明細書 情報読取り装置 技術分野
本発明は情報読取り装置に関する ものであ り 、 例えば鏡面反射する 面 (金属面等) に形成された光学的情報 (バ— コ ー ド, O C R等) を 読取る情報読取り装置に用い られる ものである。 背景技術
従来、 例えば、 販売時点管理シ ステムである、 P 0 S ( P o i n t O f S a l e s ) システムに用い られるバ一コー ド リ ーダの読取り作動は、 以 下に述べるよ う に して行われている。
すなわち、 バー コー ドの走査方向の拡大断面図と なる図 7 に示され るよ う に、 紙面上にバー コ 一 ドが印刷された ものにおいては、 まず黒 色部のバー 2 0 および白色部のスペー ス 2 1 からなるノく ーコー ドに対 して図示されない光源よ り照射光 2 0 0 が照射される。
すると、 バー 2 0 に入射した照射光 2 0 0 は、 バー 2 0 表面で拡散 反射する ものの、 黒色部のバー 2 0 では反射率が低いために、 光電変 換素子であるイ メ ー ジセ ンサ (例えば C C D ) に結像する反射光の光 強度は極めて小さ い ものとなる。
一方、 スペース 2 1 に入射した反射光は、 バー 2 0 と同様にスぺ一 ス 2 1 表面で拡散反射するが、 白色部のスペー ス 2 1 では反射率が高 いために、 イ メ ージセ ンサに結像する反射光の一部 (反射光 2 0 1 ) の光強度はバー 2 0 表面からの反射光に比して大き い ものとなる。 し たがっ て、 イ メ ー ジセ ンサで受光 した反射光の光強度の差によ って、 バー 2 0 およびスペー ス 2 1 を識別する こ と がで き 、 こ れによ り バー コ ー ドの情報内容が読取られている。
そ して、 上記読取り作動を行う従来のバーコー ドリ ーダでは、 さ ら に、 次のよう な問題に対処した構成となっている。
すなわち、 バーコ 一 ドの表面をラ ミ ネー ト, ビニール等の無色透明 膜が覆っている時に、 イ メ ージセンサに結像するバーコ一 ドからの反 射光が正反射成分の反射光であった場合、 イ メ ージセ ンサでは、 反射 光の光強度が強すぎてハレーショ ンを起こ してしまい、 バー コ 一 ドが 読取れなく なるという問題がある。
そのため、 従来のバーコー ド リ ーダでは、 上記のよう にバーコー ド の表面を無色透明膜が覆っている場合であっても読取りが可能となる よう に、 バーコー ドからの正反射成分の反射光をイ メ ージセンサに結 像させないよう に、 バーコー ドリ ーダのハンジングの形状, 内部光学 系の配置関係を構成して、 拡散反射成分の反射光をイ メ ージセ ンサに 結像させる こ とにより、 上記読取り作動にてバーコ一ドを読取るよう にしている。
と ころで、 近年、 上述したよう なバーコ 一 ドリ ーダを有する P O S システム, F A システムの普及に伴って、 バーコー ドを金属製品、 例 えば手術用のメ ス等に直接マ一キング (焼付処理等) して、 マーキン グされたバーコー ドによる集中管理 (例えば、 手術用のメ スにおいて は、 何日に消毒を済ませたメ スである とか、 消毒前のメ スである と力、 をバーコー ドにより管理する) を行うべく 、 金属製品に形成されたバ 一コー ドに対しても的確に読取りが行える読取り装置が必要となって きている。
しかし、 上述した従来のバーコー ドリ ーダでは、 バ一コー ドからの 正反射成分の反射光をイメ ージセンサに結像させないよう に して、 拡 散反射成分の反射光をイ メ ージセ ンサに結像させるよ う にしているの で、 金属製品等の、 いわゆる正反射成分の光強度が大き く なる面 (鏡 面等) に形成されたバーコ一 ドを読取ろ う と しても、 拡散反射成分の 反射光の光強度が弱すぎるために、 読取り 口をバー コ 一 ド形成面上に
