1 実施例乃至第 1 3 実施例の表示 画像の歪み補正機能を画像表示装置であるバッ ク ミ ラー取付タ イ プの ヘッ ドア ッ プディ スプレイ に適用する例を述べる。
このバッ ク ミ ラー取付タ イ プのへッ ドア ッ プディ スプレイ 1 9 5 を 第 4 8 図に示す。
こ こで、 1 9 6 は表示画像形成手段である表示器、 1 9 7 は車室内 に設け られたバッ ク ミ ラー、 1 9 8 はバッ ク ミ ラー 1 9 7 に取り付け られた表示手段であるホログラムである。
この時、 ホロ グラム 1 9 8 には、 第 1 実施例乃至第 1 3 実施例に適 用される特性を有する こ と によ って、 結像機能, 拡大機能および補正 機能を有している。
具体的には、 こ のホログラム 1 9 8 には、 第 1 実施例に述べたよ う な軸外しの凹面鏡が記録されていてもよい。
また、 このホログラム 1 9 8 には、 ホログラム 1 9 8 と表示器 1 9 6 との間の光路長が長い程、 ホロ グラム 1 9 8 の焦点距離を長 く して もよい。
さ らには、 ホロ グラム 1 9 3 の反射特性を第 9 実施例に述べた特性 と してもよい。
上記手段を採用する こ と によ って、 十分拡大したと しても歪みのな い良好な表示画像を得る こ とができ る。
ま た、 第 2 1 実施例において、 表示手段と してホロ グラムを採用 し
たが、 本実施例ではホロ グラムに限定される ものではな く 、 上記反射 特性を有する非球面凹面鏡でもよい し、 またハー フ ミ ラーでもよい。 (第 2 2 実施例)
第 2 2 実施例は、 コ ンパク 卜な設置スペー スにおいて、 十分に遠方 拡大された良好な表示像を得る こ とのでき る画像表示装置に関する も のである。
即ち、 第 2 2 実施例においては、 以下の課題をも解決する こ とので き る もののてある。
第 5 3 図に示すよ う に、 補正用ホログラム 2 0 0 を第 1 ホロ グラム である メ イ ンホロ グラム 2 0 1 と は逆の分散作用を有するホログラム とする こ と によ って、 第 2 ホロ グラムである補正用ホロ グラム 2 0 0 によ り色収差を補正する こ とができ る。
この構成では、 波長の異なる光 2 0 2 , 2 0 3 がメ イ ンホロ グラム 2 0 1 で回折 · 反射された後、 同一光路を取って観者 2 0 5 の目付近 にて結像する。
し力、しな力くら、 両ホロ グラム 2 0 0 , 2 0 1 の間の距離 L ! が大き く なる と、 補正用ホログラム 2 0 0 の幅 wも大き く なる。 その結果、 第 5 4 図に示すよ う に、 異なる場所から出た波長の異なる光 2 0 3 , 2 0 4 が、 再び同一光路で観者の目に入る と いう色収差現象を生じ、 表示像をぼやけさせて しま う と い う 問題が生ずる。
そのため第 2 2 実施例においては、 メ イ ンホログラムと補正用ホロ グラムとの双方に拡大機能を持たせる と と もに、 補正用ホログラムに 色収差補正機能を有する こ とを特徴とする。
以下第 4 9 図乃至第 5 2 図を用いて説明する。
第 4 9 図に第 2 2 実施例のへッ ドア ッ プディ スプ レ イ 2 1 0 を示す 第 2 2 実施例においては、 表示画像形成手段である表示器 2 から発 せられた表示画像 2 1 1 に関する表示光 2 1 2 を、 観者 2 0 5 の前方
のウ イ ン ドシール ド 2 1 3 に配設した第 1 ホロ グラムであるメ イ ンホ ログラム 2 1 4 によ り回折 · 反射させる。 そ して、 表示画像 2 1 1 に 対応する再生光 2 1 5 を結像させて観者 8 が視認でき るよ う に構成さ れている。
上記メ イ ンホログラム 2 1 4 は、 像を拡大する拡大鏡の回折 · 反射 特性を有しており、 またメ イ ンホログラム 2 1 4 の前段には、 像を拡 大する光学素子である第 2 ホロ グラムであるサブホログラム 2 1 6 を 配設してある。
そ して、 上記サブホログラム 2 1 6 は、 像の拡大作用の他に、 メ イ ンホログラム 2 1 4 の色収差を補正する回折 · 反射特性を有している 第 2 2 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ 2 1 0 においては、 表示 器 2 から発せられた表示光 2 1 2 は、 サブホログラム 2 1 6 において 回折 · 反射され、 メ イ ンホロ グラム 2 1 4 の表示光 2 1 2 となる。 そ して、 こ の表示光 2 1 2 は、 メ イ ンホログラム 2 1 3 で回折 · 反射さ れ、 表示画像に対応した再生光 2 1 5 が観者 2 0 5 の目に入るよ う結 像される。
尚、 メ イ ンホログラム 2 1 4 は、 ガラスからなる ウィ ン ドシール ド 2 1 3 の内部に保持されている。
メ イ ンホログラム 2 1 4 は、 第 5 0 図に示すよ う に、 感光材 2 2 0 の両側から、 平行光線である参照光 2 2 1 と、 発散光である物体光 2 2 2 とを照射して干渉縞を形成したホログラムである。
そ して、 第 5 1 図に示すよ う に、 完成したメ イ ンホロ グラム 2 1 4 に、 第 5 0 図に示す物体光 2 2 2 と同様の発散光 2 2 3 を入射すれば 、 平行光線である再生光 2 1 5 が得られる。
一方、 サブホロ グラム 2 1 6 の露光工程は、 第 5 2 図に示すよ う に 、 発散光である物体光 2 2 4 と、 平行光線である参照光 2 2 5 を用い る点は、 第 5 0 図と同様であるが、 それぞれの光路に補正用の光学素
子 2 2 6 , 2 2 7 を配設する点で相違する。
上記捕正用の光学素子 2 2 6 , 2 2 7 を介する こ と によ って、 第 5 3 図から も理解される如 く 、 サブホロ グラム 2 1 6 は、 像の拡大作用 の他に、 メ イ ンホロ グラム 2 1 4 の発散 (色収差) を打消す機能を有 する こ とがきてる。
次に第 2 2 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ 2 1 0 の作用効果に ついて述べる。
第 2 2 実施例のへッ ドア ッ プディ スプレイ 2 1 0 においては、 メ イ ンホロ グラム 2 1 4 とサブホログラム 2 1 6 とが共に像の拡大作用を 有しており、 表示画像 2 1 1 は、 両ホログラム 2 1 4 , 2 1 6 におい て 2 段階に拡大される。 それ故、 表示器 2 と メ イ ンホログラム 2 1 4 との間の光路に沿った空間的な距離 L 。 を同一にすれば、 表示画像 2 1 1 は、 観者 2 0 5 の前方に大幅に遠方拡大して表示する こ とができ る。
逆に、 同一サイズの遠方拡大像は、 上記空間距離 L。 を大幅に減縮 して実現でき る。 それ故、 へッ ドア ッ プディ スプレイ 2 1 0 は大幅に コ ンパク 卜なスペー ス に実現する こ とができ る。
また、 ホロ グラム 2 1 6 に対しては、 メ イ ンホロ グラム 2 1 4 に対 する充分な色収差補正機能を保持させる こ とができ る。 従って、 表示 画像 2 1 1 は、 色収差のない明瞭な像となる。
上記のよ う に、 第 2 2 実施例によれば、 コ ンパク 卜な設置スペー ス において、 充分に遠方拡大された表示像を得る こ とができ る と共に、 色収差を補正した明瞭な表示像を得る こ とのでき るヘッ ドア ッ プディ スプレイ を提供する こ とができ る。
即ち、 第 2 2 実施例によれば、 表示画像の拡大作用をホロ グラムと 光学素子との両方が分担する時、 表示画像形成手段である表示器から ホロ グラムへの距離は、 第 2 ホロ グラムである光学素子が拡大作用を 持たない場合に比べて、 大幅に短 く する こ とができ る と共に、 拡大光
学素子の幅 (第 5 3 図の wに相当) を小さ く する こ とができ る。