接触配置 して読取る と いう通常の読取り動作ではバー コー ドを読取る こ とができないと いう問題がある。
そ こで本発明は上記問題点に鑑みてなされた ものであ り 、 光が入射 された時に発する反射光の反射成分の う ち、 正反射成分の光強度が 1 つの拡散反射成分の光強度に比 して強く なるよ う な形成面上に形成さ れた光学的情報を少な く と も読取る こ とが可能な情報読取り装置を提 供する こ とを目的とする ものである。 発明の開示
そのため本発明においては、
光が入射された時に発する反射光の反射成分の う ち、 正反射成分の 光強度が 1 つの拡散反射成分の光強度に比して強く なるよ う な形成面 上に形成された光学的情報を読取る情報読取り装置であって、
読取り 口を有するハウ ジ ングと、
前記読取り 口を介 して前記ハウ ジ ング内に入射した前記光学的情報 からの反射光を受光して、 前記光学的情報を読取る読取り手段と、 前記光学的情報に対して面状の拡散照射光を照射 して、 前記光学的 情報よ り前記反射光を発生させる照射手段とを備え、
前記形成面上に前記読取り 口を接触配置 した時に、 前記面状の拡散 照射光の前記形成面による像の少な く と も一部が前記反射光の光路の 延長上に形成されている こ とを特徴とする情報読取り装置を採用する ものである。 - したがって、 照射手段および上述 したよ う な配置関係による照射手 段と形成面との虚像関係によ って、 正反射成分の反射光の光強度は、 虚像の照射手段からの面状の拡散照射光が形成面を透過する透過光の 光強度と実質的に同等となるので、 正反射成分の反射光の光強度を弱 めた上で、 読取り手段に、 こ の反射光を受光させる こ とができ る。
図面の簡単な説明
図 1 は本発明の第 1 実施例を表す概略構成図、 図 2 は本発明の第 2 実施例を表す概略構成図、 図 3 は本発明の第 3 実施例を表す概略構成 図、 図 4 は上記第 3実施例の変形例を表す概略構成図、 図 5 は本発明 の第 4実施例を表す概略構成図である。
図 6 は本発明の第 5実施例を表す概略構成図、 図 7 は紙面にバーコ 一ドが印刷されている場合の従来のバーコ一 ドの読取り原理を説明す るための拡大断面図、 図 8 は金属表面にバーコ 一 ドが印刷されている 場合の従来の読取り原理を説明するための説明図、 図 9 は金属表面に バーコー ドが印刷されている場合の、 拡散光を用いた従来の読取り原 理を説明するための説明図、 図 1 0 は上記第 1 実施例における読取り 原理を説明するための説明図である。
図 1 1 は上記第 1 実施例における読取り原理をさ らに詳細に説明す るための説明図、 図 1 2 は上記第 1 実施例におけるバー コ 一 ドリ 一ダ の断面斜視図、 図 1 3 は上記第 1 実施例におけるバー コ一ドリ ーダの 電気的構成を説明するための概略構成図、 図 1 4 は本発明の第 6 実施 例を表す概略構成図、 図 1 5 は上記第 1 実施例における読取り原理を またさ らに詳細に説明するための説明図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を図に示す各実施例に基づいて説明する。
第 1 〜第 4 , 第 6実施例では本発明をハンディ一タイ プのバー コ一 ドリ ーダに適用した場合について説明 し、 第 5 実施例では本発明を C C Dカメ ラによる光学的情報の読取り治具に適用 した場合について説 明する。
図 1 は、 本発明の第 1 実施例を表す概略構成図、 図 1 2 は、 その断 面斜視図である。 なお、 図 1 〜図 5 , 図 1 4 , および図 1 5 はバー コ 一ドの長手方向の断面を示している。