そ して、 表示器と第 1 ホログラムとの距離を短く する こ とができ る から、 へッ ドア ッ プディ スプ レ イ はコ ンパク 卜 なスペースに構成する こ とが可能である。
更に、 拡大用の光学素子を第 1 ホログラムと した場合には、 該第 2 ホロ グラムであるサブホログラムに対して、 その後段の第 1 ホロダラ ムである メ ィ ンホ ロ グラ ムの色収差を補正する回折 · 反射特性を保持 させる こ とができ、 その結果、 表示画像は一段と明瞭になる。
即ち、 第 5 3 図に示すメ イ ンホログラム 2 0 1 とサブホログラム 2 0 0 との距離 L , 及びサブホログラム 2 0 0 の幅 wを小さ く 保持した ま まで、 へッ ドア ッ プディ スプレイ に対して強力な表示像の遠方拡大 作用を持たせる こ とができ るから、 第 5 4 図に示すよ う にサブホロ グ ラ ムの色収差捕正機能が減殺される こ とがない。
上記のよ う に、 第 2 2 実施例によれば、 コ ンパク 卜な設置スペース において、 充分に遠方拡大された良好な表示像を得る こ と のでき る車 両用の画像表示装置であるへッ ドア ッ プディ スプレイを提供する こ と ができ る。
(第 2 3 実施例)
従来よ り画像表示装置であるへッ ドア ッ プディ スプ レ イ の コ ンパク 卜化が強く 望まれており、 そのために こ のヘッ ドア ッ プディ スプレイ を構成する第 1 ホログラムである メ イ ンホログラム 2 1 4 や第 2 ホロ グラムであるサブホログラム 2 1 6 の取付角度やホログラム自体の大 き さ に様々 な制約が必要となってきている。
これらの制約のため、 第 9 実施例に詳細に述べたよ う に、 サブホロ グラム 2 1 6 やメ イ ンホログラム 2 1 4 の入射角度および出射角度に よ っては、 再生光 2 1 5 や表示光 2 1 2 の特定波長における反射角度 の相違によ って、 色収差発生と いう 問題が生じる。
そのため、 第 2 3 実施例においては、 サブホログラム 2 1 6 および
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メ イ ンホログラム 2 1 4 のそれぞれの有する波長毎による反射角度の 相違を互いに相殺させるよ う に したこ とを特徴とする。
第 2 3 実施例の具体的な構成を第 4 9 図を用いて詳細に述べる。 第 2 3 実施例では第 2 2 実施例と略同一のへッ ドア ッ プディ スプレ ィの構成を有しており、 ただサブホロ グラム 2 1 6 と メ イ ンホロ グラ ム 2 1 4 との位置関係に特徴を有する ものである。
即ち、 サブホログラム 2 1 6 において、 その入射角度を α 1 および 出射角度を /3 1 と し、 メ イ ンホログラム 2 1 4 において、 その入射角 度を α 2 および出射角度を;3 2 と した時、
α 1 + β 2 ^ α 2 + β 1 (1)
実質的に(1)式を満足するよ う にサブホロ グラム 2 1 6 と メ イ ンホロ グラム 2 1 4 とが設け られている。
このよ う な構成とする こ と によって、 サブホログラム 2 1 6 および メ イ ンホログラム 2 1 4 のそれぞれの有する波長毎による反射角度の 相違を互いに相殺させるよ う にする こ とができ、 色収差の発生を防止 する こ とができ る。
また、 第 2 3 実施例においては、 サブホロ グラム 2 1 6 およびメ イ ンホロ グラム 2 1 4 には、 もちろん拡大機能を有していても上記効果 を得る こ とができ る。
(第 2 4 実施例)
車両 2 3 0 が変化する こ と によ って、 ウ イ ン ドシール ド 2 3 1 の形 伏変化に伴いホログラムである メ イ ンホログラム 2 3 2 の光学特性が 変ィ匕して しま う。 さ らに、 車両によ って、 メ イ ンホロ グラム 2 3 2 の 表示する表示画像の表示特性である例えば表示距離または表示位置等 もまた変化させな く てはいけない。