図 1 および図 1 2 において、 第 1 実施例におけるバーコ ー ド リ ーダ Aは、 主と して、 読取り 口 4 0 a を有するハ ン ジ ング 4 0 、 光を照射 する照明光源 1 、 光を所定範囲内 (後述する拡散反射板 3 に対 しての み照射する範囲) に集光させる レ ンズ 2 、 入射 した光を拡散反射 (入 射光が反射面で全方向に反射) させる曲面 (凹面) 形状からなる拡散 反射板 (例えば白色のケ ン ト紙) 3 、 読取り 口 4 0 a近傍に設け られ てバー コ 一 ド リ 一ダ A内へのゴ ミ 等の侵入を防止する読取り窓 1 3 、 反射光の進行方向を変更する平面反射鏡 5 、 鏡筒 7 内に設け られた レ ンズ 6 、 および受光した光の強度に応 じて電気信号に変換するィ メ 一 ジセ ンサ 8 によ り構成されてい る。 こ のイ メ ー ジセ ンサ 8 は多数の受 光素子を線状に並べた一次元タ イ プの もので、 照明光源 1 の発光した 波長を感知でき る ものである。 なお、 照明光源 1 および拡散反射光 3 は照射手段に相当 している。
鏡面 4 には、 バー コー ド (便宜上、 図面ではバー コ ー ドのスペー ス すなわち鏡面のみを描写) が印刷されており、 鏡面 4 に入射した光は 鏡面反射 (入射光が、 入射角に等 しい角度でかつ入射角 と正反対の角 度で反射する こ と) される。 なお、 図 1 〜図 5 , 図 1 4 , および図 1 5 において、 図面作成上、 鏡面 4 a は鏡面 4 に対して角度 ^だけ傾け たよ う に描かれているが、 実際にはバー コ 一 ド リ ーダ自体を鏡面 4 に 対して角度 /Sだけ傾けたこ とを意味しているので、 以下の説明におい てもバー コ 一 ド リ 一ダを鏡面 4 に対 して角度 だけ傾けたと して説明 する。
そ して、 イ メ ー ジセ ンサ 8 よ り 出力された電気信号は、 図 1 3 に示 すよ う に、 セ ンサ信号処理回路 3 1 にて増幅, 2 値化され、 C P U 3 3 にてデコー ド処理を施された後、 ィ ンタ ーフ ヱ ース回路 3 4 を介 し て外部機器 3 5 に出力される。 なお、 こ の C P U 3 3 は、 セ ンサ駆動 回路 3 0 および L E D駆動回路 3 2 に駆動信号を出力する こ と によ り イ メ ージセ ンサ 8 および照明光源 1 を駆動する。
次に、 上記構成における作動を簡単に説明する。
図 1 および図 1 2 において、 照明光源 1 から光が照射される と、 そ の出射光はレ ンズ 2 により所定範囲内に集光されて拡散反射板 3 に到 達する。 そ して、 この拡散反射板 3 に到達した照射光 1 0 0 , 1 0 3 は、 拡散反射板 3表面にてそれぞれ拡散反射される。
この時、 読取り 口 4 0 aが鏡面 4上に接触配置された伏態であった 場合には、 この照射光 1 0 0 , 1 0 3 の う ち、 拡散反射された照射光 1 0 0 の一部である拡散反射光 1 0 1 は鏡面 4 に到達し、 鏡面 4 にて 鏡面反射されて鏡面反射光 1 0 2 を得る。 この鏡面反射光 1 0 2 は、 平面反射鏡 5 にて鏡筒 7 内の レ ンズ 6 へとその進行方向が変えられ、 レンズ 6 により イメ ージセンサ 8 にて結像されて電気信号に変換され る。
したがって、 この時、 スペースに栢当する正反射成分の反射光の光 強度は、 拡散反射板 3 の拡散反射によって弱められているので、 従来 のバーコ ー ドと同様に、 受光した反射光の光量の差によ っ てバーおよ びスペースを識別する こ とができ、 この電気信号に基づいてバーコ 一 ドの情報内容が読取られる。
—方、 バーコ一 ドリ ーダ Aを角度 だけ傾けた場合には、 レ ンズ 2 を介して照射された照射光 1 0 0 , 1 0 3 のう ち、 拡散反射された照 射光 1 0 3 の一部である拡散反射光 1 0 4 は鏡面 4 a に到達し、 鏡面 4 a にて鏡面反射されて鏡面反射光 1 0 2 となって、 上述した光路を 迪つてイメ ージセンサ 8 に到達してバーコ一ドの情報内容が読取られ る o