しか しながら、 各車両間においてメ イ ンホロ グラム 2 3 2 の特性を 変ィ匕させる こ と は、 メ イ ンホロ グラ ム 2 3 2 がウ イ ン ドシ一 ノレ ド 2 3 1 内に封入されている こ とから非常に困難である。
そのため、 第 2 4 実施例においては、 メ イ ンホログラム 2 3 2 を変 化させる こ と な く 上述した光学特性および表示特性の各車両間におけ る要求をみたさせる こ とを特徴とする ものである。
即ち、 第 2 4 実施例においては、 反射手段であるサブホログラム 2 3 3 の反射特性を変更させる こ と によ っ てのみによ って、 各車両間に 必要な光学特性、 表示距離および表示位置を変化させる。
(第 2 5 実施例)
第 5 6 図は、 第 2 5 実施例を適用 した画像表示装置である車両用へッ ドア ッ プ式ホ ロ グラ ム表示装置の断面図を示 し、 第 5 7 図はその動作を 表す模式図を示す。
この車両用へッ ドア ッ プ式ホロ グラム表示装置 2 3 0 は、 以下の構成 を有している。
即ち、 ウ イ ン ド シ一ル ド 2 3 1 の内面には、 表示手段である フ ミ ラー 2 3 2 が蒸着されている。 そ して、 ウ イ ン ドシール ド 2 3 1 の下方 には、 反射手段であるホロ グラム板 2 3 3 が配設されている。 このホロ グラム板 2 3 3 の後方には、 ホログラム板 2 3 3 と略平行に配設された ミ ラ一 2 3 4 が設け られている。 さ らに、 ホログラム板 2 3 3 の下方に は、 画像形成手段である表示部 2 3 5 が設け られている。 これらホロ グ ラ ム板 2 3 3 、 ミ ラー 2 3 4 及び表示部 2 3 5 は図示 しないイ ンス ト ラ メ ン ト パネノレ内に収容されてい る。
表示部 2 3 5 は、 第 2 5 実施例では、 光源 2 3 5 a と、 光源 2 3 5 a の前方に配設された液晶パネル (本発明でいう液晶式表示体) 2 3 5 b と力、らなる。
光源 2 3 5 a は、 中心波長 5 4 5 n m (グリ ー ン) 、 半値幅 1 8 n m の発光スぺ ク ト ルを もつ Z n S : T b 系のエ レ ク ト ル ミ ネ ッ セ ンス素子 と、 中心波長 5 8 5 n m (ア ンバ) 、 半値幅 2 2 n mの発光スペ ク ト ル を もつ Z n S : M n系のエ レク ト ノレ ミ ネ ッ セ ンス素子とを有するエ レク 卜 ロ ノレ ミ ネ ッ セ ン スパネ ノレ ( E L パネル) であ っ て、 輝度と して 5 0 0
0 c d / m 2 ( 5 4 5 n m ) 、 4 5 0 0 c d Zm 2 ( 5 8 5 n m ) とす るため 5 Wの入力電力を供給する。
液晶パネル 2 3 5 b は通常の液晶パネルであって、 偏光方向が 9 0 度 異なる一対の図示 しない偏光膜の間に配設された図示 しない一対のガラ ス板の間に所定厚さの液晶膜を有する。 そ して、 上記両ガラ ス板に形成 された図示しない透明電極間に電圧を印加する こ と によ り、 液晶膜の偏 光角を制御 し、 これによ り光源 2 3 5 a から液晶パネル 2 3 5 b に投射 された光が空間変調されて信号光となる。 信号電圧に応じた所定画像を 表す信号光は ミ ラ一 2 3 4 で反射してホロ グラム板 2 3 3 に入射する。 なお、 液晶パネル 2 3 5 b は、 速度、 ゥ オーニング、 方向指示、 地図等 の情報を表示する機能を有する。
ホログラム板 2 3 3 を第 5 8 図を参照して以下に詳細説明する。
2 6 0 は透明なガラ ス基板で、 互いに対向する大表面を備えている。 その一方の表面にはホログラム素子 2 6 1 が付設されている。 ホロ グラ ム素子 2 6 1 には干渉縞からなる凹レ ンズが記録されている。 干渉縞は 、 感光剤に対する レーザ光の入射角を変化させる こ とで 2 9 0 n m、 3 2 0 n mの異なる ピッ チを有する曲率を持っている。
2 6 2 は透明なガラスよ り構成されたカバ一プレー 卜であり、 カバー プレー ト 2 6 2 の一面は、 透明な防湿用シ ー ル材 2 6 3 を挟んで、 ガラ ス基板 2 6 0 のホロ グラム素子 2 6 1 が付設されていない側の面に接し ており、 カバ—プレー ト 2 6 2 の他面には反射防止膜 2 6 4 が形成され ている。
2 6 5 は透明なガラ スよ り構成されたカバープレー 卜である。 この力 バープレー ト 2 6 5 の一面には透明な防湿用シール材 2 6 3 を挟んで、 ガラ ス基板 2 6 0 のホログラム素子 2 6 1 側の面に接している。
また、 カバ—プレー ト 2 6 5 の他面には散乱吸収膜 2 6 6 が形成され ている。
なお、 カバ— プレー 卜 2 6 2 および 2 6 5 を省略 して、 反射防止膜 2
6 4 をガラ ス基板 2 6 0 に形成してもよい。 また、 散乱防止膜 2 6 6 は カ ノく'一プレー ト 2 6 5 の他の面に形成してもよい。
ホログラム素子 2 6 1 の作製方法を以下に説明する。
先ず、 感光剤と しての重ク ロム酸ゼラチン ( D . C . G ) をガラ ス基 板 2 6 0 の表面に 1 0 〃 n!〜 4 0 / mの厚さに塗布し、 ゲル化または乾 燥後、 2 0 °C、 5 0 R H %程度の雰囲気にて安定させる。 その後、 上記 感光剤に拡大鏡と しての凹面鏡を上記二波長の レーザー光で記録し、 現 像、 乾燥後、 シール剤 2 6 3 でカバープレー ト 2 6 1 , 2 6 3 の間に挟 持し、 固定する。
上記記録の方法を第 5 9 図を参照して説明する。
まず、 感光剤塗布済みのガラ ス基板 2 6 0 を屈折率変化低減用の屈折 率調整液である シ リ コ ンオイル 2 7 0 を介してプリ ズム 2 7 1 及び凹レ ンズ 2 7 2 に密着させる。
次に、 プリ ズム 2 7 1 側よ り波長 5 1 4 . 5 n mのアルゴン · レーザ 光を入射光と して入射させる。 入射後、 屈折率が均質であるので、 レー ザ光は凹レ ンズ 2 7 2 側へ直線的に進行し、 凹面鏡 2 7 2 の大気側の表 面に形成された反射膜 2 7 2 a で反射された反射光が感光剤を通過する 際に、 レーザ光から直接照射され凹面鏡 2 7 2 に反射する前の光と干渉 し、 感光剤中にて干渉縞を形成する。
なお、 凹面鏡 2 7 2 による反射光の一部はシ リ コ ンオイ ル 2 7 0 を通 じて基板ガラ ス 2 6 0 を通過 してプリ ズム 2 7 1 に再入射する。 そ して 、 再入射した反射光は、 プリ ズム 2 7 1 の入射面 2 7 1 aで一部が反射 する。
この場合、 第 6 0 図に示すよ う に、 プ リ ズム 2 7 1 の入射面 2 7 1 a の角度 α ( こ こ では 3 0 ° ) を入射光に対して適当に設定し、 プ リ ズム 2 7 1 の入射面 2 7 1 a の反射光が感光剤の方向へ再び反射しないよ う にする。 こ こ では、 プリ ズム 2 7 1 の側面 2 7 1 b に黒色塗装を行い、 プ リ ズム 2 7 1 の入射面 2 7 1 a の反射光を側面 2 7 1 b で吸収 してい
る。
感光工程の一例を更に具体的に説明する。
1 1 2 m m X 4 6 m m x 1 . 8 m mのガラス基板 (ソーダガラ スよ り な り、 屈折率約 1 . 5 2 ) 2 6 0 に厚さ 2 5 /^ mの感光剤と しての重ク ロム酸ゼラ チ ン膜を形成した。 なお、 感光剤は、 1 0 0 m 1 の 4 %ゼラ チ ン溶液に 0 . 6 gの重ク ロム酸ア ンモニゥムを溶解した もので、 屈折 率約 1 . 5 5 である。
この感光剤を付与したガラ ス基板 2 6 0 を 2 0 °Cおよび 5 0 % R Hの 雰囲気に保持された乾燥器内で 7 2 時間放置 した。
その後、 第 5 9 図の装置で波長 5 1 4 . 5 n mのアルゴン ' レーザ光 を再生光 (入射角 3 3 . 5 の時) 5 4 0 n m、 6 0 0 n mの 2 色になる よ う入射角を僅かに変え、 トータル 5 0 O m J の レーザ · パワーを感光 剤を露光した。 レ ンズ 2 7 2 の焦点距離は 1 0 0 0 m mと した。