このよ う に第 1 実施例においては、 鏡面 4 に印刷されたバー コ 一 ド を読取る際に、 バーコ 一 ドリ ーダ Aを角度 3だけ傾けた場合でもバー コー ドを読取る ことができるが、 続いては、 この読取り原理を図 1 0 および図 1 により説明する。
レ ンズ 2 を介した照明光源 1 からの照射光 1 0 0 が拡散反射板 3 の
位置 a に照射され、 その反射光の一部である拡散反射光 1 0 1 が鏡面 4 に照射される と、 鏡面反射によ り、 イ メ ージセ ンサ 8 に結像される 光路となる鏡面反射光 1 0 2 が得られる。 同様に、 レ ンズ 2 を介 した 照明光源 1 からの照射光 1 0 3 が拡散反射板 3 の位置 b に照射され、 その反射光の一部である拡散反射光 1 0 4 が鏡面 4 a に照射される。 こ こで、 バー コ一 ド リ 一ダ Aが鏡面 4 に対 して角度;3だけ傾け られた 場合には、 拡散反射光 1 0 4 の鏡面反射光は、 鏡面反射によ り 、 ィ メ ージセ ンサ 8 に結像される光路と なる鏡面反射光 1 0 2 となる。
すなわち、 拡散反射板 3 からの拡散反射光は、 照射光が拡散反射板 3 に入射した位置 (図 1 0 においては位置 a , b ) から各々生 じてい るので、 図 1 1 に示すよ う に、 例えばバーコー ド上の所定位置 Pへの 入射角をみた場合、 異なる入射角で入射している こ と になる。
つま りバー コー ド リ ーダを傾けない状態では、 拡散反射光 1 0 1 の 鏡面 4 への入射角は角度 α 、 拡散反射光 1 0 4 の入射角は角度 /S i ( β i = β 0 + 7 ) であ り、 拡散反射光 1 0 1 によ り イ メ ー ジセ ンサ 8 に結像される光路を得ているが、 バー コ 一 ド リ ーダを角度 /3だけ傾 けた状態では、
拡散反射光 1 0 1 の鏡面 4 a への入射角 = /3。 — β … ( 1 ) 拡散反射光 1 0 4 の鏡面 4 a への入射角 = /3 , — β
= β 0 + γ - β - ( 2 ) となる。
そ こで、 拡散反射光 1 0 4 の鏡面 4 への入射角は角度が yS t = β ο
+ β (すなわち、 7 = β である とすれば、 拡散反射光 1 0 4 の鏡面 4 a への入射角は /3 。 と な り 、 拡散反射光 1 0 4 によ り イ メ ー ジセ ン サ 8 に結像される光路を得る こ と になる。 そのため拡散反射板 3 への 照射光を放射状に多数入射させる こ と によ り 、 バー コ 一 ドの所定位置 P に対して異なる入射角で多数入射する こ と になるので、 バー コ 一 ド リ ーダを傾けた (スキュー角を変えた) と しても、 上述 した原理によ
り読取りを可能とする ことができる。
これは、 図 1 5 に示すように、 照明光源 1 およびレンズ 2 が鏡面 4 に映る ことにより、 虚像の照明光源 1 aおよび虚像の レンズ 2 aが、 虚像の拡散反射板 3 a を介してバ一コー ドに対して光を照射, 透過さ せてイメージセンサ 8 に到達させたのと同じ効果が得られるという虚 像関係を利用したものである。
これにより、 イメ ージセンサ 8側からみれば、 鏡面 4 となるスぺー スに拡散反射板 3 が映し出される ことになるので、 鏡面 4 からの反射 光の光強度は、 実質的にスペースは拡散反射板 3 から照射される拡散 反射光の光強度と同等になって、 従来の紙面上に印刷されたバーコ一 ドを読取るのと同じ読取り動作とする ことができる。
なお、 上述したよう に、 バーコー ドの所定位置に対して複数の照射 光を各々異なる入射角で照射する こ とは、 通常の読取り動作を行う上 では重要となる。
すなわち、 拡散照射光を使用する従来のバ一コー ドリ ーダでは、 通 常の読取り動作とはいえない使用状態であれば、 上記入射角条件を潢 たす場合があ り、 図 9 に示すよう に、 点光源 2 3 からの拡散照射光 2 0 4 は、 金属表面であるスペース 2 2で正反射し、 反射光 2 0 0 はレ ンズ 2 4 により イメ ージセンサ 2 5でバーコー ドの映像が結像されて バーコー ドの情報内容を読取る ことができる。
しかし、 この入射角条件から外れて、 例えばスペー ス 2 2が設けら れた金属表面に対して角度 αだけ傾けた場合 (図 9 においては、 図面 作成上、 スペース 2 2 aが設けられた金属表面は、 スペース 2 2 が設 けられた金属表面に対して角度 αだけ傾けたよう に描かれているが、 実際にはバーコー ドリ ーダ自体をスペース 2 2 が設けられた金属表面 に対して角度 αだけ傾ける ものである) には、 スペース 2 2 aで反射 される拡散照射光 2 0 4 の反射光 2 0 5 は、 レンズ 2 4 およびイノ ー ジセンサ 2 5 に到達しな く なってしま う。
但し、 光源 2 3 からの照射光は拡散光であるため、 照射光 2 0 4 以 外にも照射光 2 0 6 も光源 2 3 から照射され、 金属表面である スぺ一 ス 2 2 a で正反射し、 反射光 2 0 7 は レ ンズ 2 4 に到達する。
しかし、 こ の反射光 2 0 7 の光路では レ ンズ 2 4 に対する入射角度 が異なるためにイ メ ー ジセ ンサ 2 5 でバー コー ドの映像が結像されな いので、 たとえ レ ンズ 2 4 に到達 したと して も読取り には至らないこ とになり、 結局は上記入射角条件を満たさねければバー コ 一 ドを読取 る こ と はできず、 この入射角調整のために、 バーコー ド リ ーダの操作 が容易に行えな く な って しま う と い う 問題がある。
特に、 イ メ ージセ ンサ 2 5 は一次元セ ンサであるため、 光電変換を 行う素子部 2 5 a の、 バー コー ドの長手方向に対応する方向の幅は狭 いので、 レ ンズ 2 4 への入射位置が若干ずれただけでもイ メ ージセ ン サ 2 5上で結像されな く なって しま う。
と こ ろが上記バー コ一 ド リ ーダ Aによれば、 拡散反射板 3 への照射 光を放射状に多数入射させる こ と によ り 、 バーコー ドの所定位置 P に 対して異なる入射角で多数入射する こ と になるので、 バー コ一 ド リ ー ダ Aを傾けた (スキュー角を変えた) と しても、 上述 した原理によ り 読取りを可能とする こ とができ、 通常の読取り動作範囲内で充分使用 が可能となる。
以上述べたよ う に第 1 実施例におけるバー コ一 ド リ ーダ Aでは、 拡 散反射板 3 によ り拡散反射された複数の拡散反射光がバー コ一 ドに対 して入射され、 正反射成分の反射光をィ メ ー ジセ ンサ 8 に結像させて いるので、 バーおよびスペー スの識別に必要な光強度差、 すなわち反 射率差 ( P C S ) を大き く させる (従来では約 3 0 %以下であ る のに 対し、 本実施例では 8 0 %以上となる) こ とができ、 鏡面 4 に印刷さ れたバーコー ドであ っても読取り を可能とする こ とができ る。
しかも、 拡散反射板 3 によ り拡散反射された複数の拡散反射光がバ ー コ ー ドの所定位置に対して異なる入射角で入射されるので、 読取り
動作時にバーコー ドリ ーダ Aを鏡面 4 に対して傾けたと しても、 バー コ一 ドからの反射光を的確にイ メ ージセンサ 8 に結像させる ことがで き、 バーコー ドへの入射角の調整を行う必要がな く 、 バーコー ドリ ー ダ Aの操作を容易に行う こ とができる。