露光後、 ガラ ス基板 2 6 0 を色が抜けるまで水洗し、 市販の写真用硬 膜定着液 (コ ダッ ク社のラ ピッ ド · フ ィ クサ) に 1 0 分間浸潰した。 水 洗処理後、 9 0 %のイ ソパロパノ ール液に 1 0 分間浸漬し、 熱風乾燥し た。 その後、 1 5 0 °Cで 4 時間熱エージ ングする こ とで実車環境で波長 変化がないよ う に した。
次に、 所定厚さの M g F 2 と T i 02 とを交互に 4 層積層 した視感反 射率 0 . 2 %の反射防止膜 (旭ガラ ス k k製) 2 6 4 が被着されたカバ —プレー ト ( 1 1 2 mm x 4 6 mm x l . 0 m m) 3 3 を用意した。 更に、 エポキシ樹脂に黒色の顔料 (カ シュ一製グラスラ イ ト 5 0 0 ) を 5 %添加して混合 してなる厚さ 1 0 mの散乱防止膜 2 6 6 が被着さ れたカバ一プレー ト ( 1 1 2 mm x 4 6 x m m x l 0 / m ) 2 6 5 を用 意 した。
そ して、 エポキシ系熱硬化型樹脂 (セ メ ダイ ン社製、 商品名 C S — 2 3 4 0 — 5 ) よ り なる屈折率 1 . 5 5 のシール剤 2 6 3 を、 カバープレ — 卜 2 6 2 , 2 6 5 の表面に各々 5 0 〃 m厚みとなるよ う に塗布し、 こ
れらカバ—プレー ト 2 6 2 , 2 6 5 で基板ガラス 2 6 0 を挟持した。 再生光の波長は、 信号光の入射角 3 0 ° の時 5 4 O n m 、 5 8 0 n m を中心と し、 回折効率 9 2 % ( 5 4 0 n m ) 、 9 0 % ( 5 8 0 n m ) 、 回折効率半分の所でのスぺ ク ト ルの幅 (以下半値幅と いう ) を 2 0 n m ( 5 4 0 n m ) ^ 2 1 n m ( 5 8 0 n m ) と した。
反射防止膜 2 6 4 の反射特性を第 6 0 図に示す。
尚、 ハー フ ミ ラ ー 2 3 2 は、 薄い銀膜の真空蒸着によ り形成されてい る。
以下、 この装置の動作を第 5 7 図を用いて説明する。
光源 2 3 5 a から出た 2 色の光は液晶パネル 2 3 5 bで空間変調され る。 そ して、 ミ ラー 2 3 4 で反射してホログラム板 2 3 3 の反射防止膜 2 6 4 、 カ ノ ' —プレー 卜 2 6 2 、 基板ガラス 2 6 0 を経てホログラム素 子 2 6 1 に到って回折される。 その後は、 回折光すなわち再生光と して 逆の経路を迪り、 反射防止膜 2 6 4 から上方へ放射され、 ハー フ ミ ラ ー 2 3 2 で反射して視認方向へ進み、 運転者に遠方に表示された虚像と し ての視認される。
第 2 5 実施例では以下の作用効果を奏する。
まず第一に、 第 2 5 実施例においては、 第 6 1 図に示す如 く 光源 2 3 5 a の発光スぺ ク ト ノレと ホ ロ グラ ム板 2 3 3 のホ ロ グラ ム素子 2 6 1 の 回折スぺク トルとを一致させている。 そのため、 光源 2 3 5 aから放射 されても上記回折に関与しないスぺク トル (以下、 不要スぺ ク トルと い う ) の光が光源 2 3 5 a よ り放射されていないので、 液晶パネル 2 3 5 b に こ の不要スぺク ト ルが入射せず、 液晶パネル 2 3 5 b で吸収されて 液晶を加温する こ とが無く 、 それによる液晶のコ ン ト ラ ス ト低下などの 問題が大幅に軽減される。
更に説明すれば、 ホログラム板 2 3 3 の回折ピーク波長と光源 2 3 5 a の発光スぺク ト ルの波長はほぼ同一の ピーク波長値を もち、 光源 2 3 5 a の発光スぺク ト ルの上下半値幅波長値の間の波長範囲は、 ホロ グラ
ム板 2 3 3 の回折スぺク ト ルの上下半値幅波長値の間の波長範囲の + / — 3 0 %以内の範囲とするのがよい。