また、 拡散反射板 3が凹面形状を有しているので、 拡散反射板 3 か らの拡散光の拡散方向をバーコ一ドに集中させる こ とができ、 これに より読取り に必要な光強度を稼ぐこ とができる。
次に、 本発明の第 2実施例について説明する。
図 2 は本発明の第 2実施例を表す概略構成図である。 なお、 図 2 お よび後述の各実施例の説明に用いられる図 3 〜図 5 および図 1 4 の図 番号で、 図 1 の図番号と同番号である部分については、 図 1 の図番号 と均等部分を示すものである。
図 2 において、 第 2実施例におけるバーコー ドリ ーダ B は、 主と し て、 読取り 口 4 0 aを有するハウ ンジグ 4 0 、 光を照射する照明光源 1 、 光を所定範囲内 (拡散反射板 3 に対してのみ照射する範囲) に集 光させる レンズ 2、 入射した光を拡散反射させる拡散反射板 9 、 平面 反射鏡 5、 鏡筒 7 内に設けられた レンズ 6、 およびイ メ ージセンサ 8 により構成されている。 そ して、 第 2実施例において第 1 実施例と異 なる点は、 イメ ージセンサ 8 に結像される光路を得る方法が異なる点 である。 なお、 この第 2実施例では、 読取り窓 1 3が設けられていな いが、 設けても差し支えない。
すなわち上記構成における作動を説明すると、 図 2 において、 照明 光源 1 から光が照射される と、 その出射光はレンズ 2 により放射状に 分散されて鏡面 4 に到達する。 する と、 鏡面 4 に到達した照射光 1 1 0, 1 1 4 は鏡面 4 の表面上で鏡面反射されて鏡面反射光 1 1 1 と し て拡散反射板 9 に到達して拡散反射される。 この鏡面反射光 1 1 1 が 拡散反射された鏡面反射光 1 1 1 の一部である拡散反射光 1 1 2 は再 度鏡面 4 に到達し、 鏡面 4 にて再度鏡面反射されて拡散 · 鏡面反射光
1 1 3 となる。
こ の拡散 · 鏡面反射光 1 1 3 は、 平面反射鏡 5 にて鏡筒 7 の レ ンズ 6 へとその進行方向が変え られ、 レ ンズ 6 によ り イ メ ー ジセ ンサ 8 に て結像されて電気信号に変換される。 したがって、 従来のバーコー ド と同様に、 反射光を受光しなければバーへ入射した照射光である と判 断でき、 反射光を受光すればスペースへ入射 した照射光である と判断 でき るので、 こ の電気信号に基づいてバー コ一 ドの情報内容が読取ら れる。
一方、 バー コー ド リ ーダ B を角度 /3だけ傾けた場合には、 レ ンズ 2 および鏡面 4 a を介 して照射された鏡面反射光 1 1 5 が拡散反射され た鏡面反射光 1 1 5 の一部である拡散反射光 1 1 6 は再度鏡面 4 に到 達し、 鏡面 4 a にて再度鏡面反射されて拡散 · 鏡面反射光 1 1 3 とな つて、 上述した光路を迪つ てイ メ ー ジセ ンサ 8 に到達してバー コ ー ド の情報内容が読取られる。
以上述べたよ う に、 第 2 実施例におけるバー コー ド リ ーダ Bでは、 バー コー ドが印刷された鏡面 4 が有する鏡面反射と いう性質を利用 し て、 鏡面 4 からの鏡面反射光を拡散反射板 3 によ り拡散反射 して再度 鏡面 4 に入射させ、 これによ り イ メ ー ジセ ンサ 8 に結像させる光路を 得ているので、 鏡面 4 を、 いわば平面反射鏡 5 と同様な反射鏡と して 用いている。
これは、 バー コ一 ドの印刷面が鏡面であるが故に可能な方法 (後述 する梨地処理等が施された面でもよい) である。 つま り光を複数回反 射させたと しても、 鏡面のよ う な ものでは光の吸収率が低い (すなわ ち反射率が高い) ため、 その光強度が大幅に減少 して読取り不能 (光 強度が弱いと、 スペースではな く バ一 と して認識されて しま う ため) とな らないためである。
また、 上述 した第 1 実施例と同様に、 読取り動作時にバーコ一 ド リ ーダ Bを鏡面 4 に対して傾けた と して も、 バーコ一 ドからの反射光を