なおこ こで、 上下半値幅波長値と は、 下側の半値幅の波長値と上側の 半値幅の波長値の間の波長範囲 (スぺク トル幅) を意味し、 その + ー 3 0 %以内と は、 光源及びホログラム板の両下側の半値幅波長値の差 + 両上側の半値幅波長値の差の和がホロ グラム板の回折スぺク ト ルの上下 の半値幅波長範囲に対して +ノ一 3 0 %以内という こ とを意味する。
また、 液晶パネル 2 3 5 b を不要スぺク ト ルの光が透過する こ とがな いため、 ホログラ ム板 2 3 3 の反射防止膜 2 6 4 などで反射し、 ハーフ ミ ラ一 2 3 2 で反射する こ と による視認方向へ向かう こ とをも防止する こ とができ る。
上記したよ う に、 反射防止膜 2 6 4 は ミ ラー 2 3 4 からの信号光が反 射するのを防止するために信号光のスぺク トルに対してその反射を極小 と しているため、 信号光以外の不要スぺク ト ルの光に対してはそれよ り も大きな反射特性を有する。 そのために、 上記不要スぺク トルの光の一 部は反射防止膜 2 6 4 で反射して第 1 のノ イズ光となって視認方向へと 向かい、 S N比を低下させる。
更に、 反射防止膜 2 6 4 を透過 してホロ グラム板 2 3 3 内部に不要ス ぺク ト ルの光が入ったと しても、 ホログラム素子 2 6 1 で回折されずに 例えばカバ一プレー ト 2 6 5 の表面で反射され、 第 5 8 図に示すよ う に 視認方向へ進む第 2 の ノ ィ ズ光とな って、 信号光の S N比を低下させる こ とができ る。
第 2 5 実施例によれば、 光源 2 3 5 a の発光スぺ ク ト ルが回折スぺ ク トルと略一致させているので不要スぺク トルを殆ど含まず、 その結果上 述のよ う に、 液晶の加温防止と と もに信号光の S N比の改善を実現する こ とができ る。
第二に、 第 5 6 図に示すよ う に信号光と ほぼ逆方向に太陽光がホロ グ ラ ム素子 2 6 1 に入射する場合を考える。
この場合、 太陽光の回折スぺク トル成分はホロ グラム素子 2 6 1 で回 折されて ミ ラー 2 3 4 を介 して液晶パネル 2 3 5 bへ入射し、 その一部 は、 液晶パネル 2 3 5 b の表面で反射して再度ホログラム板 2 3 3 へ向 かう。
ただし、 液晶パネ ル 2 3 5 b の表面に反射防止膜を設ける こ と によ り 再度ホログラム板 2 3 3 へ向かう太陽光成分は極めて小さ く でき る。
しかしながら、 太陽光スぺ ク ト ルの大部分を占めるその不要スぺ ク ト ル成分は、 ホログラム板 2 3 3 のホロ グラム素子 2 6 1 で回折されない ために、 ごく 僅かしか ミ ラー 2 3 4 を介して液晶パネル 2 3 5 bへ入射 せず、 液晶パネル 2 3 5 b の液晶を加温する こ とが無い。
すなわち第 2 5 実施例によれば、 例えば真夏昼天時に 1 0万ル ク ス に も及ぶ強力な太陽光の大部分が液晶パネル 5 2 に入射してそれを加温す るのを回避でき る。
第三に、 第 2 5 実施例の装置は、 上記した第 2 のノ イズ光が低減でき る利点を有する。
すなわち第 2 5 実施例でほ ミ ラー 2 3 4 からホログラム板 2 3 3 へ入 射し、 ホログラム素子 2 6 1 を透過 した信号光又は再反射太陽光の多 く は散乱吸収膜 2 6 6 で吸収される。 なぜな ら、 散乱吸収膜 2 6 6 と カバ 一ガラス 2 6 5 との屈折率はなるべく 等し く 設定されているからである o
また、 第 2 5 実施例においては、 光源 2 3 5 a と してハロゲンラ ンプ を用い、 液晶パネル 2 3 5 bへの入射光のスぺク トルをグリ ー ン +ア ン バとするために、 複数枚の色フ ィ ルタを重ねて用いる。
こ こ で、 色フ ィ ルタ配設前の液晶パネル 2 3 5 b の放射輝度は 3 5 0 0 0 c d / m 2 (消費電力 1 5 W時) 、 配設後の液晶パネル 2 3 5 bの 輝度はグリ ー ン側のスぺ ク ト ル成分が 1 4 0 0 0 c d / m 2 、 ア ンバ側 のスぺク ト ル成分力く 1 3 0 0 0 c d / m 2 である。 また、 ホログラム板 2 3 3 の表面における輝度はグ リ ー ン側のスぺ ク ト ル成分が 3 0 0 0 c
d / m 2 、 ア ンバ側のスぺク ト ル成分力く 2 8 0 0 c d / m 2 である。 もちろん、 光源 2 3 5 a と しては C R Tその他、 各種の機器を採用で き る こ と は当然である。
なお、 散乱防止膜と しては、 黒色も し く は暗い光を吸収可能な膜を形 成するために例えばエポキシ、 メ ラニン、 アク リ ル等の合成樹脂製バイ ンダ一に、 黒色の等の顔料を添加した ものが挙げられる。
また、 散乱防止膜と しては、 耐久性、 使用環境上問題のない場合には 黒色の塗料やテープ状のもので構成する こ と もでき る。 一方、 反射防止 膜と しては、 M g F 2 、 T i 0 2 、 Z r 0 2 等が挙げられ、 これを単層 も し く はこれらを組み合わせて複層形成してもよい。
また、 超微粒子の S i 0 2 系粒子をディ ッ プコー ト した反射防止膜を 用いても良い。
(第 2 6 実施例)
第 2 6 実施例においては、 複数ピーク形 (双峰形) 回折スぺ ク トルを 有するホログラム板 2 3 3 を用いた場合において光源のスぺク トルを第 6 2 図に示すよ う な特性と した点に特徴を有する。
すなわち、 こ の第 2 6 実施例の光源は回折スぺク ト ルの両ピー ク波長 w 1 、 w 2 の中間に ピーク波長を有している。
更に、 光源の発光スぺク ト ルの短波長側の半値幅波長値 b はホロ グラ ム板 2 3 3 の回折スぺ ク ト ルの短波長側のピーク スぺ ク ト ルの短波長側 の半値幅波長値 a と + / — 3 0 n mの範囲内と され、 同様に光源の発光 スぺク トルの長波長側の半値幅波長値 d はホロ グラム板 2 3 3 の回折ス ぺク ト ルの長波長側の ピーク スぺ ク ト ルの長波長側の半値幅波長値じ と + / - 3 O n mの範囲内と されている。 すなわち、 双峰形スぺク ト ルを 有する回折スぺク トルと光源のスぺク ト ルとの一致を図っている。
こ のよ う にすれば、 第 2 6 実施例と同様に、 回折スぺ ク ト ルと は無関 係な光が液晶式表示体 2 3 5 b に入射するのを防止でき、 更に、 色フ ィ ルタによる光量損失を第 6 2 図の色フ ィ ルタの組合せに比較 して低減す
る こ とができ る。
第 2 6 実施例の光源設計の一例を第 6 3 図に示す。
こ の例では、 光源と して白熱ラ ンプからの白色光をシ ア ン系色フ ィ ル 夕 と、 イェロー系色フ ィ ノレ夕 と によ り処理して第 6 2 図の光源スぺ ク ト ノレを得られている こ とがわ力、る。
上記第 2 5 乃至第 2 6 実施例を採用する こ と によって、 ホロ グラム板 の回折スぺク ト ルは回折原理上、 狭帯域であるので、 液晶式表示体は、 ホログラム板へこ の回折スぺ ク ト ルの波長範囲の光だけを投射すればよ い o
したがって、 光源の発光スぺ ク トルを上記回折スぺク トルの波長範囲 にほぼ等し く 設定する こ と によ り、 信号光の品質に影響を与える こ と な く 、 光源から液晶式表示体に入射する光量を低減して液晶式表示体の温 度上昇によ り画質劣化を抑止する こ とが可能となる。
また、 ホログラム板が複数の回折スぺ ク ト ルのピーク波長を有する装 置において、 ピーク波長が上記回折スぺク ト ルの複数の ピーク波長の間 にある狭スぺク トル光源と したので、 複数ピーク形の回折スぺク トルに 対して光源から液晶式表示体に入射する光量を低減して液晶式表示体の 温度上昇によ り画質劣化を抑止する と と もに、 光源設計を簡単化する こ とができ る。 産業上の利用可能性
以上のよ う に、 本発明に係る画像表示装置は、 歪みのない表示画像 を得る こ とができ るため、 例えば車両用のへッ ドア ッ プディ スプレイ 装置に採用 した場合において、 鮮明な表示画像を提供する こ とができ 有効である。