的確にイ メ ージセンサ 8 に锆像させる こ とができるので、 ノ ー コ ー ド への入射角の調整を行う必要がな く 、 バー コ一ドリ 一ダ Bの操作を容 易に行う ことができる。
なお、 この第 2実施例において、 鏡面 4への照射光は上述した放射 状の照射光以外にも、 レーザ等の平行光であっても差し支えない。 次に、 本発明の第 3 実施例について説明する。
図 3 は本発明の第 3実施例を表す概略構成図である。 この第 3 実施 例において第 1 実施例と異なる点は、 鏡面 4への拡散反射光の照射方 法が異なる点である。 すなわち、 第 1 実施例における照明光源 1 、 レ ンズ 2、 および拡散反射板 3 に代えて、 図 3 に示すよ う に面発光型の 照明光源 1 0 を設け、 複数位置からの拡散光を直接鏡面 4 に対して照 射する ものである。 このよう にすれば、 上記第 1 実施例と同様の効果 が得られるばかりでなく 、 光源を被写体 (バーコー ド) の近く に設け る ことができるため、 装置構造を簡素に しつつ、 照射光の光強度を容 易に確保する ことができる。
また、 この第 3 実施例における面発光型の照明光源 1 0 は、 図 4 に 示すよう に構成してもよい。 すなわち第 3 実施例の変形例を表す図 4 に示すよう に、 面発光型の照明光源 1 0 に代えて、 第 1 実施例の場合 と同様に、 照明光源 1 およびレンズ 2を配置し、 さ らに、 この レンズ 2 の出射側に拡散透過板 1 1 を配置して、 複数位置からの拡散光を直 接鏡面 4 に対して照射してもよい。
次に、 本発明の第 4実施例について説明する。
図 5 は本発明の第 4実施例を表す概略構成図である。 この第 4実施 例において第 1 実施例と異なる点は、 鏡面 4への拡散反射光の照射方 法が異なる点である。 すなわち、 第 1 実施例における照明光源 1 , レ ンズ 2 , および拡散反射板 3 に代えて、 図 5 に示すよ う に面発光型の 照明光源 1 2 を設け、 照明光源 1 2 および拡散反射板 3 によって鏡面 4 に対して拡散反射光をより多角的に照射する ものである。 このよう
にすれば、 上記第 1 実施例と同様の効果が得られるばかりでな く 、 バ ー コ ー ドの所定位置に対する入射角が異なる拡散反射光を レ ンズ 2 の 場合と比較してよ り多数にする こ とができ、 鏡面に対するバー コ 一 ド リ ーダの傾け角度の自由度をよ り高める こ とができ る。
次に、 本発明の第 5 実施例について説明する。
この第 5 実施例は、 上述 したよ う に本発明を C C Dカ メ ラによ る光 学的情報の読取り治具に適用 した場合の実施例である。
図 6 において、 読取り治具 C は、 主と して、 鏡面にバー コー ドが印 刷された読取り対象 1 4 を設置する置き台 1 5 、 C C Dカ メ ラ 1 6 、 レ ンズ 1 7 、 および入射した光を拡散反射させる拡散反射板 1 8 によ り構成されている。
上記構成における作動を説明する と、 図示されない光源から放射状 に出射された光 1 2 0 が置き台 1 5 に付加された拡散反射板 1 8 に照 射された場合、 拡散反射板 1 8 全体から拡散した拡散反射光が反射 し て、 読取り対象 1 4 の鏡面に印刷されたバーコー ドに対して多角的に 照射される。 する と、 読取り対象 1 4 の設置角度に係わらず、 読取り 対象に対して照射された拡散反射光の一部が鏡面反射によ り レ ンズ 1 7 を介して C C Dカ メ ラ 1 6 まで到達 し、 これによ り上記各実施例と 同様に読取り対象 1 4 の情報内容を読取る こ とができ る。
このよ う な読取り治具の場合、 C C D カ メ ラ 1 6 の性能に も多少は 依存しているが、 上述した図示されない光源は、 自然光を含む一般照 明で読取る こ と もでき る と い う こ とが本件出願人によ り確認されてい るため、 読取り装置専用の照明光源を持つ必要がな く 、 省エネルギー 化に有用である。
次に、 本発明の第 6 実施例について説明する。
図 1 4 は本発明の第 6 実施例を表す概略構成図である。 こ の第 6 実 施例では、 従来構成のバー コ 一 ド リ 一ダ (照明光源 1 の照射方向が拡 散反射板 3 ではな く バー コ 一 ドに向け られた もの) に対 して拡散反射
板 3 を設ける ことにより、 紙面に印刷されたバーコ一ドを読取るため の第 1 の光路 ( 1 0 O b— 1 0 2 ) と、 鏡面に印刷されたバー コー ド を読取るための第 2 の光路 ( 1 0 0→ 1 0 1 → 1 0 2 ) という 2 つの 光路を持たせるよう にしたものである。 このよう にすれば、 従来から あるバーコ一ドリ ーダの、 ハウ ジング形伏や内部構成品の配置関係を 何ら変更する ことな く 、 拡散反射板 3 の追加のみによって、 紙面およ び鏡面のいずれに印刷されたバーコー ドであっても読取る ことができ る
次に、 他の実施例について説明する。
上記第 1 〜第 6実施例では、 鏡面 4 への入射光 (再度鏡面へ入射さ せる光も含む) は拡散光を用いていたが、 バーコー ド上の.所定位置か らみて異なる入射角で光が入射していれば、 レーザ等の平行光を用い てもよい。
また、 上記第 1〜第 6実施例では、 バー コー ドを読取るための装置 に本発明を適用した場合について説明したが、 バーコー ド以外の光学 的情報 (O C R , 2次元コー ド等) を読取る装置に本発明を適用 して もよい。
さ らに、 上記第 1 〜第 6実施例では、 バーコ一ドを鏡面に印刷した ものについて説明したが、 光が入射された時に発する反射光の反射成 分のう ち、 正反射成 (反射光の反射角が入射角に等しい成分) の光 強度が 1 つの拡散反射成分 (正反射方向以外の方向へ反射する成分) の光強度に比して多 く なるような形成面上に形成された光学的情報を 読取る装置に本発明を適用 してもよい。 その一例と しては、 梨地処理 も し く はヘアライ ン処理が施された面上のバーコ一ドを読取るバー コ — ドリ ーダがある。
また、 上記第 1 〜第 6実施例における拡散反射板、 又はそれと同等 の働きを示す部材の大きさ、 設置角度、 形状等の設定は、 イ メ ージセ ンサ 8側からみた際、 鏡面反射する鏡面 4上のバー コ一 ドの周囲に映
し出されるよ う に設定する。 そ して、 拡散反射板の色は、 照射光の色 をそのまま反射する白色、 又は照射光と同色 (一般には赤色) が望ま しい。
さ らに、 上記第 1 〜第 6 実施例におけるバーコー ド リ ーダは、 上述 したよ う な鏡面に印刷されたバーコー ドの読取り専用にする必要はな く 、 一般的な紙面に印刷されたバー コ一 ドを読取るバー コ一 ド リ一ダ と兼用 してもよい。 産業上の利用可能性
以上述べたよ う に本発明においては、 通常読取り動作となる鏡面上 に読取り 口を接触配置 した時であっても、 面状の拡散照射光の前記形 成面による像の少な く と も一部が反射光の光路の延長上に形成される ので、 照明光源および上記配置関係によ って、 正反射成分の反射光の 光強度を弱めた上で、 読取り器に、 こ の反射光を受光させる こ とがで さ る。
これによ り、 例えば鏡面上に形成さたバーコー ドであっても、 通常 の読取り動作にて的確に読取る こ とができ るので、 例えば、 バー コ一 ドを金属製品、 例えば手術用のメ スや缶詰に直接マ一キング (焼付処 理等) して、 マーキングされたバー コー ドによる集中管理を行う シス テムに本発明のよ う な情報読取り装置を適用する こ と ができ る。